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令和の国民機!「AQUOS sense7」ハンズオンレビュー、ついにハイエンド級サイズ撮像素子と側面指紋認証搭載に

 シャープは9月26日、AQUOS sense7を正式発表。記者向けに実機体験会を開催しましたのでハンズオンします。

 目立つ中央配置のメインカメラ。外観はAQUOS R7そっくりですね。

senseシリーズを担当するシャープ通信事業本部清水寛幸氏曰く、AQUOSのブランドイメージを高めていく狙いでデザイン言語を統一しているといいます。

 AQUOS R7ではガラス背面でしたが、本機はアルミニウム合金。一体成型により頑丈な筐体を獲得。防水防塵はもちろん、MIL規格準拠の耐衝撃+15項目の厳しい耐久試験もクリア。

 顔認証はマスク装着時でも対応。解錠はスムーズながら、顔を撮影した静止画や動画では突破できないようセキュリティ上の対策が施されており、他人受入率0.002%未満でGoogleの設けた基準もクリア。安心して使えます。

 画面内認証は廃止し、静電式側面指紋認証に。位置はやや下。強力な堅牢性を求めるなか、ひねりを加えられても耐えられるようこの配置となりました。電源ボタンと兼用ではありませんが、画面消灯時に待機から触れることで反応して解錠するタイプのため、スムーズに使用できそうです。

利用率低いグーグルアシスタントキーは廃止。

 画面内指紋認証はAQUOS R7も搭載する3D超音波式は範囲も広く解錠速度・セキュリティ共に優れているのですが、廉価モデルなどに搭載される安価な画面内認証は必ずしもそうではありません。下手な画面内認証を積むぐらいなら側面指紋認証の方がユーザーとしても使い勝手がいいのです。

 底部には3.5mm音声出力端子あり。スピーカーはモノラル。AQUOS sense6から音圧など多少は良くなっているそうです。

 画面は6.1型IGZO OLED。開発がシャープなのはもちろん生産も大阪堺工場。10億色(10bit)の美しい画面表示が特徴で、1300nit高輝度により広いダイナミックレンジを実現。明るいディスプレイではあるものの1300nitが完全に発揮できるのは屋外等ではなくあくまで動画再生ピーク輝度であるのには注意。

 SDR動画でも明るい部分の映像情報を復元してHDRのような表現の動画を楽しめるバーチャルHDR機能にも対応します。

 1-60Hz可変駆動により表示コンテンツに合わせたリフレッシュレートに切り替え、画面静止時はアイドリングストップにも対応、高い省電力性は健在。

 大容量電池搭載でWi-Fiでのストリーミング再生は連続最大23時間、1日1時間使用の限定的条件であれば1週間持続。インテリジェントチャージにより熱による電池負荷を減らして劣化を防止、3年後も電池残量90%を維持するといいます。

 撮像素子は二眼。中央にメインカメラの広角、左側にサブの超広角を配置。

おサイフケータイにも対応

 メインカメラはセンサーサイズを66%大型化。1/2型から1/1.55型のOV50Aに。1型センサーを搭載する最新のAQUOS R7や海外一流最高級機にこそ負けるものの、薄型や小型など製品特性や何らかの事情でカメラセンサーに力を入れていないハイエンドモデル(Xiaomi MIX Fold2、Zenfone 9、OPPO Find X5 Pro)などが軒並み搭載する1/1.56型のSony IMX766と同等サイズ。1/1.7型のXperia 1IVや1/1.67型のiPhone 14(非Pro)やiPhone 13 Proよりも大型です。センサーが大型であるほど多くの光を取り込め高感度など優位となります。

 いくら大型でもそれだけでは不十分で、画質処理も不可欠。そこで本機はAQUOS R7でシャープが培った技術を注入。ProPix4画質処理エンジンを謳いますが、あくまで画質処理を総称するブランディングであり、活用するISP/DSPはSoC内包のもの。オートでも比較的綺麗に撮れます。

画角変更がしにくい破滅的なUIもAQUOS R7同様に改善、扱いやすくなったのも注目ポイント

良好なHDR

ナイトモードも強化。JPGではなくRAWからの合成処理に、よりダイナミックレンジ広くノイズ少なく

ミッドレンジにしてはボケ量多め。カメラがダメダメだったがAQUOS R6以降、ライカとの提携で画質を磨き上げてきた成果が廉価モデルにトリクルダウン。薄暗いバーでもしっかり明るく撮れるのは感動モノ。

 従来のPDAFは位相差検出用画素を増やすほど画質低下を免れませんが、撮像用画素と位相差検出用画素を兼用する全画素PDAFにより画質と高速AFを両立。低照度でも高速合焦、快適に使えそうです。

