2021年10月21日、「全国フェミニスト議員連盟宛 抗議と公開質問状」事務局は、参議院議員会館にて記者会見を開き、全国フェミニスト議員連盟の正式回答と対話を改めて求めました。
ことの発端は、千葉県松戸市のご当地VTuber「戸定梨香(とじょうりんか)」が出演する千葉県警交通安全啓発動画に対して、全国フェミニスト議員連盟名義による抗議が行われ、県警が動画を削除。
9月12日、おぎの稔大田区議会議員を始めとする有志らが、全国フェミニスト議員連盟に抗議兼公開質問状を送付。
署名には7万弱の賛同署名が集まるなか、肝心のフェミ議連はこれに対する公式回答を避け続けている状況。今回の記者会見へと至ります。
会見には賛同者有志代表おぎの稔議員と、VTuber 戸定梨香所属事務所である「株式会社 Art Stone Entertainment」の代表者である板倉節子氏が登壇しました。
議連側は当初、戸定梨香のセーラー服風の衣服や短い丈、高い露出度や揺れる胸を問題視。性的対象物として描写しており、女児を性的対象とするようなアニメキャラクターを公共機関である警察が採用することはあってはならないと抗議し、削除と使用中止、謝罪を警察に要求していました。後に「認識を問うただけ」などと釈明していますが、これは間違いだとおぎの議員は指摘します。
これについて板倉氏は、VTuberというのは演者がなりたい格好を表現しているに過ぎず、性的なものとして作ったつもりはないと議連側の主張を一蹴。
おぎの稔議員は、VTuberは外見こそアニメキャラに見えるとしてもタレントに近い存在と形容。採用背景には戸定梨香のご当地活動の実績があり、性的役割で選ばれたというのは勘違いであるとした上で、スポーツ選手を選んだとしてもそこに「皆スポーツをしろ」という意図はなく、選んだことが即ち行政の見解にもならないと指摘しました。
いったい何が性的で何が性的でないのか。おぎの稔議員は、厚労省が性感染症の啓発に美少女戦士セーラームーンを用いているなどの例を挙げ、文脈や描かれ方といった複雑な要素があるとした上で、また単純に肌の露出度で見るならば相撲の力士等も駄目だという話にもなりかねず、判断基準は乏しく議論の余地があるとし、そういった問題こそ「全国」の議員連盟でいきなり強く抗議をするのではなく、まず個別に議論や、本件で言えば戸定梨香側への対話をまず行うべきだったとの見解を示しました。
全国フェミニスト議員連盟の共同代表増田薫議員は松戸市議会議員であり、本来なら対話は可能であったと思われます。しかし今に至るまで電話は通じず、松戸市議会の議員を通じて対話を呼びかけているものの、正式回答についてはことごとく無視されている状況だといいます。
板倉氏によれば、一連の騒動での戸定梨香への影響として、複数の活動ができなくなり、開催できなくなったイベントもあり、本人は強いショックを受けているとのこと。性的存在だと言われ活動に不安も募る中、多くの人に迷惑をかけたことで戸定梨香が泣いてしまう場面もあったとし、到底「削除して終わり」では納得できず、是非回答するよう議連側に再三求めました。
ただ最近では全国から応援の声のほか、松戸にあるバイクや車関係のショップからパネルを置いて交通安全啓発ができないかと問い合わせをもらっているそうです。
また、名誉回復のためにクラウドファンディングを実施し、公共バスに戸定梨香の写った広告でラッピングして半年間松戸市内を走らせることを企画、支援者へのリターンとしては松戸の名産品を用意したいと今後の展望を話しました。
本来秋冬の企画用に制作済みだったものの、騒動により公開見送りとなってしまっている警察衣装も初披露されました。
板倉氏によると、千葉県警側から事態が落ち着いたら改めて連絡すると伝えられていたものの、現在も状況は変わっていないとのこと。これについておぎの、板倉両氏は一定の回答もないので動きにくいのだろうと推察しました。
おぎの稔議員は、炎上で傷つけられて終わりにはさせたくない、活動再開していく形を作っていきたいとし、全国各地のご当地VTuberとのコラボなど今後の様々な活動も示唆。
出席していたオタク議員集会の鈴木けんぽう渋谷区議員は、アバターを使った活動は人の可能性を広げる、VTuberが人の夢を叶える手段になってほしいとエールを送りました。