ピーアップのSIMフリースマートフォン「Mode1 RETRO」を購入しました。折りたたみ式のAndroid端末ということで、筆者が所有している「AQUOS K SHF31」、「FREETEL MUSASHI」との対比を交えつつ紹介します。
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開封の儀
化粧箱はモノトーンで、ピアノのようなデザインです。箱自体は一般的な形式で、本体の他にmicroUSBケーブル、microUSB-イヤホン端子変換アダプタ、クイックガイド、取扱説明書、保証書が同梱されています。
サイズ感
本体のサイズ感ですが、MUSASHIほど大きくないものの、AQUOS Kと比べると一回り大きいため、フィーチャーフォンの代替としては違和感があります。スペック上は、本機が幅56mm、AQUOS Kが幅51mmですが、この5mmの差は想像以上に大きいです。
10キーの打ち心地
10キーの打ち心地に関しては、長年フィーチャーフォンを製造してきたSHARPに一日の長があります。AQUOS Kと比べると、本機の10キーは扁平なために境界が分かりづらく、十字キーが小さいこともあって、快適とは言えません。指の移動量や片手保持での安定性を踏まえると、むしろAQUOS Kのように小さくまとまった10キーの方が打ちやすいと感じました。ここは悪い意味でMUSASHIに似ています。
最小構成のプリインストールアプリ
本機はプリインストールアプリが非常に少なく、その数はわずか18個。メーカー製のアプリはともかく、ChromeやYouTubeといったGoogleのアプリまで一部省略されているのは、非常に珍しいです。とはいえ、GmailやGoogleマップなど必要最低限のアプリは用意されており、Google Playも利用可能であるため、限られたストレージ容量に見合った構成とも言えます。
少し不思議なのは、カメラやブラウザがホーム画面のアプリ一覧に表示されない点。どうやら、10キーから起動できるアプリは表示しない方針のようです。
素に近いAndroid
通知領域や設定画面のメニュー構成を見ると、かなり素のAndroidに近い印象です。Googleアシスタントには未対応ですが、音声検索には対応しています。
開発者向けオプションを有効にすれば、OEMロック解除(ブートローダーアンロック)も可能ですし、システムUI調整ツールを有効にすれば、ナビゲーションバーも表示できます。
また、ナビゲーションバーを表示させれば、Android 7.0の標準機能である2画面表示も利用できます。ただ、480✕800ピクセルの画面では満足な使い方はできないでしょう。
カメラ
本機は800万画素のメインカメラと200万画素のインカメラを搭載しており、露出調整や撮影モード、ホワイトバランス設定など、一通りの機能を備えています。顔検知機能も搭載しているようで、テル子ちゃん人形の顔に枠が表示されていました。
画質は2万円台の端末として価格相応といった所。全く同じ位置からGalaxy S8で撮影した画像と比較すると、全体的にぼんやりした印象で、画角もかなり狭いことが分かります。
サブディスプレイ
109✕32ドットのモノクロ表示に対応したサブディスプレイを搭載していますが、ここに表示される情報はごく限定的です。右側のサイドボタンを押下すると時刻が表示されますが、電波強度や電池残量、通知などは表示されません。点灯時に一瞬だけ前回の時刻が表示される点はご愛嬌でしょうか。
充電を開始すると「CHARGING」と表示されます。ただし、充電中は表示を切り替えることはできず、ボタンを押下しても時刻を確認できません。着信時には「CALLING」と表示されますが、相手の電話番号までは表示されません。不在着信があるとアイコンが表示され、充電中でも時刻と共に表示されます。
細かい難点
夜型人間の筆者にとって致命的だったのは、ディスプレイ輝度の自動調整ができないことです。昼夜を問わず、屋外でも屋内でも快適に使えるよう、自動調整機能を搭載して欲しかったところ。
もう1点、シャッター音が暴力的に大きいのも難点と言えます。スクリーンショットを撮影する時くらい静かにして欲しいものです。ちなみに、スクリーンショットの撮影方法は、Androidの標準である[電源]+[音量DOWN]ではなく、[カメラ]+[音量UP]の長押しです。
ガラホとの比較
タッチスクリーンも含めてAndroidの機能をフル活用できるのが本機の長所ですが、10キー操作に特化した作り込みは不完全で、国内メーカー製のガラホに遠く及びません。また、ワンセグやおサイフケータイといった日本独自機能にも対応していません。
一方で、フィーチャーフォンに由来するガラホの複雑なUI体系と比べると、スマートフォンに近いシンプルなUI体系は評価できます。特に、画面のタッチ操作が必要な場面で、ガラホでは、10キーに内蔵されたトラックパッドでカーソル操作を行う必要があるのに対して、本機では、そのまま画面をタッチするだけで済みます。また、状況に応じて物理キーの役割が変わる「ソフトウェアキー」が存在しないのも大きな違いですね。
製造ベンダーは?
端末情報のうち、「ベースバンドバージョン」と「カーネルバージョン」が酷似していることから推測するに、FREETEL MUSASHIと同じ中国メーカーが製造しているようです。日本語が不自然なワイヤレスアップデート画面も健在です。