インテル第13世代Core続々。進歩は小幅もモデル豊富 すまほん!!

 Intelは、ラスベガスで開催されている家電見本市のCES 2023において、第13世代Coreシリーズに関する発表を行いました。ノートPC向けCPUが主ですが、このほかにも初の「Intel processor」やデスクトップ向けCPUも追加されています。

13世代Coreシリーズの概要

 先代の第12世代Coreシリーズは、Armでいうところの「big.LITTLE」のような、処理性能と電力効率の異なる2種のCPUを混載する手法をとるなどとし、大幅な性能向上を実現しましたが、第13世代では大きく刷新された点は見当たらず、細かな改善が施されている程度にとどまります。

 また、昨年秋に先行してデスクトップゲーミング向けの「Core i9-13900K」をはじめとする、いわゆる「K付きモデル」が発表されており、一部モデルはそれと同じ方向性で性能向上などを実現しています。

ノート向けCPUは4シリーズ同時発表。最大32スレッドでゲーミングノートPCの覇権も盤石

 今回、モバイル向け第13世代Coreシリーズとして発表されたのは、ゲーミングPC向けの高性能なHシリーズとその上位のHXシリーズ、性能と電力効率のバランスをとったPシリーズに低消費電力で薄型PC向けのUシリーズの4つ。昨年の第12世代ではH/P/Uシリーズを発表したのちにHXシリーズが追加された流れですが、今回はすべて同時に発表されました。

大幅刷新の高性能HXシリーズ、24コア&5.6GHzを実現し比類なきゲーミング性能を提供

 モバイル向けの中で最も大きく進歩したのは、ゲーミング向けでデスクトップ向けCPUと設計を共有するHXシリーズ。

 Core i5からi9まで、それぞれ3モデルずつ用意されていますが、最上位の「Core i9-13980HX」は最大24コア32スレッドを実現。高性能なPコアを8基、電力効率に優れた裏方役のEコアを16基備えます。

 Pコアはターボ時最大5.6GHzを達成。これはノートPC向けCPU市場で最速で、12世代の最大5.2GHzから大きく伸びています。メモリは上位4モデルがDDR5-5600、それ以外がDDR5-4800まで。消費電力はすべてのモデルでTDP55W、ターボ時最大157W。やはり電源に繋いでのゲームプレイが現実的です。

 第12世代と比べると、スペックシート上ではキャッシュの増量とEコアの増加が進化のポイントとなります。第13世代と第12世代の最上位モデルのスペックを比較すると以下の通り。

  Core i9-13980HX Core i9-12950HX
コア数/スレッド数 8P16E/32スレッド 8P8E/24スレッド
Pコア最大周波数 5.6GHz 5.0GHz
Eコア最大周波数 4.0GHz 3.6GHz
ベースパワー 55W 55W

 IntelはHXシリーズについて、前世代に比べてシングルスレッド性能が11%、マルチスレッド性能が49%高速化していると述べています。加えて、第13世代HXシリーズを搭載したノートPCの機種は、12世代HXシリーズを搭載したノートPCの5倍である60機種に上る予定だといいます。

マイナーチェンジにとどまったH/P/Uシリーズ。キャッシュの増量がメイン

 一方、モバイル向けCPUの主力であるH/P/UシリーズではEコア数の増加は行われず、全体的にクロックの底上げとキャッシュの増量で性能を上げています。

 Hシリーズでは最上位モデルのi9-13900HKをはじめとし、i9とi7の合計6モデルが6P8Eの14コア構成。i7とi5にはEコアを4コアへ半減し、さらに内蔵GPUの処理能力を落としたモデルが用意されていますが、基本的にはi9/i7が6P8E、i5が4P8Eという構成です。最大クロックは5.4GHz。

 ビジネスユースなどに適した選択肢であるPシリーズも同様の傾向にあり、最上位のi7-1370Pが6P8Eの14コア、そのほかのモデルが4P8Eの12コア16スレッド。Pコアのブーストクロックは全体的に0.2~0.4GHzほど伸びています。

 消費電力は28Wで、ターボ時の最大電力は64W。後述するUシリーズよりパワフルで、性能と電力効率の両立を実現しています。

  i7-1370P i7-1360P i5-1350P i5-1340P
コア数総計 14 12 12 12
Pコア数 6 4 4 4
Eコア数 8 8 8 8
スレッド数 20 16 16 16
L3キャッシュ 24MB 18MB 12MB 12MB
最大クロック 5.2GHz 5GHz 4.7GHz 4.6GHz

 最後に薄型PC向けのUシリーズ。かつてUシリーズといえば、なんちゃってCore i7のように名ばかりで実際の性能は低い……という印象でしたが、筆者の所持するノートPCが採用するHシリーズのCore i7-10750Hは、すでに前世代のCore i5-1235UにPassmarkスコアで敗北しており、もはやそんなことも言えなくなってきています。

