楽天モバイルは現在、東京エリアを中心とした関東圏において「つながりやすさ強化宣言」を掲げ、5G基地局の増設や駅構内の電波対策を加速させる方針を打ち出しています。
また、「値上げ追従せず」や新プラン、様々な施策で契約を検討している人も多いはず。
そこで、突然ですが、現時点での「関西エリア」の通信速度は一体どの程度なのか?兵庫在住の筆者が、阪急今津線の周辺施設にて速度を計測してみました。
今津線といえば、映画「阪急電車」の舞台として知られる路線で、都市部からやや離れたベッドタウンに位置します。
今回は、今津線近辺から、宝塚市と西宮市の主要スポット計8箇所で通信速度を計測しました。計測場所は、ソリオ宝塚、宝塚大劇場前、手塚治虫記念館、宝塚市役所横の末広公園、逆瀬川駅隣のアピア逆瀬川、阪神競馬場前、西宮ガーデンズ前、そして西宮北口駅です。特に多くの人が行き交う西宮北口駅では、時間帯による変化を調べるため、昼間と平日の帰宅ラッシュ時にそれぞれテストを行いました。
まずは、ソリオ宝塚の計測結果から。

ソリオ宝塚ストリートピアノ前
ソリオ宝塚のストリートピアノ前での結果は、下り13.03Mbps、上り7.74Mbps。Ping値は37msです。測定した10月5日は日曜日で、すぐそこの一階にて雲雀丘学園中学校・高等学校の鉄道研究部による「ハロウィン鉄道」というイベントが行われており、そこそこの人が集まっていました。
続いて、宝塚大劇場前です。

宝塚大劇場前
結果は、下り25.89Mbps、上り15.42Mbps。Ping値は40ms。この日の公演が始まるちょうど1時間前の計測でしたが、毎週日曜日のこの時間帯は、歩道と道路真ん中の「花のみち」が割と混雑します。
次は、手塚治虫記念館前。

手塚治虫記念館前
結果は、下り100.8Mbps、上り77.04Mbps。Ping値は35msでとても快適。
続いて、宝塚市役所から道路を挟んだ真向かいにある末広中央公園です。
結果は、下り62.1Mbps、上り59.82Mbps。Ping値は40ms。測定日は、午前中まで雨が降っていたので、公園にもあまり人がいませんでした。なので、晴れの日の日曜日は、もう少し速度が落ちると思われます。
末広中央公園から市役所通りを南西に進み、スーパーマーケット「万代」がある信号を右に曲がり、すぐ左手に消防署が面している道路を真っ直ぐに進むと、アピア逆瀬川が見えます。

アピア逆瀬川
結果は、下り44.02Mbps、上り59.60Mbps。Ping値は38ms、レイテンシ下り278ms、上り110ms。末広中央公園とあまり変わらない結果です。
続いては阪神競馬場前です。アピア逆瀬川からは、電車で2駅ほどの距離になります。

阪神競馬場前
結果は、下り619.65Mbps、上り91.63Mbps。Ping値は34msでした。日曜日の阪神競馬場は、午前中はかなり人で溢れているのですが、午後3時過ぎだとこんな爆速の数値が出ました。
次に、西宮ガーデンズ前です。余談ですが、この警察署横の広場は、ここ最近NHK党の立花孝志氏が、兵庫県知事選や三木市市長選の際に演説場所として何度か使っています。

西宮ガーデンズ前
結果は、下り39.77Mbps、上り9.6Mbps。Ping値は36ms。ここは、まず問題がない数字が出ました。
最後の計測場所は、阪急西宮北口駅前です。大阪や神戸方面へ向かう多くの乗客がここで乗り換えるため、今津線で断トツに利用者が多いターミナル駅となっています。

西宮北口駅南西口付近
計測結果は、10月2日午後1時頃の状態では下り74.83Mbps、上り41.31Mbpsと、他キャリアと比較しても遜色ない速度を記録しました。Ping値は111ms。
続いて、10月3日午後6時頃の結果。下り26.78Mbps、上り0.98Mbps。Ping値は45ms。通常のウェブブラウジング程度なら問題がない数字ではありますが、残念ながら駅の混雑時間帯の通信品質には課題が残る結果となりました。
筆者は、楽天モバイルを2020年のサービス開始当初から契約しています。当時は月1GB以内の利用で料金が0円、さらに楽天モバイルユーザーは、0570番号を除く通話が無料となるIP電話アプリ「Rakuten Link」を利用できる点が非常に魅力的でした。
現在は、「Rakuten最強プラン」として段階制の有料プランに移行しましたが、筆者はいまもデュアルSIM環境で楽天モバイルを主に「Rakuten Link」目的サブ回線として利用しています。あと、私事ではありますが、Googleのキャンペーンに乗っかってPixelを毎年買い替え続けている身としては、楽天モバイルのeSIMが手数料無料で何回でも再発行できるのが地味に嬉しいんですよね。
「Rakuten Link」と「eSIM再発行手数料0円」の2つの強みがある楽天モバイルには、個人的に以前から好印象を持っていました。しかし、サービス初期の頃は、自社回線エリアが都心部中心に限られていて、今回検証した西宮北口駅周辺などの郊外では、他キャリアと比較してつながりにくい……といった印象が強かったです。
しかし、サービス開始から5年が経った今では、ここまで快適な通信速度が出るようになっているのだと正直驚かされました。0~5歳の頃の子どもの成長を見届けている親御さんもこんな気持ちなのでしょうか?
今のネットワーク品質であれば、メイン回線としても十分に選択肢に入ってくると感じました。第4のキャリアとして、楽天モバイルを本格的に検討するユーザーが今後増えていくかもしれませんし、それでもまだ通信品質に不安が残る……ということでしたら、現在の筆者のようにサブ回線として運用するのも全然アリだと思います。通話料無料のIP電話が使えて、通信容量3GBまで付いて月1078円。家族割適用なら月968円です。eSIMで一回線持っていても損は無いかなと思いますね。