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Zenfone 11 Ultra レビュー。ROG Phoneの魅力を手に入れた

 ASUS JAPANより一定期間Zenfone 11 Ultraをお借りしたのでレビューします。

 背面はサラサラ、磨りガラス調で高級感があります。重量は実測値ほぼ225gで、公称値通り。

 指紋認証は画面内。解錠精度速度は良好に感じました。

 なおZenfone 11 UltraとROG Phone 8シリーズはほぼ同一の機体です。ASUSからの説明でも、基本的な内部構造を共有しており、ROG Phone 8シリーズ譲りの安定した高いパフォーマンスを維持することが可能だと明かされています。ただし急速冷却用ヒートシンクやAeroActive Cooler XはROG Phone 8シリーズにのみ対応とのこと。

 なおベンチマークスコアは、筆者がROG Phone 8を試した時と比べると微増しており、最適化が進んでいることが伺えます。実際のところ原神を最高画質で60fpsで遊んでも不満はほぼありません。AeroActive Cooler Xつけて何が何でも長時間最高fpsでぶん回したい、トリガー欲しいと思わなければ、普通に遊べてしまいます。

  • AnTuTu 10.2.8:2122129
  • Geekbench 6 CPU Single:2253
  • Geekbench 6 CPU Multi:7027
  • Geekbench 6 GPU:14646
  • 3DMark Wild Life Extreme Stress Test:Best loop 5230, Lowest loop 4402, Stability 84.2%
  • 3DMark Solar Bay Unlimited: 8730
  • 3DMark Solar Bay Stress Test: Best loop 8698, Lowest loop 8137, Stability 93.6%
  • Work 3.0 performance: 21561
OS Android 14 (ZenUI)
SoC Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3
メモリ 12GB/16GB
容量 256GB/512GB
画面 6.78型 (2400×1080)
カメラ 5000万画素+1300万画素+3200万画素
インカメラ 3200万画素
電池 5500mAh
寸法 163.8×76.8×8.9mm, 225g
その他 IP65/IP68防水防塵、おサイフケータイ対応、65W急速充電、ワイヤレス充電対応

 ゲーム機能としては、Game Genieがあり、ROG PhoneやZenfoneのようにゲーム制御が可能。

 ゲーム中の通知抑制やパフォーマンス設定など、機能は概ね同じですが、ROG Phone 8に実装さたAI GrabberやX Senseなどの最新機能は確認できませんでした。

 さて、ROG Phone 8並です、と書いてしまうと何かつまらなくなってしまいますが、一応本機はあくまでZenfoneシリーズ。ハードウェアはほぼROG Phone 8で、Zenfoneのような使い勝手の良さがあるというのが魅力的だと思います。独自のトグルスイッチだったり、エッジツール、アプリをクローンするツインアプリ機能(同一アプリを2つインストールしてアカウントを使い分けられる機能)、音量キー二度押しで背面カメラでの動画撮影開始やインカメラ起動など、ちょっと変わった機能も。ロック画面のショートカットボタンの変更も可能。ロック画面からのレコーダー起動なんかは便利だと思います。レコーダーアプリは新たにAI文字起こし機能に対応しています。

 Zenfone8/9/10の最大の美点であった、小ささを捨ててしまったのは残念ですが、そこさえ目を瞑れれば非常に優れた機種です。なんといってもほぼゲーミングスマホ。ということはあらゆるハードウェアが上級。性能だけではなく、その周辺も。

 たとえばゲームを楽しむためには画面が良い必要がありますが、もちろんROG Phone 8準拠なので画質も良く、輝度も高く、動画の視聴にも有利であるほか屋外での視認性もばっちり。

 音響面も優れている必要がありますが、音圧や音の広がり、解像感といった点はかなり良いと思います。小型Zenfoneは、小型ゆえに音響のための物理容積を確保しにくいのもあって、音はあくまで「及第点」ぐらいだったので、嬉しいポイント。

 またROG Phoneシリーズとしては、「ROG Phone 8はスピーカー音質が少し下がった、電池容量も微減した」という側面があったのですが、それはあくまでROG Phoneとして見た場合です。Zenfoneシリーズとしては、5500mAhというのはとんでもない増量です。非常に電池持ちに優れていました。

 単に電池容量が多いだけだと充電に困りますが、そこはゲーミングスマホなので65W急速充電にも対応。さらに防水防塵やおサイフケータイにも対応しているので日常的な使い勝手もばっちりです。

 カメラはZenfone 10やROG Phone 8と同程度の水準だと思います。

 Zenfoneは調達力の高くない、大手と比べれば小規模なビジネスとなってしまっている上に、小型であったがゆえに設計の限界や部品の制約がありました。これを大型化し、ROG Phoneとの共通化によって様々な限界を打ち破り、良いハードウェアを手に入れたというのが最大のトピックと言えます。

 Zenfoneユーザーにとって大きな魅力を多数手に入れた機種であるというのは間違いない一方で、従来のZenfoneユーザーは10万円程度からの価格で入手可能であったことや、軽くて小さくて持ちやすかったという美点を捨てて225gと一気に重鈍化してしまったことがネックになってくると思います。

 自分がZenfoneに感じていた魅力がどこだったのか、それを問いただしながら購入を検討することになると思います。価格は12GB/256GBモデルが13万9800円、16GB/512GBモデルが15万9800円。発売日は2024年7月5日です。ROG Phone 8の下限よりも2万円ほど安い下限なので、削られた部分に魅力を感じていない人には、ジェネリックROG Phone 8としても魅力があるかもしれません。

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