 夜景はセンサーサイズの大型化と合成処理の高度化によってノイズが少なく。AQUOS R7の技術で総じて良くなっています。

 AQUOS sense7の方が明るく撮れ、AQUOS sense6はお菓子の細かいディテールが捉えきれず背景の黒い幕も滲んで潰れています。

 なお専用のナイトモードでは超広角を呼び出せず、オートで夜景判定された場合にのみ可能。廉価の廉価モデルの多くがそうであるように、本機も超広角レンズは非力のため、夜景は広角を使ってもらいたい意図。

 senseシリーズとしては総じてハイレベルなカメラに仕上がっているものの、ハイエンドモデルと比べれば当然劣ります。これはセンサーサイズの違いだけでなく、SoC内包のISP/DSPの性能によるもの。ハイエンドモデルであれば高い計算力をもってより多くの枚数で合成処理をかけますが、この枚数を減らさざるを得ないため。

 写真にこだわるユーザーであれば腰を据えてじっくり一枚を撮るでしょう。Snapdragon 695でも、連写を諦めて長い処理時間をかけて待たせるのであれば、より上位の画質処理をかけるも不可能ではありません。しかし本機はあくまで廉価モデルのため、サクサク快適に動作して連写もできることが利用者から求められるというわけ。これはやむを得ないところです。

 廉価モデル利用者ではほぼ使うことがない点かもしれませんが、高画素モードは呼び出し不可能、デジタルズーム含め全て画素混合(ピクセルビニング)での動作。これもSoCの制約が要因。

 カメラの使い勝手としてはAQUOS R7同様向上しています。少し暗めに映る場合でもタップして露出を変更すればOK。十分使えそうだなと感じました。

 ただ一点気になったのが手ブレでした。本機はOIS(光学式手ぶれ補正)非搭載、電子式手ぶれ補正に頼ります。

 AQUOS R7はOIS非搭載だろうが泣く子も黙る1型センサーの暴力で感度で殴る発想なので良いのですが、AQUOS sense7は1/1.55型でOIS非搭載。手ブレを抑えるには短いシャッタースピードで高感度にせざるを得ず、画質に影響が出るため痛し痒し。動画の手ブレもいまいちで特に60fpsで顕著。開発中の試作機でカメラに関してまだ追い込み中であるため、発売時には程よい塩梅になっていることに期待します。

 薄さは8mmに抑え、大容量電池で充実仕様の割には重量も158gと軽め、さらに幅は70mmと狭くそこそこ持ちやすい。

左からiPhone 14 Pro、AQUOS sense7、arrwos We

 金属筐体と中央配置カメラ、個人的にはHTC One M7/8辺りを思い出して普通にカッコいいと感じました。

 対応通信周波数は5G Sub6 n3/n28/n41/n77/n78/n79。4GプラチナバンドはB8/18/19。ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの四社回線で利用可能。

SIMスロットは上部

 色展開はLight Copper、Blue、Black、ドコモ限定色Lavenderの4色。

 多くの人に愛される国民機を目指して開発したという、「次のどまんなか」を狙う王道ミッドレンジ。まだまだ伸びしろのあったカメラも、ライカ提携の旗艦AQUOS R7で培ったノウハウを注ぎ込み大幅に向上。非常に魅力的に仕上がっています。高駆動でない点と尖った部分が少ないのが残念ですが、そこは疑似240Hz駆動とオーディオ・ビジュアル特化の兄弟機であるAQUOS sense7 plusにも注目したいところ。

 なおSnapdragon 695 5Gは当初想定ではAQUOS sense7が初号機となる予定だったとのこと。供給問題によりやむを得ず、本来600番台を搭載するはずのないAQUOS wish2やBASIO activeに到るまでSnapdragon 695を搭載することになってしまったといいます。

OS Android 12
2年最大2回OS更新
3年間セキュリティ更新
SoC Snapdragon 695 5G
メモリ 6GB
容量 128GB
画面 6.1型 (2432 × 1080)
カメラ 23mm f/1.9 1/1.55“センサー 5030万画素
15mm f/2.4 800万画素
インカメラ 800万画素
電池 4570mAh
寸法 152 × 70 × 8.0mm, 158g

 問題はAQUOS sense7の価格。sense6と位置づけは変わらないものの、激甚な円安により、定価4万円を切ることは難しそうです。

 とはいえスマホのうちコストの少なくない部分を占めるパネルは自社開発国内工場生産であり、望遠カメラや画面内指紋認証を廃止するなどコストダウンを図っており、なんとか4万円台で収まってほしいところ。今後の正式な価格告知を見守りたいところです。

 大手通信事業者は既に取り扱いを表明し予約受付を開始中。発売日は11月上旬以降。

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2022年9月27日20時32分:初出時HDR動画再生対応の記述がありましたが、正しくは非対応のため該当部分を修正しました。お詫びして訂正いたします。

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