中国の小型PCメーカーOne-Netbook Technology社(壹号本科技)の新製品となる「OneMix 3 Pro」が、日本国内で正式発表されました。国内正規代理店として株式会社テックワンが取り扱います。
国内版の発売日は2019年12月23日(月)を予定。価格は税別12万8000円。予約受付開始日は11月21日(木)より。販路はOne-Netbook公式ストア。他にはAmazon、ヨドバシ.com、ビックカメラ.com。スタイラスは税別2800円で別売りとのことです。
本記事では製品の仕様と、発表会の様子、そしてほんの少しだけ判明した開発中製品の情報をお伝えします。
Index
OneMix 3 Pro 国内発売決定!
充実のスペック
OneMix 3 Proは、8.4インチの小型サイズ。プロセッサにCore i5-10210Yを搭載、実行メモリは16GB、ストレージは512GB。「クアッドコア搭載 2in1 UMPCとして世界最小」と謳います。海外版の実機レビューはこちら。
OS | Windows 10 Home 64bit |
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CPU | Core i5 10210Y 4コア8スレッド TDP 7W 最大ターボ4GHz |
メモリ | 16 GB LPDDR3 デュアルチャンネル |
ストレージ | PCIe NVME SSD 512GB |
ディスプレイ | 8.4型 IPS液晶 (2560 × 1600) 16:10 10点マルチタッチ認識 4096段階筆圧検知スタイラス対応 2in1 360度Yogaスタイル |
バッテリー | 8600mAh |
寸法 | 幅204×高さ129×厚み14.9(mm) |
重量 | 659g |
その他 | 日本語配列 キーボードバックライト microSDカードスロット USB Type-C Wi-Fi 2.4/5GHz Bluetooth 4.1, USB 3.0, microHDMI イヤホンジャック, 指紋認証センサー 技適取得済み |
日本のために、日本語キーボードを新開発!
テックワンとOne-Netbookにて日本語キーボードを共同開発。キーピッチ18.2mmで、かな入力にも対応。ALT + 半/全にて日本語入力切り替えとのこと。筆者は本機の英語キーボード版を利用中ですが、Tabキーの位置がやや気になっていたものの、そこに改善が加えられていることがわかります。
発表会でのメーカー・国内正規代理店による解説
躍進するOne-Netbook
来日したOne-Netbook社の社長であるJack Wang氏が登壇。
2019年5月には日本の家電量販店での販売を開始し、販売が好調。このため日本市場に注目しており、今回日本での発表会開催に至ります。
さて、そんなOneMixはお膝元ではどうなのか?6月には中国深センにて、世界初の直営店を開業。体験型の店舗となっているとのこと。
8月には中国有名量販店とパートナーシップを締結。中国全土20以上の店舗で展開など、販路を拡大しているといいます。
中国トップアイドルにも利用してもらっており、好評のようです。そして中国で非常に有名な「世界最傑出華人」の香港俳優 古天楽(Louis Koo)氏をイメージキャラクターに選出。
開発能力だけではなく、Intelと密接に提携しているのが強みで、製品を他社よりも半年以上早く納品してもらえることもあるのだとか。Core m 8100YはOneMixが初めて搭載したといいます。
OneMix 3 Proについての解説
Intelのパートナーとして世界で初めて第10世代CPU搭載UMPCを投入。プロジェクトは今年の6月に開始。8月にはユーザーからのフィードバックを収集。本日の発表に至るとのこと。
小型筐体ながらも、360度の回転液晶を搭載。レノボやマイクロソフトも採用する技術でヒンジ部分の加工を最適化、スムーズな開閉を実現。本体自体は非常に薄く、バックライトキーボードを使用しながら放熱するのは難しい課題であったとのこと。2チャンネル散熱機構により課題を克服。
Intel 第10世代CPUは処理性能や熱効率も向上しているとのこと。連続稼働時間も15%向上。
日本市場向けへの誠意として、日本語キーボードを搭載。キーピッチは18.2mm。
日中両国で縁起色である赤色のカラーリングを施した「Koi(鯉)エディション」は、今冬に限定販売予定。
日本市場の感触は?
続いてOneMixの国内正規代理店となるテックワンの中林代表取締役が登壇。国内正規品としていかに安心して使用してもらえるかを重視。
テックワンのアンケート調査では、VAIO、LOOXなどが育てた日本のユーザーのUMPCに対する強い愛を感じたとのこと。日本のUMPC市場を盛り上げたいといいます。
紙媒体からも取材があり、週刊アスキーの抜き刷りが秋葉原で配られ、それを持った人がUMPCコーナーに来て実機を見る光景がよく見られたとのこと。販売状況として、OneMix 2Sは、家電量販店やアマゾンでもランキング上位をキープ。女性からの引き合いも強かったといいます。
OneMix 3シリーズは当初予想を大きく上回る販売数。高くて上位モデルのプラチナが最も売れたとのこと。予約販売でお客さんになかなか物が届かないという時期もあったといいます。需要予測は今後より慎重に取り組むとのこと。日本市場での需要は旺盛のようです。しかも一番人気は「ハイエンドコンパクト」というわけですね。
日本消費者がどこを好むのか、テックワンから深センにフィードバック。共同開発という形でユーザーニーズに沿った日本語キーボードを作ったとのこと。
国内保証は一年。技術者を深センに派遣し、80%以上の修理を国内で完結できる体制を構築。部品単独販売も準備を進めているとのこと。
ビジネスはもちろんシニア層もサブターゲット。今後、軽量小型のPC市場を拡大していく役割を担いたいとして話を締めました。
ちょっとだけわかった!今後のOne-Netbook製品はヤバイ、スゴイ!
LTEモデルを研究開発中!
現在、UMPCはWi-Fiモデルばかりで、他社からごく一部LTEモデルが発表されている状況。質疑応答では、LTE搭載製品の予定はあるかと筆者が質問。
Jack Wang社長曰く、今後ぜひ搭載したいと思っており、研究開発チームにタスクとして指示しているとのこと。やはりいつでもネットに繋がる小型PCは男の夢、ロマン!研究開発の成果が待ち遠しいですね!
7インチゲーミングPCを開発中!
また、写真撮影はNGの次期未発表製品「ONE-GX1」が展示。現在、独立部門を設立して開発中とのこと。投入時期は2020年。
10nm製造プロセスのTiger Lake Yを搭載。デザイン的にはOneMixらしくはありつつも、いかにもゲーミングな排熱機構を備えた風貌で、画面の360度回転は不可。
両脇に装着/分離可能なギミックのゲームコントローラーを備えます。概念やボタン配置はNintendo Switch似でした。試作機に接点はなく、コントローラーは無線接続。装着すれば一体のゲーム機として、分離すれば二人で遊べる、面白い機体となっていました。
かつて人々に夢を見せながらも、高価でスペックが厳しくもあり、ほぼ絶滅してしまっていたUMPC。今の時代の技術でどんな素敵なUMPCが出てくるのか?注目していきたいところです。そのためにもOneMixシリーズには引き続き好調に売れて欲しいですね。