弊誌はアフィリエイト広告を利用しています。

【朗報】iPhone、ついにRCS対応!しかし「重大な問題」残る

 iOS 18のリリースによって、ようやくAppleユーザーがRCSメッセージを利用できるようになりました。

 RCSはSMS/MMSに代わる新しい業界標準の規格で、これによってAndroid端末とiPhone間で現代的なメッセージングが行えるようになりましたが、Android Authorityは依然としてやるべきことが残っていると指摘します。

 これまで、iPhone間はiMessageが、Android間ではRCSを利用しますが、iPhoneとAndroid間ではSMS/MMSを利用する必要がありました。SMSは1990年代後半から普及し始めた規格であり、SMSではビデオ通話やファイルの送受信、既読確認などは行えず、画像ファイルは極度に圧縮されて送信されるなど、iMessageやRCSと比べ、体験は著しく悪くなってしまいます。

 AppleがかたくなにRCSをサポートしなかったのは、わざわざiPhone以外のユーザーエクスペリエンスを向上させる必要がないといった理由や、折れたAndroidユーザーがiPhoneを購入させるため、といった戦略的な理由によるものとされています。

 実際、Appleのティム・クックCEOはイベントにて「母親がAndroidで、画像が粗くなる。iPhoneをRCSに対応させてほしい」との声に対して、「母親にiPhoneを買ってください」と回答

 そんなお客様とお客様以外をしっかり区別するAppleに対して、RCSを推進するGoogleは「iPager」なる架空のデバイスまで使って、Appleが生誕から30年近いSMSを使い続け、RCSを採用しないことの邪悪さを視覚的にもアピールしたことも。

 それがiOS 18の登場によって、Appleがようやく折れたのかRCSに対応するようになりましたが、依然として問題は残るといいます。

 そのうちの一つが、iMessageを用いないやり取り、基本的にはAndroid端末との送受信を緑色で表示するもの。米国などで、Android端末を所持する子供のいじめを助長するとして問題になっていますが、これに関してはAppleは特にやめる動きがありません。

 そして残るもう一つの問題が、メッセージの安全性、暗号化です。Androidユーザー同士がRCSでメッセージを送信する場合、Googleはエンドツーエンド暗号化(E2EE)でチャットを保護します。これによって、通信キャリアもその内容を読み取ることはできません。暗号化は1対1の会話とグループチャットの両方で利用できますが、Googleはこれを自社独自の仕様として開発しており、標準的な(RCS Universal Profile) では対応していないのです。

 つまり、iPhoneとAndroid間などクロスプラットフォームでメッセージの暗号化を行うには、RCS Universal ProfileにE2EEのサポートを組み込む必要があります。RCSを推進する団体であるGSMAは、すでにその方向で取り組みを進めているとしています。GoogleのゼネラルマネージャーであるElmar Weber氏はLinkedInで次のように述べています。

私たちは、できるだけ早くRCSチャットにクロスプラットフォームのE2EEを導入するために、より広範なエコシステムと協力してきました。Googleは、ユーザーに安全でプライベートなメッセージングエクスペリエンスを提供することに尽力しており、プラットフォームに関係なく、すべてのRCSユーザーにとってE2EEを標準にすることに専念しています。

 誤解のないように言うと、iOSとAndroidユーザー間の従来の連絡ツールであったSMSメッセージはE2EEによって暗号化・保護されていなかったため、RCSを採用したからセキュリティが低下した、というわけではありません。

 しかしそれでも、1990年代のノキアやモトローラの携帯電話でメッセージをやり取りしていた時代から一歩ずつ着実に足を踏み出しています。なるべく早期に、RCSにE2EEが追加されることを期待したいところです。

すまほん!!を購読しませんか?

Twitterでも最新更新を配信・通知しています

フォローする 再度表示しない