WHO(世界保健機関)は12月20日、COVID-19(新型コロナウイルス) に関する情報提供を行うための公式アプリ WHO COVID-19 Updates(Android/iOS 対応)の配信を開始しました。現在はナイジェリアでのみ。近いうちに英語版を世界各国に配信予定。
2020年4月にもCOVID-19アプリを配信していましたが、誤配信だったのか即時に停止されていました。あれから8ヶ月経ち正式登場となります。誤配信されたアプリが古臭いUIだったのに比べ、幾分か洗練されているように見えます。
WHOによると、COVID-19 Updates は COVID-19 の症状に関する情報や、ウィルスから身を守るための方法を利用者へ直接発信するために作られたアプリ。WHOとその協力者からの最新情報や世界的な統計、ワクチンの進捗情報も配信されます。
さらに、現在地に関するリアルタイムな情報を受信したり、パンデミック救援活動に協力する方法を調べることができ、COVID-19 関連情報を集約する玄関口としての役割が期待されます。
本アプリはあくまで情報配信に特化しており、厚生労働省が公開している新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)のような接触確認をするための機能は含まれていません。接触確認アプリの動作には最新OSやAPIが必要であるのに対して、情報配信を目的とした本アプリはそうした仕組みを必要としないことから、2011年以降に発売されたほとんどの Android / iOS 端末で動作するようです。
中華人民共和国湖北省武漢市を発祥の地とするCOVID-19の世界的感染拡大過程の初動において、WHOは中国政府の情報公開を促す意図もあってか、台湾当局の肺炎に関する警告文書を無視しながら中国寄りの姿勢を見せていたことで、米国政府がWHOへの資金拠出停止や脱退を発表するといった場面も見られました。今回のようなアプリ配信を含む地道な防疫活動を通して、国際機関としての信用回復を願いたいところです。
(編集・校閲: あいばら)