 UモデルはほぼすべてのモデルでPコアが2コア、Uコアは4もしくは8コアとなっています。もちろん、クロックもすべてのモデルで上昇。

 12世代ではCore i7-1255Uとi5-1235Uを搭載するノートPCが非常に多く、型番上ではCore i7-1355Uと1335Uがこれを継承するものと思われますが、これらに絞って比較するとPコアの最大クロックが0.3GHzが上がってそれぞれ5GHzと4.6GHz、GPUのクロック周波数も0.05GHz上昇するなど、わずかにスペックアップを実現。

 一方で、タブレット型PCの「FMV LOOX」やデザイン特化の「XPS 13 Plus」が搭載するCore i7-1250Uなど、ベースの電力が9Wの超低電力CPUであるType4は今世代は用意されないとのこと。

インテル帰ってきてる。PentiumとCeleronブランドを統合したIntelプロセッサー発表

 また、新しくNシリーズプロセッサを投入しました。シリーズはCore i3とIntel processorで構成されています。Intelは以前に、ノート向けにてエントリーCPUブランドの「Pentium」と「Celeron」の廃止を発表し、後継を「Intel」ブランドとするとしていましたが、これが投入された形。

 具体的には、通常の12&13世代Coreシリーズが高性能なPコアと電力効率を重視したEコアで構成されているのに対して、NシリーズのCPUはPコアがなくEコアのみという形。

 今回は、最大クロック3.8GHzで8コアの「Core i3-N-300/305」と、4コアで最大3.7GHzの「Intel Processor N200/N100」の4種類の製品が発表されています。Nシリーズは2023年中に50機種以上が登場予定。その性質上、Windows/Chromebookの両方の製品がリリース予定です。

性能お墨付き「Evoプラットフォーム」が進化。周辺機器も検証へ

 一部のノートPCには、Core i5といったシールの代わりに、evo i5と記されたシールが貼られています。これはIntel Evoプラットフォーム対応PCであることを示し、Thunderbolt 4対応やロングバッテリー、十分な処理性能を満たしていることを消費者に分かりやすく提示するものです。今回提示された条件を抜粋すると以下の通り。

  • 顔/指紋による生体認証
  • 13世代Core i5/i7/i9を搭載
  • 8GB以上のデュアルチャネルメモリ、256GB以上のSSDを採用
  • Wi-Fi 6Eに対応
  • USB Type-Cによる急速充電機能、Thunderbolt 4による接続
  • 軽量薄型のフォームファクター

 13世代モバイル向けCPUの発表に合わせて、「Engineered for Intel Evo」プログラムを展開。これは「ノートパソコンと合わせて使うと便利」系の周辺機器が対象で、発表時点ではUSB Type-Cケーブル一本で給電とディスプレイ出力をこなすThunderboltドックやディスプレイ、ポータブルSSDなどが認定されています。

 また、近日中にLenovoやJebraといったメーカーのBluetoothヘッドホンの認定も公開するとのこと。

一部の13世代Core搭載ノートでは新たに「VPU」搭載。負荷軽減へ

 第13世代Coreシリーズを搭載する一部のノートPCでは、新しくVPUを採用。これは、Apple Siliconが内蔵する「Neural Engine」のようなもので、主にAIを用いた映像からの物体認識などを得意とし、CPUやGPUの負荷をなくします。

 第13世代Coreシリーズでは内蔵していないものの、Meteor Lake、すなわち第14世代Coreで標準搭載する見込みであるといいます。

非ゲーミングモデルのデスクトップ向けCPUも登場。i5にはEコア初導入

 前年と同様、ゲーミングやエンスージアスト向けでない、オーバークロック非対応のデスクトップ向けCPUも16機種が同時発表されました。ベース電力が65Wの無印版と同65WでGPUが付属しないF付モデル、そして電力が35Wに制限されたT付きモデルが存在します。

 今回特筆すべき点は、Core i5シリーズにEコアが導入されたところ。第12世代CoreシリーズではCore i5でEコアを搭載するのはオーバークロック対応のK/KFモデルのみで、無印版とはコア数が異なるという状況でしたが、第13世代からはCore i5でもEコアが搭載されるように。一方で、Core i3では継続してEコア非搭載。

 Kシリーズを除く12世代Coreシリーズと比べ、シングルスレッドで最大11%、マルチスレッド性能で34%のスペックアップを実現しているとしています。

 すでに日本でも販売を開始しており、発表された中での最上位であるCore i9-13900は8万8980円。Core i9-13900Kは11万円弱だったため、かなり安価になってはいます。