NTTとNTTドコモは都内で緊急記者会見を実施、ドコモをNTTの完全子会社にすると発表しました。9月30日から11月16日までに公開買付を実施、投資額約4.3兆円。完全子会社化について、4月の後半から検討してきたとのこと。
完全子会社の目的として、NTTドコモの競争力強化・成長。そしてNTTグループ全体の成長を挙げました。
グループ各社の連携力強化により、固定・Wi-Fiを融合したネットワークサービスを提供、コスト競争力のある高いネットワークを実現。低廉で使いやすい料金の提供を実現。
NTTとドコモのR&D部門の連携を強化。基礎研究成果を早期に取り込み、早期に高品質サービスを創出。次世代ネットワークの実現に向けて研究開発力を強化できるといいます。
現時点では未定であるとしつつも、完全子会社化したNTTドコモに、NTTコミュニケーションズやNTTコムウェアを移管することもこれから検討していきたいとしました。あくまでこれから検討したいという段階で、何ら決まっていないとのこと。
NTTコミュニケーションズはインターネットサービスプロバイダ事業や、ドコモ回線を用いたMVNOサービス「OCNモバイルONE」を提供する会社です。
NTT東西がドコモに特別に供与することは法律上禁止されています。しかしドコモに限らず他社にも公正に同じ条件でインフラを卸しており、ドコモの100%子会社化やNTTコムとNTTコムウェアの連携を深めることは法制度上禁じられておらず、これは総務省にも確認済みとのこと。既にNTTが一方的に強いわけではなく、ドコモに至っては携帯業界利益三番手であることを再三強調しました。
あくまで値下げは顧客が求めているもので、政府の値下げ議論とは別個の事象。結果的には携帯値下げに繋がることを認めています。
ドコモの吉澤社長は退任して取締役に。副社長だった井伊基之氏が社長へ昇格します。井伊基之氏は、NTT東、NTT持株の出身。ドコモでの職歴はなく、今年6月に副社長の座に就いたばかり。
NTTデータについては完全子会社にする考えはなし。システムインテグレーションやコンサルティングといった上位レイヤーが中心のため、他のNTT事業との被りが少なく、独立して動けるほか、事業の4割を占める海外のステークホルダーの理解を得るため、現在の上場を続けるとのこと。