音響メーカーの独ゼンハイザーは、4月26日に完全無線イヤホン(以下、TWS)の新商品「Momentum True Wireless 3」を発表しました。
「最高を再定義する」と謳う同社のフラッグシップモデルとなり、それに恥じない仕様となっています。
スピーカーに当たるドライバーユニットは7mm True Responseダイナミック型ユニットを採用してます。加えて約10万円で販売されている同社の「IE600」と同様の音響機構であるアコースティックバックボリューム機構を採用することで、さらに高音質に磨きをかけています。
従来機にも搭載されていたQualcomm製のBluetoothチップセットに加え、本機種では音声出力とノイズキャンセリング機能を担当する独自チップセットを搭載しています。これにより、従来機に比べ音の表現力の向上、低ノイズ化を達成しています。
対応コーデックはSBC/AAC/aptXに加え、24bit/96KHzのハイレゾ級再生が可能なaptX Adaptiveにも新たに対応。Snapdragon Soundには非対応ですが、従来機よりも高音質で再生可能となりました。
周囲の騒音に自動最適化するアダプティブノイズキャンセリングを採用。ゼンハイザー独自のアルゴリズムによって音質に影響の少ない騒音除去が可能になったといいます。
バッテリー持続時間はイヤホン単体で最大7時間、ケース併用で最大28時間。
また充電ケースはQi規格の無接点充電に対応します。
そのほか、再生周波数帯域は5Hz~21kHzで、音圧感度は107dB SPL。イヤホン本体はIPX4の防滴に対応しています。専用アプリ「Smart Control」にてイコライザーの調整をはじめとしたカスタマイズにも対応しています。
カラーはブラックとホワイト、Amazon限定のグラファイトの3色が展開され、ブラックとグラファイトは5月20日。ホワイトは夏以降発売となります。Amazonでは3万6300円(税込)にて予約注文できます。
日本でも音質を求めるユーザーに好評なMomentum True Wirelessシリーズですが、価格は3万6300円とこの手のイヤホンでは高価なものとなります。
しかしaptX Adaptiveコーデックによるハイレゾ級再生や、長年培った知見をもとに開発した独自の音響機構やオーディオチップを採用するといった音響メーカーのこだわりが見て取れます。
それに加えて「高性能なノイズキャンセリング」「外音取り込み」「専用アプリによるユーザーカスタマイズ」も有しており、音に関しては同価格帯の機種で求められる要素は、ほぼ網羅しているといって良いのではないかと思います。
ただ音質以外を見てみると、7時間程度の連続再生時間はこの価格帯では一般的。IPX54の防滴性能、充電ケースの無接点充電対応は昨年からこの価格帯でも少しずつ採用が増えており、ゼンハイザーでも本機種が初めての無接点充電対応機種となっています。
「最高を再定義した」と謳う高音質と、機能面のバランスの良さを兼ね備えた本機種。普段よりいい音を求めるユーザーには新たな選択肢となりそうです。