中国メディアから見たスマホのアフリカ市場。

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 「スマホ」と「アフリカ」、なかなかピンとこない取り合わせですが、「発展途上国では固定電話よりも携帯電話が先に普及した」などの断片的な報道は、ちょくちょく目にします。

 中国テンセントの運営する騰訊新聞に、アフリカ市場での人気ブランドと、各ブランドや各国の市場状況に関する記事が掲載されていました。以前、アフリカで躍進する中国伝音についての記事もご紹介しましたが、「最後の市場」の情勢は、いまどうなっているのでしょうか。ご紹介します。

 欧米や日韓と比べて、アフリカは我々中国人にとってやはり神秘的な地域だろう、なんといっても一般にアフリカ国家へ旅行に行くことはない。我々のアフリカ地区への印象もとても主観的なもので、たとえば「貧乏」、「汚い治安が悪い酷いところ」といったところだろう。ではスマホやインターネットがほぼ全世界に普及しているなか、アフリカ人民はどのような携帯電話を好んでいるのだろうか。

 中国人のアフリカへのイメージ、おそらく日本人とあまり変わらないようですね。ここから、主要なメーカーなどへの紹介に入ります。

 サムスン。アフリカにも、中高所得者のグループは存在することから、サムスンも一定の市場をもっている。2018Q1の市場シェアは23%だ。しかし欧米市場と異なるのは、S9、Noteシリーズのようなハイエンドモデルはやはり珍しく、あったとしても安売りしている旧型モデルだ。Galaxy Jなどのミドル・ローエンドシリーズが主になっている。

 スマホ販売台数世界1位のサムスン、アフリカ市場もしっかりと抑えています。

編集部補足
Galaxy Jといえば当初日本市場特化モデルとして登場したブランドネームだが、現在はインドやアフリカなどもカバーする普及モデルに使われている。

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 少ないハイエンド市場は、旧型モデルを販売することで拾っているようですね。今後のハイエンド市場成長に備えた布石でしょうか。

 伝音。疑いなく、アフリカ市場で18%のシェアを占めている伝音は、中国スマホブランドの奇跡だ。TECNO単体でのシェア率はサムスンに及ばないが、しかし伝音系のブランドitelとInfnixを加えると38%となり、絶対的な「アフリカの王」だ。伝音のスマホ価格は100米ドルを下回ることが多く、機種も非常に多い。さらにカメラなどの機能もアフリカのユーザー向けに工夫されており、ウケるのは当然だろう。

編集部補足
Transition Holdings傘下のTecno Mobileは、香港を拠点とする携帯電話メーカー。従来のスマートフォンの自撮りの補正は黒人の肌の色に対応しておらず、不満に思われていたが、伝音は初めて黒人向けに最適化、アフリカで大きくシェアを伸長した。

 伝音は、アフリカで3ブランドの展開。低価格帯をしっかりつかみ、アフリカの大衆ブランドとして定着しているようです。その甲斐あって、今年第2四半期の世界販売台数で、伝音が第10位に入りました。今後も成長が期待されます。

 華為。2017年から2018年Q1までの間、アフリカ市場では概ね7%のシェアをもっており、伝音系やサムスンに劣るものの、ブランド認知度は高まっている。もちろん、華為は目下ハイエンド市場での発展に注力していることから、欧州、日本、中国本土が重点地域であり、アフリカで販売しているのはミドル・ローエンドが主だ。

 華為はいまのところ、アフリカ市場は「唾をつけておく」という程度で、あまり力を入れていないようですね。

 ノキア。まあまあの収入があるアフリカ人は、いまでもノキアブランドをとても好んでおり、スマホを持っている人でも、ノキアを予備で買ったりする。たとえばリメイク版の3310,、販売価格52ドルが人気だ。ノキアは耐久性に優れ、電池の寿命も長いことから、ナイジェリアなどのバザールでは、ノキアの携帯電話が伝音系ブランドと一緒に並んでいるのを見ることができ、人気はとても高い。

編集部補足
元Nokia幹部によって復活したHMD Globalが、現在のNokiaブランドを展開。2000年にNokiaが発売した名機「Nokia 3310」を、2017年に復活。製造は台湾の鴻海精密工業グループ。
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(2017年リメイク版 Nokia 3310)

 懐かしのノキア。アフリカ市場で生き残っているのは、少し驚きです。

 低価格携帯電話。伝音系の携帯電話はアフリカだと最も安いもので15ドル、よって電話での通話さえできればいい低収入の人にとって、とても吸引力がある。

 山寨機(パチモノ)。アフリカ地域のなかには非常に貧しい国家もある。たとえばエチオピアやコンゴなどの国家の人民が携帯電話に求めることは、「安い」「電話ができる」であり、10ドルの伝音の携帯電話でも、彼らにとっては贅沢だ。たとえば、コンゴの2017年の平均収入は334ドル、半分の農村にしか電気が来ていない。よって、華強北の山寨携帯電話がこれら貧困国家で流行した。彼らは組み立てや部品交換を自分でやり、数キロ先の公共充電機で充電する。

 「アフリカ」とひとくちに言っても、日本から中国、インドに至るくらいの広大な地域。「アフリカの王」、伝音といえどカバーしきれない市場がまだまだ存在するようです。

 日本人にとってはあまりにも遠い感覚のある地域ですが、スマホ市場を通してみると、なんとなく身近に感じるかも……?

編集部雑感
一部市場を除けば、やはりSamsungは世界で上位のようだ。