ゲーミング機器を取り扱うRazerから、ついに超ハイテクなゲーミングマスクの「Razer Zephyr」を海外にて販売開始しましたが、即日完売したようです。
Razer Zephyrはもともと今年1月のCES 2021にて「Project Hazel」として発表されたマスクの市販モデル。その外観の独特さなどが話題となり、今年6月から事前予約を開始していましたが、ようやく正式発表された形です。
Razer Zyphyrは左右のファンの外縁が1677万色に光るほか、マスクの中央部分が半透明で口元が見えるようになっているうえ、口元に向かって光が照射されることによってどのような場所でも表情を確認しやすくなっています。
左右のLEDはBluetooth LEにてスマホと接続し、専用アプリからカスタマイズが可能です。内側には防曇加工が施されるうえに防曇スプレーも付属しています。
本体重量は206gとやはり重めであり、そのためマスクひもは耳の上を通るのと首の上部にかかる2本が用意され、さらに糸が食い込まないようにするためか専用のアタッチメントが同梱されているとのこと。なお、「Project Hazel」ではアンプが内蔵され、使用者の声を聞き取りやすくできるとされてきましたが、コスト面を考慮し搭載されなかったようです。
非常にインパクトのある見た目ではあるものの、肝心のマスクとしての性能がないかといえばそうではないようで、0.1~0.3μmの微粒子を95%以上除去できる「N95」相当の性能を誇るといいます。
N95はその性能がゆえに呼吸を妨げやすく去年には中国でN95マスクを着用し体育の授業を受けた生徒が死亡するなど痛々しい事件もありましたが、Razer Zephyrは左右に大きな吸気ファンを配置。吸気ファンの部分にはもちろん、顎のあたりに配置された排気口にもフィルターを装着することができ、かなり本格的な仕上がりとなっているようです。ファンは速度の調整が可能、低速モードでは最大8時間バッテリーが持つとのこと。
なおファンを回さなくとも呼吸は可能ですが、先述のようなことが起きないようにくれぐれも留意する必要がありそうです。
これさえあれば30~40μmのスギ花粉やその名の通り2.5μmのPM2.5などにも完璧に対応できそうなものではありますが、あくまで医療用としての使途は想定しておらず、「ウェアラブル空気清浄機」としています。これはコロナウイルス等に罹患してもメーカー側は責任を取らないという予防線でもありそうなところ。
Razer Zephyrの価格は99ドル。最大3日利用可能なフィルターが10枚付属しています。フィルター単体では10枚セットが29.99ドルとかなり高く感じますが、N95相当の実力を持ち合計30日使えることを考慮すれば価格相応といったところでしょうか。
筆者自身は日の目を見ることがない陰キャオタクであり、自ら口元を誇張するなんて大それたことはできないためどうやってもRazer Zephyrに魅力は感じませんが、非常に強いインパクトを持つこの製品が話題を呼びファン付きN95マスクが普及すればコロナも多少はマシになるのではないかとは思います。