WindowsやmacOS、iOSやAndroidなど様々な端末に対応するベンチマークアプリGeekbenchは、Samsungが開発・販売する同社のフラッグシップスマートフォン「Galaxy S」シリーズの一部を、性能評価の統計から除外すると発表しました。
Today we delisted these handsets from the Android Benchmark chart on the Geekbench Browser.
— Geekbench (@geekbench) March 4, 2022
これは先日、Samsungが1万を超えるアプリのパフォーマンスを意図的に制御していたことが判明したことを受けて行われたもの。Samsungは、同社製端末にインストールされている「GOS(Game Optimizing Service)」アプリにより、ゲーム以外のアプリにおいてもパフォーマンスを制御していたことが判明しています。
さらにGeekbenchを含む複数のベンチマークアプリがこのパフォーマンス制御から除外されていたため、同アプリは、これをベンチマーク測定結果の操作と断定。今回の決定に至ったとのことです。
Samsungはこの問題に対し、GOSがCPUとGPUのパフォーマンスを制御することによって、長時間のゲームプレイによる本体の発熱を抑えることができるとした上で、GOSの有効・無効をユーザーが選択できるようにするソフトウェアアップデートを配信すると発表。ただ、ゲーム以外のアプリのパフォーマンス制御に関しては言及されていません。
2017年に問題となった、Appleがバッテリーの劣化したiPhoneの性能制御を行なっていた「バッテリーゲート」問題をはじめとし、「ユーザーの見えないところでの性能操作」は、これまでに他社でも行われてきました。
ユーザー体験だけでなく、メーカーに対する信頼性までも著しく低下するものとなります。どの機能においても、バックグラウンドでこそこそやるのではなく、しっかりと公表し、ユーザーが選択できるようにする必要があると考えます。