OPPOよりタブレット端末「OPPO Pad Air」を一定期間貸与していただいたのでレビューします。
筐体は幅245.1mm、高さ154.8mm、厚さ6.9mm。
重量は440gと軽め。
背面はアルミ合金。OPPO Glow部分は手で触るとわずかな隆起があり独特の感触。
持ち方によって音量キーの上下が逆になるiPad mini 6のような機種とは異なり、常に上下の役割はそれぞれ固定となっています。
はっきり言って性能は低いのでブラウジングや動画視聴が主な用途になるでしょう。当然3Dゲームは期待すべくもありませんが、画質設定を落としてフレームレート等の諸々を妥協すれば、動作はします。
- AnTuTu v9.4.4:254365
- Geekbench 5.4.4 Single-Core:386
- Geekbench 5.4.4 Multi-Core:1655
- Sling Shot Extreme OpenGL ES 3.1:1342
- Wild Life Extreme Unlimited:125, 0.7fps
画面は10型(2000×1200)液晶となっています。コントラスト比は低く発色も少し眠たい印象。色温度については調節が可能。
アプリ切り替えや画面回転などでもたつく場面もあるにはありますが、目を瞑れる程度で、日常的な用途では最低限動作。それほど無理なくブラウジング。重たいTwitter純正クライアントなどを除けば、多くの人にとって我慢できる水準でしょう。
マルチウィンドウの呼び出しは「画面の上から二本指でフリック」という独特な方式が可能なのは面白い。OPPO Find Nでもアピールされていた機能です。
OPPO Pad Air Twitterスクロールからのマルチウィンドウ pic.twitter.com/Bk7lsuHCY5
— すまほん!!📶5G📱 (@sm_hn) October 20, 2022
ただし、カメラアプリやNetflixといったアプリは画面分割非対応であるほか、そもそも縦画面時には画面ジェスチャーが利用できないなど使い勝手は必ずしも良くありません。横画面でしか利用しない人にはそれほど大きな問題ではないでしょうし、マルチウィンドウは他の方法でも呼び出し可能です。
画面比率から電子書籍でマンガを読む時に余白が少し気になりますが、絶対的な画面サイズは確保できているので、見開きでも短ページでも十分閲覧できるはずです。16:9の動画を視聴するには概ねちょうどいいです。わずかにできる黒帯も、黒色の額縁によりほぼ気になりません。
また、安物タブレットで盲点なのが著作権保護。Widevine L1対応によりNetflixやAmazon Prime Videoもしっかり高解像度で再生可能です。
本機の特徴がDolby Atmos対応のクアッドスピーカー搭載。バランスよくこの価格帯としては高音質と言えます。音量音圧も問題ありません。もちろんiPad Proであれば本機よりもさらに解像感があり音を鳴らし分け低音域の迫力も上ですが、そうしたハイエンドと比べなければ必要十分だと思います。
7100mAh大容量バッテリーにより電池持ちは良好。急速充電が18Wなのは物足りないですが、格安タブレットなのでこんなものでしょう。
生体認証は非搭載、2D顔認証のみとなります。マスク着用時の顔認証も非対応のため、マスクを付けている人はパスコードを入力することになってしまいます。特定アプリの起動をロックやプライベートフォルダといったプライバシー機能には対応するものの、顔認証が必要です。
カメラは全てが低水準で、付いてないものと思ったほうが良いでしょう。コンテンツ消費機との割り切りが必要です。
希望小売価格は3万7800円。AmazonではOPPO自身が本機を3万4364円で販売中です。
高いと見るか安いと見るか。2万円台には中華タブがひしめき合っている状況なので、高く感じるかもしれません。
ただ2万円台のタブレットというのは、基本的には玩具みたいなものです。仕様説明から嘘だらけの詐欺製品、Widevine L1非対応、技適の有無すら曖昧など粗悪品がゴロゴロしています。
こうした魑魅魍魎が跋扈する価格帯での競争を回避するだけの内実は伴っています。
相対的に優れているとはいっても、性能やカメラは絶対的に低いです。廉価版iPadやXiaomi Pad5といったコストパフォーマンス抜群の製品が存在する以上、本機の立場は危ういと感じるのではないでしょうか。
しかしそのiPadも3万円台の印象でしたが、先日発表の最新型では6万円台へと値上げに。4万円ちょいで圧倒的性能とコスパのXiaomi Pad5も為替レートで5万円代後半へと値上げ済み。競合が少ないタブレット業界、競合優良機種の値上げもあって、実はOPPO Pad Airは絶妙な立ち位置の製品となっているのです。
2万円台のタブレットがWidevine L1対応かどうかすら怪しい中、しっかり対応している上に、特にスピーカーの素性の良さから動画視聴機として向いています。安いタブレットが欲しい、しかし粗悪品では困る。そういう人にとって検討候補になる有力機種と言えるでしょう。お金をかけたくない家用のタブレットには十分だと思います。
19時12分訂正:初出時90Hz駆動の記述がありましたが正しくは60Hz駆動です。お詫びして訂正いたします。