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第3のモバイルOS!ファーウェイ、脱Androidの独自OS「HarmonyOS NEXT」発表

 中国Huaweiは10月22日、自社で新たに開発した独自OS「HarmonyOS NEXT」を発表しました。これは2019年頃から多くのHuawei製品に搭載されてきたHarmonyOSとは別物で、Androidを用いず全て独自システムをベースに開発されたものです。中国メディア36krにて報じられており、中国の公式サイトにも専用ページが立ち上がっています。

 そもそもHarmonyOSは、2019年にHuaweiが米国政府からの制裁を受け、Googleの各種機能が入ったAndroidを使えなくなってしまったことにより普及したもの。自社OSでありながらもベースはAndroidであったため、GMSが使えない等の一部違いはあれど、基本的には通常のAndroidと同じ様に使えていました。

 今回発表となった「HarmonyOS NEXT」は、完全に脱Androidである点がポイント。ここにきてAndroid・iOSに次ぐ第3のモバイル向けOSが登場したことになります。

 従来のHarmonyOSと比べた「HarmonyOS NEXT」の特徴としては、現時点で主に以下5点が挙げられています。

  • デバイス間の通信速度が3倍に向上、4台同時接続可能
  • 複数のデバイスでコンテンツを自由に行き来できる
  • AIアシスタント「小芸(Xiaoyi)」の性能向上
  • 指関節での操作によるスクリーンショット・検索機能
  • セキュリティ機能の向上

 特に強調されているのは、もともと強みとして持っていたデバイス間連携の部分。同OSが搭載された端末間であれば、Bluetoothやその他共有アプリを介すことなく、機器同士を近づけるだけで送受信ができるとしています。しかもその通信速度は従来の3倍で、かつ消費電力も抑えられているとのこと。

スマホ上の画像を即時でパソコンへ送信

 デバイス間の同期も非常にスムーズ。読みかけの電子書籍をタブレット→スマホへと移す動作が公開されていますが、同期にはほとんど時間を要しておらず、アイコンをワンタップするのみで瞬時に移行が完了しています。

タブレット→スマホへと電子書籍を移行

 HarmonyOSには「小芸(Xiaoyi)」と呼ばれるAIアシスタントが搭載されていますが、NEXTへの移行に伴ってこちらの性能も向上。画面上の写真を認識してユーザーへ情報を提示したり、具体的な旅行計画や観光プランを立案したりと、より実用的に。人が準備にかける時間を大幅に削減できるようになると謳います。

スマホ上の鳥の写真について情報提示する「小芸」

 以前からHuawei製のスマホに採用されてきた、指の関節を使って操作する「ナックルジェスチャー」の機能も続投。今回の発表では、指関節でタッチして囲ったところをスクリーンショットできたり、そのスクリーンショット内に含まれる商品の情報を検索したりする機能が備わっていることが確認できています。

 競合となるGoogleの「かこって検索」は、検索画面から一度Googleアシスタントを起動するひと手間が必要でした。HarmonyOS NEXTのナックルジェスチャーは、より手軽かつ直感的な操作が可能である点で差別化が図られていると感じます。

ナックルジェスチャー

 そのほかにも「重要情報はスマホ本体にのみ保存」「各アプリがアクセスできる権限の最小限化」等、セキュリティ周りの機能向上も図られており、他OSと比べてもより安全に利用できるOSになっていると強調しています。

 懸念点があるとすれば、脱Androidとなったことで、これまで使えていたAndroidアプリとの互換性が完全に失われたこと。しかし、HarmonyOS NEXTで利用できるネイティブアプリは、すでに1万5000種類以上にも及ぶようです。

 長期の実績があるAndroid、iOSに比べるとまだまだその数は控えめですが、約4か月前にベータ版が公開された時点ではまだ1500種類だったことを踏まえると、その開発スピードは確かなもの。HarmonyOS NEXTが上手く普及するかどうかはやはりアプリの充実度にもかかってくると思うので、今後の動きに注目したいところです。

 GMS入りAndroidを搭載できなくなって以降、日本でほぼ見ることができなくなってしまったHuawei製スマホ。卓越したカメラ性能と高いデザイン性を持つHuaweiスマホを待ち望んでいる人も、きっと多いのではないでしょうか。HarmonyOS NEXTの登場によって、もう一度日本市場に帰ってきてくれることがあったら……と期待するばかりです。

 HarmonyOS NEXTは、今月にも一部のHuawei製品(スマホ・タブレット)を対象にオープンテストが開始され、2025年にかけてさらにテスト対象製品を拡大していくとしています。

情報元36krHuawei
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