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N-one NPad Xレビュー。Android 13で中華タブはどこまでよくなったのか

 Android 13を搭載する中華タブレット、「NPad X」を提供していただいたのでレビューします。

スペック

 まずは公称スペックとアピールポイントの説明を。NPad XはN-one社の最上位Androidタブレットで、当然ながらその性能も同社タブレットの中では頂点に位置するもの。

 搭載しているSoCはMTK8781ことMediaTek Helio G99。このSoCはRedmi Padでも採用されており、そこそこの性能。ストレージは128GBで最大1TBのmicroSDカードによる拡張に対応、メモリは8GB。

 ディスプレイは10.95インチ。2000×1200という、16:9よりほんのわずかに短辺が長いアスペクト比となっています。

 GPSやLTEに対応しますが、日本市場ではソフトバンク以外で使えない、ローカライズが施されていないバンド構成となっています。一方、microSD排他でデュアルSIMに対応するという、謎のオーバーパワーっぷりも発揮しています。なお、Amazonの販売ページ上では、その他の機能に「Face ID」なるものが記載されていますが、顔認証の類はありません。おそらく誤表記でしょう。

 Amazonでの定価は3万4900円ですが、4%オフクーポンなども発行されているのでチェックしてみてください。

外観

 まずは外箱から。社名とPowered by Androidだけのシンプルなデザイン。筆者が以前レビューしたNPad Proと全く同じ箱ですね。まあこの価格帯のタブレットの外箱なんて誰も気にしないでしょう。今回は箱の隅が少し潰れているほかに気になるところはありません。

 同梱品はSIMピン、20W対応のUSB Type-C充電器にC to Cケーブル、スタートガイド、そしてガラス保護フィルム。本体に薄い画面保護フィルムが最初から貼られているにも関わらず、ガラス保護フィルムがついてきたのは驚き。筆者は分厚いガラスフィルムが嫌いなので、貼らずにいます。

 背面は2トーン調。上部はマットな暗めのグレー、それ以外はほんのわずかに赤みのかかった金属光沢のあるグレー、とでも表現すればよいのでしょうか。そしてこの背面、NPad Proのときもそうでしたが、金属製の材質の質感は良いと思います。

 本体のデザイン的な面では「センサーサイズに比べてカメラ突起でかすぎだろw」とか「アンテナ部とはいえ側面の色合いは一致させろよ」といった風に文句は出てきますが、質感に関しては筆者が所有するXiaomi Pad 5には勝っているという印象。

 ただ金属製ボディーの弊害か、重量は525gと重ためで、手に持った際にかなりずっしりとくる感覚があります。11インチ級まではまだ手にもって操作する需要が多いので、ここはマイナス評価です。

 型番はTAB005で、シールにより技適マークが掲示されています。技適はWi-Fiの2.4GHz/5GHzにおいて通過しているのが確認できます。

パフォーマンス

 SoCには、Redmi PadやNEC LAVIE Tab T11などが搭載しているMediaTek Helio G99を採用。NPadシリーズで一つ下のグレードに位置する「NPad Pro」が搭載するUNISOC T616と比べ、かなり高い性能が期待できます。

Geekbench 6

 まずはGeekbench 6から。今年2月にGeekbenchの最新バージョンであるGeekbench 6が公開されており、ネット上に多く出回るGeekbench 5のスコアとは比較ができないことに注意が必要です。

 結果はシングル707点、マルチ1844点。Geekbench Browserで確認したところ、この数値はシングルスコアでSnapdragon 732GやDimensity 700、マルチスコアでSnapdragon 765Gの一部機種やDimensity 700と互角という結果に。

AnTuTu v10

 次はGoogle Playストアから排斥されて久しいAnTuTuベンチマーク。AnTuTu v10での結果は38万2000点と、3万弱で購入できるタブレットとしては考えればそこそこ優秀。

 AnTuTu公式サイトにて近いスコアを確認すると、38万点前後にはSnapdragon 695 5Gを搭載したPoco X4 Pro 5G/Redmi Note 11 Pro 5Gが確認できます。AnTuTu公式サイトに掲載されているSnapdragon 695 5G搭載機種、実質2種類のうち、ちょうど中間に位置するスコアであり、総合的な処理性能はSnapdragon 695 5G並み。

 一方、詳しく見ていくと、CPU性能やメモリ性能で695搭載機種を凌駕するものの、GPU性能は大きく水をあけられているため、やはりゲーム用途としては心もとない部分があります。

