Appleが、iPhone 14シリーズにて衛星通信による緊急通報機能を搭載して以降、QualcommやSamsungも後に続くように衛星通信対応の通信モデムを発表しています。台湾MediaTekも例外ではなく、同社は新たに衛星通信に対応した新チップセット「MT6825」を発表しました。
「MT6825」は、3GPPが策定した衛星通信規格であるNTN(Non-Terrestrial Network)をサポートするチップセットです。ハイエンドスマートフォンへの搭載が想定されており、このチップを用いることでシームレスな衛星通信が可能となるとのこと。
また、MediaTekは「MT6825」の発表と併せて、同チップセットを初めて搭載する端末として「Motorola Defy 2」と「Bullitt Cat S75」を発表。両端末ともにMediaTek製Dimensity 930を搭載し、12ヶ月間無料で衛星通信を用いた緊急通報が可能です。有料プランは、月額5ドル(約681円)からとなっており、専用のアプリを介してSMSの送受信をすることもできます。
Bluetoothアクセサリ「Motorola Defy Satellite Link」も発表されており、端末と接続することで、衛星通信モデムが搭載されていないAndroidおよびiPhoneにおいても衛星通信が利用可能になります。
Android向けSoCを開発・製造する各社が軒並み衛星通信対応チップを発表したことにより、今後Android端末市場においても、同様の機能を搭載した端末が増えていくと予想されます。iPhone 14の衛星通信機能が、実際に人命救助で活躍したとの報告も挙がっていることを踏まえると、基地局の電波が届かない環境での緊急時の連絡手段として大いに期待できそうです。