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Galaxy Note 20 Ultra 5G レビュー。成熟した「Sペン」に感動

 auとdocomoから販売されているGalaxy Note 20 Ultra 5G(以下Note 20 Ultra)。今回、au版のNote 20 Ultra、SCG06を貸与して頂きましたのでレビューしていきます。

外観

 背面パネルはガラス。大きいカメラユニットが目立ちます。

 本体上部はSIMピンで取り出す方式のSIMトレイ、マイクがあります。

 右側面に電源ボタン、音量ボタンが集約されています。

 下部はUSB Type-Cポート、スピーカー、Sペンがあります。

ディスプレイ

 Note 20 Ultraは解像度3080×1440、6.9インチのDynamic AMOLED(有機EL)を搭載しています。リフレッシュレートは最大120Hzですが、FHD+またはHD+を選択時に利用可能です。ネイティブの解像度で利用する場合は60Hzに下がります。HDR使用時の最大輝度は1500nitと1200nitのiPhone 12 Proシリーズを凌駕します。

 もうこれは何も言う必要はないでしょう。綺麗、120Hzでなめらか、大画面。文句なしです。

 ディスプレイの両サイドは緩やかなエッジになっています。個人的に気になっているのですが、ペンを使うなら全面フラットなほうが書きやすいのに、なぜエッジがNoteシリーズに導入されているのかが理解できません。なぜ……。

オーディオ

 上部のスピーカーはディスプレイのベゼル上部に綺麗に隠されています。下部のスピーカーはUSB Type-Cの隣にあります。しっかりLとRで分かれるステレオスピーカーですね。

 イヤホンジャックはなし。別途USB Type-C変換アダプターかワイヤレスイヤホンを用意する必要があります。

 またNote 20 Ultraは単体でDolby Atmosに対応しています。様々なコンテンツを臨場感のあるサウンドで楽しめます。

カメラ

 Note 20といえば出っ張りすぎているカメラ。一説ではSIMカード4枚分?とかなんとか。いやいやそんなに出っ張っているわけ……と思い実機を確認しましたが、思いの外出っ張っていました。

 机においてペンで書く所作をするとガタツキが気になります。付属する純正ケースを装着すれば気にならないでしょ……と思い装着してみましたが、それでもガタツキは収まりません。普通のスマホならまだしも書く動作があるNoteでは、たとえばCLIP STUDIOなどで絵を描くなど机上で使う場合には致命的な気がします。

 さてNote 20 Ultraのカメラは約1200万画素で13mm相当の超広角、約1億800万画素で26mm相当の広角カメラ、約1200万画素で123mmの望遠カメラを搭載しています。数値だけで見ればおそらく超広角はS20シリーズに搭載されていたものが引き継がれているようです。しかし、広角と望遠に関しては若干数値が異なるため、変更しているようです。

 特に気になるのは望遠です。S20 UltraではF3.5 4800万画素のカメラでしたが、Note 20 UltraではF3.0 1200万画素に変更されています。画素数が4分の1に減少しており、劣化か?と思われますが、むしろこれは向上していると捉えるべきでしょう。絞りはF3.5からF3.0は多少明るくなっており、暗い場所で役立ちます。しかし4800万画素は正直1画素あたりの光量が少なく、ノイジーな写真ができあがってしまいます。1200万画素に減らすことで1画素辺りの光量を増やすことでノイズ低減を図ったのでしょう。

 特に望遠は焦点距離を稼ぐためにセンサーが小さくなる傾向があるので、1画素あたりの光量を増やしにきたのは良い傾向と思います。画素数が減少したためか、S20 Ultraでは使えていた100倍ズームは今回50倍ズーム止まりとなっています。非実用的な100倍よりは実用的な50倍のほうが良いですよね。

 文字ばかりのオタクトークは置いといて、とりあえず撮ってみましょう。

 いつもの新宿ポイントからまずは超広角。曇りの日でしたが、シャドウが潰れることなく全体的にバランス良く撮れています。しかしちょっとシャープネスが強い印象を受けました。

 広角。こちらは特に言うことないでしょう。綺麗です。

 そして望遠。S20 Ultraのときより全体的に解像感が増したように感じます。奥の青色の経路案内標識がしっかり読み取れます。

 そして最大倍率である50倍で撮影。のっぺりしていて写真としては失格かも知れませんが、遠くのものを確認するツールとしては良いかも知れません。

 簡単にですがナイトモードも試してみました。左がナイトモード、右が通常のカメラモードです。

 まずは超広角から。ナイトモードのほうは石畳が明るく、シャープに捉えられています。

 続いて広角。このサイズだと分かりづらいのですが、拡大してみると星が写っていたり、ノイズが抑えられているのがわかります。

 望遠では大きく違いがでました。ナイトモードでは色調が綺麗に捉えられていますが、通常モードでは高感度に多いカラーノイズが発生。望遠でもナイトモードは使えそうですね。

 メシはどうでしょうか。借用したのが年末ということもあり、ステイホームを実施。そのため筆者が作ったモツ鍋を御覧ください。緑と赤が映えますね。仕事気にしないでにんにくドバドバ入れました。おいしかったです。