操作・操作性

 大事なのはベンチマークじゃなくて実際の動作……というわけで数日間、実際に触って検証してみました。

  アプリ自体の起動はサクサクで、YouTubeの視聴は1080pでも難なくこなせます。再生位置を変更しようと、1080pまでなら待たされることはありません。シークするごとにある程度の待ち時間が生まれていたNPad Proとは違い、余裕を感じます。

 最近はスマホ・タブレットでゲームを全くしないので、使い道はもっぱらTwitter、YouTube、Chromeあたり。多くの場面で苦労することはありませんでしたが、数少ない気になった点が、レスポンスの悪さ。「アプリの起動が遅い」といったたぐいではなく、指に追従しない遅さがそう感じさせています。しっかり10点タッチにも対応、タッチサンプリングレートは120Hz、リフレッシュレートは60Hzではあるのですが……。

 なお、NPad Xはセルラー通信およびGPSに対応します。今回はセルラー通信の検証は割愛させていただきますが、なんとこのタブレット、自動車で用いるナビ・エンタメ向けのAndroid Autoが使えました。

 筆者がこれまで触ってきたタブレットにおいて、GPSを搭載し、かつAndroid Autoが利用できたものはありませんでした。本機は位置情報表示もそこそこできたので、ワイヤレスAndroid Autoアダプターなどを用いてうまく構築してやれば、後席からも行先や曲を選択できる最強の車内環境が爆誕するかもしれません。

ディスプレイ・動画再生

 ディスプレイは10.95インチの液晶。解像度は2000×1200で、アスペクト比は15:9。ノートパソコンで増えてきた16:10よりも横長(16:9に近い)で、iPadに慣れ親しんだ人からすれば、けっこう細長く感じると思います。

 解像度は2000×1200と、FHDより若干多い程度ではあるものの、粗さはよほど目を近づけない限り気づきません。なお、色の調整画面は壊れており、なんの設定も許してくれませんでした。幸い、少なくとも筆者の個体は若干寒色寄り。これが暖色寄りであったらストレスが溜まっていたかもしれません。

 NPad Proでは画面明るさの自動調整がありませんでしたが、NPad Xではしっかり対応。地味ですがうれしいポイントです。

 ただし、輝度の自動変更はクイック設定に存在せず、切り替えるには設定画面かサードパーティーのアプリを使用する必要上がります。明るさの自動調整はカメラセンサーに依存するようで、縦持ち時はカメラを手で覆ってしまい、暗くなるということもしばしば。カメラ位置を気にしながら使わないといけないため、使い勝手は若干悪いです。

これだけの性能だからといって必ずしもwidevine L1ではない

 さて、NPad XはN-Oneの最上位機種ながら、安価なタブレットの常套句である「動画配信サービスのコンテンツを高画質で視聴できる!」といったことをアピールしていません。

 DRM info アプリより、動画配信サービス利用時に高画質で視聴できるかの目安になるwidevineセキュリティレベルを確認すると、最も低い「L3」となっています。

 これにより、NetflixやPrimeビデオなど、各動画配信サービスにおいて高画質で視聴することはできません。Prime ビデオはWidevine L1に対応していても高画質再生のための別途認証が必要ですが、そのスタートラインにも立てていないというワケ。下位のNPad Proでは最上位のwidevine L1であったため、ここは手痛いところ。OEM製造の弊害でしょうか。

Android 13を評価する

 Android 12を搭載したNPad Proや、きっと同じ状況であろうその他大勢の中華タブレットは、スマホ等の小さな画面向けに最適化されたUIをそのままタブレットにもってきており、お世辞にも洗練された、使いやすいものとは言えませんでした。

画像はNPad Proの「最近使ったアプリ」画面。10インチの画面いっぱいに広がり、情報量のなさとスワイプ量の大きさにストレスを覚えた

 筆者がNPad Xに最も期待を寄せていたのがこの部分。NPad XはAndroid 13を搭載しており、同バージョンはPixel Tablet等からもわかるようにAndroid 12Lの成果を引き継いでいます。どストレートに言えば、「ダメダメで調整が入っていないUIがどれだけマシになったか」という点に興味を持っている、ということ。早速評価していきます。

 まず、最も目を引くのがタスクバーの存在。ChromebookやiPadOS/MacOS、Windowsなど、とにかく素のAndroid以外でよく見るようになった存在ですが、やはりあるのとないのとでは大違い。主流のジェスチャーナビゲーションと昔ながらの3ボタンナビゲーションが選択できるのも相変わらず。

