「AQUOS R6」で撮る景色。見えてきた長所と短所 すまほん!!

 最近AQUOS R6での写真撮影にハマっています。Leica共同開発のズミクロンレンズと1型センサーを搭載した本機。追加でわかったことも踏まえつつ改めて作例多めでレビューしていきます。

 全画角を圧倒的な一眼でまかなう発想により、望遠はすべてデジタルズーム。2倍ぐらいまでは綺麗に使えます。

 こちらはマニュアルで撮影。被写界深度の狭さがおわかりいただけるでしょうか。

 オートの精度はそこそこ。HDRを過剰に効かせたりAIオートで彩度を上げまくったりするスマホカメラの流行りにはそれほど乗っておらず、より自然な専用機のカメラ的。

 以下のオート作例は左がAIオフ、右がAIオン。低照度等一定条件下では必ずしもその限りではありませんが、自然に美味しそうな色合いに撮れることが多いです。

 本機の焦点距離では最短撮影距離が長く、あまり寄れません。このため、少し離れてデジタルズームを駆使するテクニックが必須。

 絞りもなく被写界深度も狭いため、飯撮り時にはこれを意識することになるでしょう。この辺りは長所から来る扱いづらさでもあります。

 オート使用時にAIが気に入らなければ、AIアイコンをタップすればON/OFF可能。また、タップ箇所から明るさの変更が可能。

 こちらはオートで撮影。わざわざマニュアルに変更せずとも、オートでタップして明るさを変更するだけでもいい感じの雰囲気に。

 その場の空気感を残す画が撮れます。こちらはRAW現像。(現像した写真は、画像をタップ/クリックでFlickrに飛べます)

 スマホの合成された疑似再現ではない、このカメラならではの光学的な「玉ボケ」。

 夜に東京駅をお散歩。これは丸の内北口天井。露出とハイライトとクロップを少し変更したのみ。高い解像感。

 本機の特性としてフレア、ゴーストが多い点があります。その機材の味であり、Leicaとしても残しているのでしょうし、写真に上手く活かせるよう工夫するか、さもなくばハレ切りしましょう。

 こうした光学特性に加えて、オートは逆光などHDRを効かせるべき場面に弱い印象なので、本機は逆光耐性は高くないと言えます。また、スマホの厚みに収めきるための特殊なレンズ構造ゆえ周辺が流れます。

 本領発揮が夜景。

 何も考えずにオートで夜景判定でも、ナイトモードでも、コンピューティショナルフォトグラフィーを駆使した今風の夜景が綺麗に撮れます。難しい設定や機材は一切必要ありません。他社ハイエンドと比べても優れた結果を残します。

 どれだけ雨が降ってようが水たまりに手を置こうが安心して撮影できます。ここは1型センサーであっても沈胴式に妥協せず、スマホの厚みに収めて防水防塵に対応したAQUOS R6ならではです。

 高い現像耐性。Lightroom Mobileを用いると非常に面白い。

 こちらは東京駅をマニュアル撮影してゴリゴリにRAW現像したもの。これは弄っていて楽しい!「変態レンズで1型センサーをスマホの厚みに収めきったAQUOS R6ならでは」を主眼としており、三脚やNDフィルターなし。

 撮影、現像、クラウド/SNSにアップロードをAQUOS R6で完結できます。マジ楽しい。しかし本体設定の画面画質を「おすすめ」にしているとアプリ間で異なる色となり一貫性がないので、この自動設定をオフにして標準かナチュラルに変更する必要があります。

 写真サイズは、これまでAQUOSはデフォルトで16:9という特殊な比率でした。これは縦長のスマホが前提になっているSNS利用の増加を念頭に置いたため。しかし今回はカメラセンサーの3:2に変更。完全に写真を撮るカメラとして振り切ってきました。細かい部分にも今回の製品コンセプトが反映されています。

 グリッドガイドも色々選べて面白い。

 モノクロを使う場合はマニュアルモードの「色合い」を0に。

 UI全体として、独特すぎるAQUOSのカメラUIを大きく今風に直しはしたものの、まだまだAQUOS色が抜けきっておらず改善の余地がある印象。マニュアルモードのUIも野暮ったいので、せっかくLeicaと提携した以上ここもさらに変えていいと思います。

