遅ればせながら、低価格帯ヘッドホンの鉄板、KOSS PortaProを購入しました。
PortaProと言えば、1984年に発売されたロングセラーヘッドホンの一つで、水色と黒の2色で構成された上記の画像のようなデザインが有名ですが、今回はせっかくなので、Amazon.co.jp限定モデルのホワイトを購入しました。
限定モデルというと、通常モデルとの音質の違いやディテールの違いが現れがちですが、通常モデルとの差異はカラーだけのようです。
肝心の音質はどうなの?
KOSS PortaPro は低価格帯のヘッドホンということもあり、原音に忠実なピュアなオーディオを聞くためのヘッドホンではありませんが、コストパフォーマンスが高く、思わず「この値段でこの音質はすごいな……」と呟いてしまいました。
再生環境はWALKMAN Fシリーズ NW-F886にダイレクトでPortaProを挿しています。
テスト用の楽曲は3つで、SKE48の「不器用太陽」、Cash Cash の「Overtime」、ONE OK ROCKの「完全感覚Dreamer」を再生しました。いずれもコーデックはFLAC 16bitで統一しています。
1曲目の「不器用太陽」はボーカルが女性の高い声、曲調はバラード調の楽曲ですが、ドラムやベース、ボーカルがはっきり前に出てきている感覚で、ボーカルに関しては耳元で歌っているような印象を受けました。しかし、中低音域の再現があまり良くないのか、ボーカルの中高音域と、ドラムやベースの低音域の間の音が潰れてしまっているような感じでした。調整によっては PortaPro でも聞ける楽曲だと思います。
2曲目の「Overtime」は典型的なEDMで、ドラムのキック音や電子系の高音域を主にしていますが、PortaPro ではかなり気持ちよく聞ける楽曲だと思います。
PortaPro は前述の通り、低音域がしっかりしているため、EDM のような低音バリバリ頭ガンガン振るような曲にはピッタリでは無いでしょうか。
3曲目の「完全感覚Dreamer」は激しいロック調の曲で、ボーカルとバックグラウンドが混ざり合ってお互いを潰し合う事が多く、ボーカルが聞き取りづらいという事案がよくあるのですが、PortaProでは、ボーカルとバックグラウンドの音がはっきりと分離して聞こえます。この価格帯のヘッドホンにしては、解像度が高いと言えるでしょう。
総括
総括ですが KOSS PortaPro は”音楽を聴く”というよりも“音楽を楽しむ”という方に向いたヘッドホンと感じました。ピュアオーディオを始め、細かな音源分析をするようなモニター作業に適しているとは思えませんが、好きな曲に合わせて頭を振ったり踊ったりして楽しむようなエンターテイメント性に長けたヘッドホンだと言えるでしょう。
カジュアルに音楽を楽しむ、そんなあなたにおすすめです。
(編集・校閲: 高橋ノゾム)