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【鳩の電子便】スマートフォンにRAW撮影モードは必要か?

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 Twitterを見ていたら、このようなツイートを SHARP GALAPAGOS【公式】さんが、つぶやいていることに気がつきました。

 スマートフォンで現在RAW撮影をサポートしているのはLumiaシリーズの一部、Lumia1020や1520が挙げられますが、Androidスマートフォンでは現在のところそのような機種はなく、強いて言えばAndroid搭載一眼レフデジタルカメラであるGalaxy NX等ごく一部が対応しているのみです。

 このようにほとんどのスマートフォンはRAW撮影には非対応というのが実情ですが、その中でRAW撮影に対応するメリットはあるでしょうか?またデメリットにはどのようなものがあるでしょうか?

メリット

撮影後に高品質で様々な補正・調整が可能

 RAW画像は撮影直後の劣化のないデータであり、1画素当たりのデータ量も12bitとJPEGの8bitより大きいために、画像の品質を損なわずにホワイトバランスや露出、色収差補正などを手動で行うことが可能です。つまりRAWからJPEGへの現像をカメラ任せにせず、自分でパラメータの値を決めて行うことができるということです。

 スマホに全ておまかせで写真を撮ると、思った絵と違う写真になってしまうこともありますよね。そのような写真も後からきれいに補正できるのがRAW撮影のメリットでしょうか。

デメリット

ファイルサイズが大きくストレージを圧迫する

 これは私の体験談でもあるのですが、私の持つLumia1020はRAW+JPEGの撮影が可能で普段はこのモードで撮っています。しかし、JPEGが約2MB、RAWが約48MBで保存されるために、一枚撮影するたびにストレージが50MBずつ埋まっていきます。この機種は内部メモリが32GBですから、そのまま撮り続けると約600枚ほどでストレージがいっぱいになってしまうため、定期的にRAW画像をPCに移動させなくてはなりません。

現状、RAW画像を編集できるAndroidアプリがない

 現在、RAW画像をそのままJPEGにコンバートするアプリはありますが、上のメリットで述べたようなパラメータの編集を満足にできるものがありません。そのため、編集するならPC上でやらなければいけません。

機動性に欠ける

 スマートフォン上で操作が完結せず、仮にそれが可能なアプリが作られたとしても写真を撮ってから現像するまでにかかってしまう時間は少なくありません。スマートフォンで撮るという性質上、SNSなどで即座に共有できることこそが大きなメリットですのでそれを打ち消してしまうことにもなります。

スマートフォンのレンズとセンサーはRAW画像を残すほどの画質か

 これはかなり微妙な点ですが、そもそも小さいレンズ、小さいセンサーで撮った写真をRAW画像から現像しても画質自体がデジタル一眼には及ばないため「大した補正はできないのでは?」ということです。

 最初に述べたLumia1020は1/1.5インチ、Galaxy NXはAPS-Cサイズのセンサーを搭載しており、レンズも比較的高品質なものを使っているからこそRAW撮影に対応していると思われます。それほどではないスマートフォンで、RAWに対応する意味がどれほどあるかは判断に迷います。しかしながら、スマートフォン向けのセンサーは日進月歩のごとく進化していますから将来的には十分な画質が得られるかもしれません。 

使い道はある

 ここまでRAW撮影のメリットよりもデメリットが多く挙がりましたが、ではRAW撮影は全く不要かというと、そんなことはありません。

 例えばRAW撮影が可能なら、撮ったその場でホワイトバランスと露出を少しずつずらした画像を3枚ずつ合計9枚並べ、最も好ましいものをユーザーに選んでもらいます。そのパラメータJPEG画像に現像した後、RAW画像自体は破棄するというようにすればストレージの問題も解決され、編集に時間をかけることもなく、よりユーザの好む写真を仕上げることができるのではないでしょうか。

 このように、ただRAW画像を出力するというよりは、「ユーザーが良い写真を迅速に撮る」ための一連の作業の中にRAWという選択肢を組み込むという考えであれば「有用である」と私は考えます。

  以上が『スマートフォンにRAW撮影モードは必要か?』に対する私の考えるところです。皆様はどのように考えますか?

(編集・校閲: 高橋ノゾム)

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