Huawei初の電子ペーパータブレット、「HUAWEI MatePad Paper」ですがGSMAremaがレビューしています。
MatePad Paperのデザイン面の特徴としては、超軽量型に設計されている点が特徴的です。高さ225.2mm、幅182.7mmの10.3型と十分大型なディスプレイサイズにもかかわらずその重量はたったの360グラム。その名の通り紙を思わせるような薄型軽量ボディです。
前面はほとんどe-inkパネルで占められており、左側ベゼルと裏面は革風のプラスチック素材仕上げとなっています。上部には指紋認証スキャナーとしても機能する電源ボタン、右側側面上部には音量調整兼ページめくり用ボタンが搭載。さらに右側側面にはスタイラスペンを充電位置に固定するマグネットも搭載されています。防水防塵機能は搭載されていないため使用環境には注意が必要です。
Bluetoothで接続可能な「M Pencil」のほか、マグネットで着脱可能なレザー仕上げのディスプレイカバー、「Folio Cover」と充電器、交換用ペン先ティップも同梱されています。
10.3型のe-inkディスプレイは電子ペーパータブレットの中でも最大サイズクラスですが、Huaweiによるとこれが最適サイズとのこと。解像度は1872×1404で、画面密度は227ppiと2020年モデルのMatePadより高解像度となっています。
e-inkの欠点として挙げられるのがリフレッシュレートの低さです。3段階のリフレッシュレートモードが搭載されているものの体感できる大きな違いは感じられず、YouTubeや一部のゲームも対応してはいるもののやはりe-inkは文字表示に特化したディスプレイ。公式的にもレビュー結果的にも推奨はできないとのことです。
リフレッシュレートの低さはスタイラスペンを使用した時も問題で、必要な機能は果たすものの反応の遅さは気になってしまうとのこと。通常タブレットとしてではなく電子ペーパータブレットとしての使用のみを念頭に置いて購入したほうがよさそうです。
OSはHarmonyOS 2が搭載され、UIは本デバイス専用にカスタムされたものです。通知欄チェックやコントロールパネル起動など共通する項目はあれど、メモや書籍、カレンダーなどをまとめてウィジェット表示した独特なホームスクリーンが搭載されています。
Huawei Bookstoreが標準対応のほか、pdfやepub形式の好きな書籍をUSBまたはBluetooth経由で読み込みすることができます。AppleやGoogleの電子書籍サービスは当然非対応となっています。
Huaweiはビジネスシーンでプレゼンテーションなどの補助デバイスとして使えると売り込んでいますが、Huawei Matestation Xと併用してセカンドスクリーンとして使用しようとしたところうまく機能せず、白黒のみで低リフレッシュレートな点も相まってあまりシームレスな補助スクリーンには感じなかったそうです。
電池容量は3625mAhですが、e-inkディスプレイの電池持ちの良さのおかげで公式では最大28日持続するとしています。BluetoothやWi-Fi機能をオンにした実践的な環境では2週間は余裕でバッテリーがもつとのこと。充電速度は22.5W高速充電により約100分間でフル充電が完了。レビューチームが一か月ほど使用したところ充電回数は2回で済んだそうです。
ハードウェアスペックはKirin 820EをSoCとして搭載し、64GBの内蔵ストレージと4GBの実行メモリと十分なスペックを誇っています。
価格は500ユーロとなかなか高価ですが、Kindleなどの他の電子ペーパータブレットには比較できないユニークさとスペックの高さを誇っているので価格相当と言えるだろうとのこと。
総評として、「Huaweiは大型ディスプレイで電子書籍を読んだりメモを取りつつもHuaweiのシステムや機能にアクセスもしたいというニッチなユーザー層に対しうまく刺さる製品を開発した」と高評価をしています。