KDDIは、今月16日の8時8分から発生したメール送受信に関する不具合について、同日に1万件の苦情が寄せられたと発表しました。
この通信障害は、小山ネットワークセンター内の通信設備の不具合によるもの。iPhoneおよびiPadにおいて、ezwebドメインのキャリアメールアドレスが、リアルタイム送受信ができない症状が発生。障害発生から5時間21分が経過した13時29分に、「復旧報」と銘打ち、復旧したとのプレスリリースが発表されました。
ただ実際は、その後もメールに繋がりづらい状況が断続的に続いていました。1万件の苦情というのは、同日の夕方までに寄せられたものだそうです。
ブログ「スマートフォン不具合速報」では、夕方以降も繋がらない、送受信できないといったネット上のユーザーの声を紹介しています。18時や19時になっても正常に利用できないユーザーの悲痛な叫びが確認でき、大変な状況が続いていたことが覗えます。
さらにその後、KDDIが「復旧報」に続き、日をまたいで「完報」と題したプレスリリースを発表。繋がりにくい状態にあったことを認めつつ、そうした状態は17日の深夜3時15分、完全に回復されたことを明らかにしました。
「復旧報」が発表された13時29分から、「完報」の復旧時刻である翌日深夜3時15分まで、実に14時間もの間、完全復旧に至らなかったことになります。「完報」によれば、繋がりにくかった理由は「ご利用が集中していたため」だそうです。
最初の発生時刻である前日の午前8時8分から計算すると、障害継続時間は実質19時間となり、これまでKDDIが起こしてきた通信障害と比べても極めて異例の、長時間にわたって障害が続いた事になります。KDDIは、2012年2月9日には、130万回線に影響する1時間6分の通信障害を、そして年末年始には、立て続けに4つの通信障害を起こしています。
時間にして2時間以上、影響人数にして3万人以上の障害が起きた場合、総務省から「重大事故」と見なされ、行政指導の対象となります。KDDIの正式発表では、今回の障害で全国の288万台に影響があったとしています。電気通信事業法上の「重大事故」に該当する可能性が非常に高く、総務省は障害とその原因について、詳細な報告の提出をKDDIに求めています。
情報元:KDDI, スマートフォン不具合速報, SankeiBiz