Galaxy S23 UltraなどのGalaxyのフラグシップスマートフォンで利用できる、Expert RAWカメラアプリのアップデートがリリースされました。これにより、One UI 6.0にアップデートされたGalaxy S23シリーズの端末において、デジタルNDフィルター機能が追加されます。
Expert RAWアプリは従来のプロモードとは異なりマルチフレーム合成を用いることで、ノイズが少なくダイナミックレンジが拡張された16bitの高色深度のRAW形式で保存できる、Galaxy専用マニュアル撮影アプリ。アップデートで天体撮影機能が追加されるなど、画質の向上だけでなく、多機能化も行われてきました。
今回アップデートで追加されたデジタルNDフィルター機能では、カメラのレンズに装着して光量を一定量減少させる、NDフィルター(減光フィルター)を画像処理により再現。
動作原理としては、まず指定された設定の撮影時間中に複数枚の画像を撮影。その後、取得した複数毎の画像から、Temporal interpolationと呼ばれるAI技術により、それぞれのフレームの間の時間の画像を生成し、より細かい画像セットが取得されます。
その画像セットをもとに動きを検出するマルチフレーム処理を行うことで、動きのある部分をスムーズに表現。
その結果、NDフィルターを用いたかのように光量を落としつつ、長い露光時間での撮影を実現しているそうです。
デジタルNDフィルター機能はExpert RAWのラボメニューで有効化することができ、2~1000の10段階の強度変更が可能となっています。NDフィルタの強度、シャッタースピード、ISOを手動で選択することで好みの露出に調整できます。
デジタルNDフィルター機能を開発しながら撮影されたサンプルでは、実際にNDフィルターを用いて長時間露光したかのように、水の流れの表現や流し撮りができています。
ただし、撮影をする際にはカメラと同様に、三脚の利用や端末の固定が必要です。また、現状では高速で動く物体の近距離撮影、動く物体が隠れた場合、高ISOや夜間撮影などの条件には適していないため、アルゴリズムの改善を進めているとのこと。
Expert RAWアプリは対応端末において、Galaxy Storeアプリからダウンロードすることができます。