ペン

 お恥ずかしい話をすると、実は筆者がNoteシリーズを使うのはこのNote 20 Ultraが初めてです。正直な話、あのサイズでペンを使っても使いにくいだろうし、結局ペンを使わなさそうという先入観がありました。そんな筆者がNote 20 Ultraを使ってみてどう感じたか、書いていきます。

 ペンは本体左下に収納されています。押し込むと取り出せるつまみが出てきます。取り出すと、画面上にペンを活用できるショートカットが表示されます。そのため、ペンを使ってやりたいことがすぐに行えるわけです。

 使ってみて便利だなと感じたのはノート作成、キャプチャ手書き、翻訳の3つです。

 ノート作成は言葉の通り、新しいノートを作成してすぐにメモを取ることができます。キャプチャ手書きは今画面に表示しているコンテンツをキャプチャ(スクリーンショットを撮影し余計な部分を自動でトリミングしてくれる)して、すぐ書き込むことができます。

 翻訳は色々使えそうです。普通は翻訳したい文章をコピーして翻訳アプリにペーストする、だと思いますが、Noteでは翻訳したい部分にペンでかざすだけで翻訳してくれます。翻訳部分はペンで四隅を調節するだけで、変更できます。翻訳はGoogle翻訳を採用しているようですので、精度は抜群。

 流石Samsung、便利なように作っていますね。ただ、これだけで終わらないのがSamsungです。

 Note 9よりSペンはバッテリー内蔵式にすることで、遠隔操作に対応しています。遠くからカメラのシャッターを切ったりプレゼンでページを送ることができます。Note 10からは新たにジェスチャー操作に対応しました。もちろんこれらはNote 20でも利用可能です。

 ジェスチャー操作は大きく5種類あります。この5種類はどのアプリを開いていても操作することができます。ジェスチャーを使うにはボタンを押しながらジェスチャーを行うだけ。そのため誤作動することはありません。

 また通知バーなどから操作することなく、ジェスチャーで曲送りなどの操作が可能です。ペンで書いているときには便利かもしれません。

 また対応しているアプリならば、個別設定することで機能を割り当てることができます。例えばギャラリーならデフォルトでは以下のように設定されています。もちろん違うジェスチャーに割り当てることもできますし、オフにもできます。

 肝心のノート機能は素晴らしい。このサイズ感で書けるのか懐疑的でしたが、割とスラスラ描けてしまいます。またマルチウィンドウ機能があるので、別のアプリを立ち上げつつ、小さく立ち上げて書くことができます。ビデオ会議しながら、またはオンラインイベントある時など、色々なメモに役立ちそうですね。

 紙の手帳なら、開いてすぐ書けますよね?もちろんNoteもスリープ状態でペンを抜けばすぐメモ(黒板)モードに移行します。画面は真っ暗でも、白色のペンでガンガン書き込めます。ペンを収納すれば自動で保存されて、またスリープに移行します。

DeX

 SamsungのデバイスはDeXというGalaxyをモニターやPCに接続し、パソコンのようにして使うモードが存在します。「出張先でもホテルのモニタにつなぐだけで……」というのが売りらしいですが、正直わざわざ変換ケーブルやらなんやら持っていくくらいならノートパソコン使うよね……と思っていました。

 しかし、Note 20ではワイヤレスでDeXが利用できるとの表示。筆者が所持している万能なテレビ、LG C9Pではできないよな~~と思い接続してみたところあっさり接続完了。本当C9P万能すぎるよ……。

 ワイヤレスで利用する場合はスマートフォンをトラックパッドにして使うことができます。文字入力をする場合には自動的でキーボードが表示されて入力できます。

トラックパッドモード。左上のアイコンをタップすると、縦と横変更できる。

 DeXで適当なアプリを5つ立ち上げてみました。左下にはドロワー、履歴、ホーム、戻るが用意されています。画面下中央には立ち上げているアプリが一覧で表示されます。右下には画面キャプチャ、通知などが確認できます。

 トラックパッドではマルチタッチも利用できるので縮小拡大もスマートフォンのように扱えます。うーん、本当にパソコンですね。

 ただし、パソコンのように制限がないわけではないようです。同時に表示できるアプリケーションは5個まで。5個を超えると一番古いアプリを最小化して表示する挙動のようです。

 パソコンのように扱えるとはいえど、Officeは所詮スマホ版。Windowsのように高度な処理ができるわけではないので、簡単なデータのみに限られそうですね。

セキュリティ

 Note 20 Ultraは画面内指紋認証と顔認証に対応。マスクをしていても解錠できます。しかし、相変わらず指紋認証センサーの位置が分かりづらいです。また季節柄、指が乾燥しているせいか、指紋を認識してくれない場合が多かったです。

総評

 なぜギークなユーザがNoteにこだわるのか謎でしたが、使ってみて納得でした。使いやすくて、コレ1台でなんでもできてしまう。最強です。

 6.9インチという大画面のデバイスなので、YouTubeはもちろん、Netflix・Amazonプライムも快適に視聴できます。オーディオもDolby Atmos対応なので、妥協せず楽しめます。カメラも流行りの3眼なのでどんなシチュエーションでも対応できます。

 そんなNoteでもペンを取り出せば仕事のメモはもちろん、DeXを使えばモニタでマルチタスクも可能です。プライベートから仕事まで、Note 20 UltraでOK。

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