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激安タブレット「Teclast M40」の活路、誠心誠意探る。

 「動画視聴用に良いタブレットはないだろうか?」と探していたところ、ちょうど10.1インチのタブレット端末「Teclast M40」のレビュー依頼が来たので、引き受けることに。

 皆さんあまり聞き慣れないTeclastなるメーカー、比較的安価なノートパソコンやタブレットを展開している中国企業なんですって。知ってましたか?

(金髪美人の姉ちゃんに目を奪われる Teclast 公式サイト

 さて、今回レビューする「Teclast M40」は、実売2万円前後で購入できるタブレット端末です。安いですね。

 タブレットと言えば、日本ではほぼiPadの独壇場。もちろん、そこそこ値段がするだけあってiPadは使い勝手こそ良いのですが、高い価格が導入のネック。

 動画視聴など限定的な用途に割り切れば、お財布に優しくて良い選択肢になるのではないか?という打算のもとに、今回「Teclast M40」を試していきます。

「Teclast M40」はどこまで使い物になるか

デザイン

 まず外観を見ていきます。「Teclast M40」は、保護フィルムが貼られた状態で届きます。

 800万画素のインカメラは画面ベゼル上部に搭載。

 本体左側面には、USB Type-C端子、リセットボタン穴、ボリュームキー、電源ボタンを搭載。……ん、リセットボタン穴?

(はい、リセットボタン穴。音量キーの左側。IoT系以外でリセットボタンってあんまり見なくなったね)

 昔のPDAやWindows Mobile端末、ファミコンじゃあるまいし、いまどきリセットボタンって何だよと思うところですが、激安中華タブレット界を中心に、意外と搭載しているタブレットもまだあるようです。石をどけたらダンゴムシがいっぱい居た時の感動に近い。

 背面カメラは800万画素のシングル。流行りの出っ張りスタイル。

 端末左側面には、イヤホンジャックとSIMトレイがあります。SIMはデュアルSIM。この価格帯のタブレットでSIMカードを利用できるものは珍しいですが、この価格帯のタブレットで2枚のSIMカード、何を挿すべきなんでしょう。部屋に余っているSIMカードを一時的に入れておくのに便利。

(中国香港跨境のサブ機にはいいのかもしれない)

 本体は金属筐体。背面は指紋が付きにくく、色合いも良い。質実剛健、中華DAPなイメージ。ただし滑りやすい。心配性な人は別途ケースも購入しそうですが、そりゃもったいない。安いからこそラフに扱える。気楽に使える激安タブ、これぞ真骨頂。男は黙って裸族。

認証

 本体背面シートには各国認証マークが刻印。激安中華タブは、しばしば要件を満たさない「ニセ技適マーク」があって辟易します。たとえば技適マークがついてるだけで認証番号はない。そのくせソフトウェア電磁表記も皆無。そんな技適マークがあるか。ていうか、お前もか。

(番号を書けよ、番号を)

 と思ったら下にもう一個技適マーク貼ってあった。マジか。

(こいつ、技適マークが2個あるぞ。下に貼られたシールにだけ技術基準適合『証明』番号あるぞ。事業者が貼ったのなら適格だ)

 ここで安心できないのが激安中華タブ。番号が無効、データベース検索しても出てこない無意味な番号という罠も。しかし総務省で検索すると出てきたので、下の技適マークは有効そうに見えます。工事設計認証を受けたGUANGZHOU SHANGKE INFORMATIONTECHNOLOGY LIMITEDは、Teclast-Storeを運営する事業者のようなので、これは正しい番号が書かれているものと推察されます。電波法適合を示す安心マーク、ちゃんと確認しないと安心できないのだ。

(というわけでWi-Fi通信をしても合法だ!なおシールだけで電磁表記がない、どうやら本機に技術基準適合『認定』はなさそう)

スペック

 搭載SoCはUnisoc T618。この聞き慣れないSoCは、中国半導体企業紫光集団(Unigroup)の半導体設計企業紫光展鋭(Unisoc)のチップです。ちなみにエルピーダが潰れた時の坂本社長が、副総裁になってるのが紫光ですね。最近、紫光もエルピーダのように破産寸前らしいです。国境を超える経営手腕。