 おそらく本機をデジカメ的に活用するユーザーは、一眼で全画角を担う本機の特性を理解しており、超広角19mm相当を中心に用いるのではないかと思いますが、本機のデフォルト設定は24mm。超広角モードに遷移しようとすると、まず先に望遠モードに遷移することになります。オート・マニュアルなどカメラモードを切り替えるたびに、いちいちこの望遠を挟んで余計な2タップが必要であるため、ストレスが溜まります。各モードデフォルト画角を19mmか24mmのどちらか、設定で選べるようにすべきだと思います。(画角アイコンを押しながら上フリックという、倍率変更モードを用いた『ほぼ一発』変更なら片手で一応でき、そして両手を用いていいならピンチアウトでも)

 気になったのは少し遅めで賢くないAF。被写界深度の浅さに加えて、ToFセンサーを過信しているためか、赤外光の反射が失敗するシチュエーションにはいまいち機能せず、またガラスに反射したりすると一向にピントが合わないことになります。

2021年9月13日18時05分追記:最新ファームでガラス越しの撮影時にAFが全く合わない事象に改善が入っていることを確認しました。

 写真保存時間の長さを考えても、動体を追うには向きません。処理をバックグラウンドに回して次の動作への時間を短くする工夫が求められるでしょう。

(やや遅く精度の高くないAFでピンぼけ。もっと確実に高速合焦して欲しい)

 静止画に関してはマニュアルでフォーカス調節する手があるものの、動画ではオートにもマニュアルモードにもフォーカス調節がないためどうしようもありません。また、現時点ではちらつき防止があまり機能していない上に動画マニュアルモードにシャッタースピードがないため、蛍光灯のフリッカーを抑える手段が動画にはなかったり、これまでAQUOSのマニュアルモードで優れていたハイライトとシャドウのゼブラ表示は設定項目内には存在するにも関わらず動作していないなど、やはりまだ発売直後の初期ファームウェアだなという印象。7月以降のアップデートでの改善に期待します。

 長所は歪みも少なく広いダイナミックレンジで高い解像感、疑似再現ではないボケ、そこそこは使えるオートと自然な発色、優れた夜景、ポテンシャルを引き出せるマニュアル、そしてRAW現像からアップロードまで完結できる最新最上位SoCと5G通信を備えた、ポケットに入るスマホサイズの防水防塵端末であるということ。

 短所はAF、不向きな動体撮影、逆光耐性、流れる周辺、要改善のUI等ソフトウェア、光学特性等を把握した上での使いこなしを多少なりとも要するということ。

 同じ夏モデルの好敵手である、全レンズでZeissコーティング/超高速AFや連写まで可能なSony Xperia 1 III。正直スマホでそこまで被写体を確実に捉えることは過剰ではないか?と少し思う部分はあったものの、1型センサーで圧倒的な解像感や描写力を持ったAQUOS R6の短所として挙げた部分において、ことごとく強みを持つXperia 1 IIIの特徴を再認識することになりました。

 あくまでXperiaシリーズはSonyのカメララインナップの中でも、カメラマンが補助的に持つ機動力のあるサブカメラとしての位置付けも帯びたことで、諸機能はその存在意義を補強するものであることが確認できたと言えるでしょう。

 ではXperiaのカメラは実用性を追究して、そればかりで面白いのか?いや、あえて1型センサーを詰め込んで、長所と短所のはっきりした非常に個性的な機種を出してきたAQUOS R6の挑戦は率直に讃えたいところ。比較指標になりがちな夜景はとにかくダメで比較対象にすらならなかったハイエンド最底辺の画質のAQUOSのカメラが、大きく底上げされて部分的に他社を超えてきたのは大きな飛躍。

 ソフトウェアに改善していくべき課題はまだまだあるものの、スマホ用のカメラセンサーとは毛色の違う、扱いの難しい専用機向けの1型センサーを搭載し、特殊なレンズまで作ってきた初号機としてハードウェアはよくできていると思います。クセの強さも含めて、使っていて本当に楽しい。

続報:シャープ、早速AQUOS R6にアプデ。課題のHDRとAFに改善

 今夏のハイエンドは、Sonyの技術を注ぎ込みカメラマンがサブ機として選択できる実用Xperia 1 III、そしてSHARPの新しい挑戦として高画質とロマンの詰まったAQUOS R6、通好みの双璧があり、どちらを選ぶべきか悩ましいところです。

 どんな時も確実に捉える高打率ならXperia 1 III、最高の一瞬を切り取るために考えるカメラ的な楽しみを手にしたいならAQUOS R6だと思います。

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