CNNやBBCなどの海外メディアが報じたところによると、ニュージーランド政府は、次世代通信5Gの整備にHuawei製機器を使用しないよう決定しました。
ニュージーランドの通信事業者Sparkが、Huawei製機器を利用する5Gネットワーク整備計画を策定したのに対し、政府当局がこれを却下したとのこと。
政府関係者はHuawei製機器を5Gに利用することが重要な国家安全保障上の脅威であるためと述べたとしています。
本件についてのCNNの問い合わせに対し、ニュージーランド政府のGCSB(政府通信安全局)は追認。ネットワークセキュリティへのリスクが確認されたとしています。GCSBは米英と連携し、スパイ・防諜・通信傍受・サイバー防衛に従事する情報機関です。
これに対しHuaweiは、進むべき道を探すためニュージーランド政府と共に積極的に懸念に対応する、と声明したとのこと。
各国の通信設備にHuawei製が入り込んでいることを、アメリカ政府は安全保障上の観点から問題視。米軍の駐留する日本など同盟諸国に働きかけを行っているとの報道がなされていました。
アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドは1951年にアンザス条約を締結、軍事同盟を形成。日米、米比の同盟と並び、東西冷戦下で反共包囲網の一翼を担ってきました。
後に米豪2ヶ国の条約へと移行。東西冷戦は終結したものの、南太平洋地域では経済的にも軍事的にも中国が台頭。この脅威を前に、オーストラリアとニュージーランドは安全保障条約の枠組み構築も含めた連携強化を進めています。
先んじて、数ヶ月前にオーストラリア当局は5G入札からHuaweiとZTEを排除。ニュージーランドのHuawei排除はこの動きに続くものと言えます。
日本も米国との同盟関係にあり、官房長官や国会で議題になったことはあるものの、中国メーカー製品への政府としての具体的な対応はまだなされておらず、引き続き注目すべき事案と言えます。