中国市場に次ぐ世界第2の巨大スマホ市場、インド。中国「参考消息」がインド媒体や米国企業のデータをもとに伝えたところによると、インド市場で、インド国内メーカーのスマホシェア占有率は9%足らずまで下落、一方で中国ブランドの占有率は60%近くまで達しました。
Index
世界第2位の巨大市場の戦況。インドメーカーvs中国メーカー
当初は勢いのあった印Micromax
「インド教徒報」の2月4日報道によると、2014年末時点でのインドブランドの同国スマホ市場占有率は50%近くだったのが、現在では9%に満たないまでに下落。また、米国カントポイント研究社のデータによると、中国ブランドは2018年Q4までにインドスマホ市場の6割に迫るシェア率を獲得したそうです。
国際データ社インド支社分析士によると、「始まった頃、現地メーカーによるインド市場のコントロールはとてもよかった。たとえば、インド人は携帯電話に大きな電池容量を求め、Micromax社はここを突いた。それに、インドメーカーは国内小売売場での販売成績もよかった」とのこと。
この状況が変わったのは、2016年Q4だそうです。積極的な投資戦略と眼を見張るような営業支出により、中国ブランドはインドスマホ市場で46%のシェアを獲得し、これによって上位5社から初めてインドブランドが消えたといいます。
中国メーカーの勝因とは?
前出分析士によると、小米(Xiaomi)はインドで初めて「閃購(時間限定特売)」をやったブランドであり、これによって小米はオンライン市場ブランドとしての地位を確立したといいます。
一方で、OPPOとvivoはオフライン路線を歩んでおり、「小売チャネルと販促活動に大量の資金を投入している」とか。
カントポイント研究社の設備・エコシステム高級分析士によると、中国ブランド発展のカギとなったのは、「製品価格が安いこと、突出した特徴があること、強力なデザイン言語、そして深圳の製造とサプライチェーンエコシステムを利用できたこと」、「中国のサプライヤーは、今やハードウェア設計、ソフトウェアとユーザー層分析方面の専門家になっている。彼らは強大な初期設計製造業者とサプライヤーのネットワークを作り上げている」、「これらのブランドが新設備をリリースする際にも、相当に積極的、主導的な動きを見せている」と、といいます。
2018年末時点で、インドMicromaxのスマホシェアは5%(2015年16%)、ラーワ2.4%(同6%)、インテクス0.6%(同10%)、一方の中国勢は、小米28%(同6%)、vivo9%(同5%)、OPPO8%(同5%)となったそうです。
失敗した中国メーカーもある
しかしながら、すべての中国ブランドがインドで長期に渡って成功したわけではなく、楽視(LeEco)や金立(Gionee)は落後していきました。
前出分析士は、インド市場で失敗した中国メーカーについて、「インドで自身の中国モデルを押し広めようとしたが、現地の市場需要を理解しなかった。さらに、成功した中国ブランドはとても慎重に行動している」と分析しています。
地元メーカーはますます苦しくなるばかり
中国のインターネット企業プレイヤーがオフライン市場へ次々と参入している中、インドのスマホメーカーにとって、情況はますます厳しくなると見られています。
前出分析士によると、スマホメーカーにとって、全チャネル業務の重要性は非常に重要なものとなっており、電子ビジネス分野での新たな外国からの直接投資規定の下、「割り引きはそう多く発生しないだろう、これは(インド)政府の命令であり、オフラインとオンラインで大きな違いはなくなる」と予想。新規定はより多くのオンラインプレイヤー、たとえばRealMeや栄耀を刺激し、オフラインで拡張するだろうと見られています。「よって、現地企業が追いつくのは、さらに難しくなる。彼らの実力はオフライン小売によるものだからだ」とか。
同分析士は、もし現地メーカーが良質な企画と積極的な定価の製品を発売し、販促活動をしっかりとしたならば、生存空間が広がるかもしれない、と指摘します。
インドは中国に次ぐ世界第2のスマホ市場であり、4.3億のユーザーを擁するとはいえ、他の市場と比べてインドの市場浸透率は依然として低いそうです。インドの潜在市場中、スマホユーザーは45%にとどまるとか。
総評
以上、中国メーカーを中心として、ドラスティックな変革期を迎えているインド市場の模様でした。
「インドのスマホメーカー」といってもまったくピンとこないので、「先進国(及び中国)メーカーによるスマホ普及期→国内メーカー勃興」のような発展があるのかな、と漠然と思っていましたが、国内メーカーが中国メーカーに潰されている段階、と見たほうがいいようです。