 さて、気になるベンチマークスコアを計測すると、Geekbench5でシングルコアスコア392点、マルチコアスコア1364点。

 参考までに、Qualcommの数世代前のハイエンドスマホ向けチップ、Snapdragon 835を搭載するスマホはシングルスコアで約400点、マルチコアスコアで約1600点ほどです。日常使用には問題ない処理能力。

 OSはAndroid 10で、カスタマイズはほとんどされていません。もちろんGMSは搭載しています。アプリはPlayストアからダウンロード可能。

  ストレージは128GB、実行メモリは6GB備えているため、アプリの切り替えも思いのほかスムーズに行えます。良いね。

ディスプレイ・動画視聴

 ディスプレイは液晶。10.1インチ(1920×1200)のWUXGA。画質は至って普通。色合いは全体的に若干白っぽく感じたのでディスプレイ設定から暖色を強くしました。良いね。

 左右上下のベゼルが太いです。この辺りは価格相応といったところでしょうか。ベゼルが狭いタブレットほど、指が画面表示領域に触れた場合に誤作動防止処理を入れ込む必要も出てくるでしょうが、この辺りの価格帯でそんなリッチな処理を入れてくるわけがないので、むしろベゼル幅は適度にあった方が持ちやすいでしょう。とっても良いね。気に入ってきた。

 なお、DRMレベルはWidevine L3どまり。そのため、Amazon PrimeやNetflixなど各種ストリーミング配信で、SD画質でしか視聴できないことがあります。なんてこった!

 筆者の場合、YouTubeしか見ないので問題はありません。本当は他にも色々見たい気もしますが、Teclast M40を気に入ってきたので、今はYouTubeしか見たくありません。

 とりあえずAbema TVやTVerは普通に視聴することができます。外部ストレージやNASに入れた動画を見る分にもDRMは関係ありません。要は使い方次第ってこと。

 また、10.1インチのタブレットということもあって、重量は531gもあります。手で持っていると重みを感じます。iPad 10.2インチ 第8世代は490gなので、同サイズのタブレットと比較してもTeclast M40は少し重いです。動画視聴時にはタブレットスタンドなどを利用すると良いかも。

 端末下にはステレオスピーカーを備えています。音質は良好。最大ボリュームが大きいのも評価できます。中華スマホやタブレットにありがちな、低音ばかりが強化された音ではなく、低音と高音のバランスがとれているように感じます。音質なので、個人の感想です。

カメラ

Teclast M40 インカメラ作例:モニターを撮影

 インカメラ・アウトカメラ共に800万画素。ソフトウェアが弱く実用的なレベルではないです。白飛びも多く、搭載SoCのせいかカメラアプリの動作がもっさりとしています。カメラは非搭載と思った方がすっきりします。カメラなんて無かったんだ、いいね?

Teclast M40 アウトカメラ作例:モニターを撮影

 この価格帯に求めるのが酷なのをあえて承知で言うと、防水ならキッチンやお風呂に置いたりできて良いなと思います。中国メーカーさん、防水タブって日本人に需要ありますよ?廉価帯で対応したら爆売れ間違いなしですよ?

総評

 Teclast M40は、カメラ性能は予想より悪く、撮影やビデオ会議には不向きに感じました。とはいえ「おっさんの顔なんかキレイに伝送してもしょうがないじゃないか」ということで、個人の価値観次第なのかなと思います。価格相応の低い品質ではあるものの、他の同価格帯のタブレットと比べSoCの処理性能は優れています。

 また、気になっていた動画視聴に関しては、Widevine L3止まりという問題こそあるものの、その範囲外のサービス・コンテンツに関しては大画面で楽しむことができ、音質も比較的良好だと感じたので、筆者は満足しています。いわゆるコスパ良いってやつだね。

 今回は楽天市場に出店している「東京博海」より商品提供いただきました。

(編集・校閲: あいばら)

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