 ただ、3ボタンナビゲーションは戻る/ホーム/最近の3ボタンが右下に集約しており、特に縦持ち時は押しづらさを覚えます。この操作性の悪さを具体的に説明することは難しいですが、おそらく戻るボタンを押す際、いちいち右手を本体下部へ動かす必要があるから、というところでしょうか。3ボタンを左側に移動させるオプションも見当たりませんし、ここは改善を期待したいところ。

 アプリアイコンを長押しし、横向きなら画面の左右、縦なら上下にドラッグすれば、簡単に画面分割を行えます。一覧になくとも、アプリドロワーから簡単に選択できるようにもなっています。このアプリドロワーはAndroidに最初から備わるもので、ホーム画面のランチャーを変更しようと問題なく利用できます。

 と思っていたら、なんとサードパーティ製アプリランチャー(Nova/Microsoft)では、アプリアイコン長押し時の表示がバグり、画面分割ができなくなる問題が発生。これが端末固有の問題であるかは検証ができませんが、今後の改善に期待。

本来であれば、YouTubeなら「新規の投稿」などが出るはずの欄が空白になってしまう。この状態で画面分割をジェスチャーにて行おうとしても、うまくいかない

 他方で、Android 12から導入されたダイナミックカラーも健在。タスクバーとホーム画面の一部アイコンを本体のテーマ色に合わせたものにできる「テーマアイコン」も、ベータ版ながら利用できます。タスクバーのアイコンの見た目に統一感が生まれますが、ぶっちゃけ視認性が低下し、判別性が悪化しているように感じました。

これほど大きく見えれば問題ないものの、実際はかなり小さいため、見分けがつきづらい

 最近使ったアプリのリストは、直近の1アプリのみが大きく表示され、それ以外は複数行で表示される、少し珍しい仕様。欲を言えば、すべてのアプリを普通に同じサイズで表示してほしかったですが、それでも冒頭に掲載したAndroid 12のものより、各段に使いやすくなっています。

 このほか、横持ち時にパスワードの入力位置が右側に寄ったり、クイック設定と通知が2列に表示されたりするなど、Android 12Lで実装された機能は利便性と操作性の向上に十分買っています。Googleよくがんばった。

 相変わらず不満なのは、一般のアプリが大画面向けに最適化されていないところ。これはこの端末に限らず、Androidタブレット全体の問題で、Pixel Tabletは暫定的に左右に黒帯を入れることで解消しているようですが、やはり体験としてはよくありません。

 筆者としては、「投稿を読ませる気がないTwitter」「画面分割で操作できなくなるDiscord」「絶対縦向きで起動するQuora」が、個人的に最適化を熱望する3大巨頭SNS。いずれのアプリも、iPadではそうはならず見やすい表示になるため、はやいところAndroidタブレットが市民権を得て、それぞれのサービスが対応する風潮になってほしいところ。

総評

 ずいぶんよくなりました。けど……。

 現時点では目立った不具合が見つからず、NPad Proとは比べ物にならない程度に「使える」端末に仕上がっています。

 動画視聴はWidevine L3止まりですが、YouTubeやニコニコ動画などのサービスの再生には困りませんし、製造側に起因する製品そのものの欠陥も見当たりません。

 ただ、廉価タブでよく言われる使用法であるコンテンツ視聴に向かないのはかなり痛く、「どのような場面で使えるからおススメ!」というのが、いまいち提示しづらい機種でもあります。

 例えば「OPPO Pad Air」であれば、そこそこ安価ながらWidevine L1に対応したうえで、Amazon Prime Videoもしっかり高解像度で楽しめますし、先日までPrime Dayで非常に買い得だったAmazonの最上位タブレット「Fire Max 11」は、NPad X同等の性能にペン・キーボード対応や高解像度再生を備えます。

 本機にはクアッドスピーカーこそあれ、動画視聴向きとして「ニコ動とつべしか見ない」という人以外に勧められるものではありません。

 他方、スタイラスペンもキーボードも対応しないため、学習用途としても使えず、じゃあゲーム向きかと言われれば、「悪くはないがもう少しいいヤツ選んだほうがいいよ」という結論に。大画面で映像美を楽しむゲームには力不足ですし、リズムゲームの類はタッチ遅延が気になります。ナビとして使えますが、対応周波数の関係上、実用的なのはソフトバンク系列のみ。

 セールやクーポン適用後の価格なら、ひしめき合う中華タブの中ではまだコスパ良好で、性能も品質もマシなほうと言えるでしょう。外装の品質は素晴らしいだけに、「安くてなんにでもそこそこ使えるタブレットが欲しい」といった需要を満たす機種です。

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