関西鉄道協会の加盟事業者24社とJR西日本は、平成26年7月1日から列車内における携帯電話の扱いを変更します。これまで、優先座席付近では携帯電話の電源をオフにするよう呼びかけてきましたが、これを「混雑時のみ」に限定する形となります。
これは、ペースメーカーなどの誤作動を招く可能性が比較的高かった第二世代携帯電話(2G)のサービスが終了したこと、併せて医療機器側の改良も進んで現在は電波の影響を受けづらくなっていること、また、緊急地震速報などの非常通報ツールとしても携帯電話が利用されており、電源をオフにするデメリットがやや大きくなっていることなどを踏まえた措置となっています。7月1日以降、車内アナウンスは「優先座席付近では、混雑時には携帯電話の電源をお切りください」に変更されるとのことです。
総務省の指針も変更されており、従来は携帯電話からペースメーカーは22センチ以上離すことを推奨していたものが、現在は15センチに短縮されています。電車内であっても、通常は自分の携帯電話がそこまで他人に近づくことはなさそうですね。心臓のペースメーカー以外にも様々な部位に医療機器が埋め込まれている可能性はあるため、一概にありえないとまでは言えませんが、確かに混雑時でなければ危険はほとんどなさそうです。
ただ、筆者の見る限りでは、今も優先座席付近でわざわざ電源をオフにしている乗客は少なそうです。混雑時には「現在、大変混雑しておりますので、優先座席付近のお客様は携帯電話の電源をお切りください」のような踏み込んだアナウンスを流すよう変更すればいいのではないかと思うのですが、プレスリリースを見る限りではそこまでするわけではないようです。ごくごく限定的な状況のみとはいえ危険があることに変わりはないわけですから、規制を緩めたことを機会にきっちりとした啓発を望みたいものです。