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英国、露プロセッサメーカー2社に制裁。英ARMチップの製造困難に?

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に関して、英国政府は新た63のロシア企業を制裁対象に追加。これにより、ロシアのプロセッサ製造メーカー2社が、新たに制裁の対象となりました。

 今回制裁に追加されたプロセッサメーカーは、Baikal ErectronicsとMCSTの2社。この2社は、これまで英国のARM社とのライセンス契約によって、ARMアーキテクチャを採用したプロセッサーを設計してきました。

 各国からの制裁を受けて、IntelやAMDなど欧米諸国が製造したプロセッサが不足しているロシアにとって、最後の命綱となっていた企業。しかし、今回の制裁によって、ARM社はこれら2社とのライセンス契約も制限され、ARMアーキテクチャを採用したチップの製造ができなくなる可能性があります。

 Baikai Erectronicsは、16nmチップの設計を行うライセンスのみを所持しており、製造をすることはできません。そもそも、Baikai ErectronicsやMCST社は、チップの製造をSamsungやTSMCに委託しており、国内での製造を行なっていません。今後この2社は、この制裁やARM社とのライセンス契約におけるルールを無視して製造を行うことも考えられます。

MTSC社のElburs-8C (8コア、1.3GHz、70W)

 しかし、ロシアのチップ製造技術は、現代において明らかに時代遅れ。90nmプロセスでの生産しかできず、これはNVIDIAが2006年に販売したGeForce 7000シリーズで採用したものと同じ製造プロセスとなります。ロシア国内で設計されたオリジナルのプロセッサも、IntelやAMDのものと比較すると明らかに性能が劣るとのことで、ARMアーキテクチャによる設計や製造ができなくなると、ロシアにとっては大打撃となります。

 この制裁について英国政府は、「この制裁は、ロシアに対して、ウクライナを不安定にする行動や、ウクライナの領土・主権・独立を損ない脅かす行為の中止を促すためのものである」とし、制裁の正当性を主張しています。

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