Appleの中国国内におけるスマートフォンシェアが、他の中国企業を抑え第一位になったことが、市場調査会社のCounterpoint Researchによる調査でわかりました。
Counterpoint Researchの調査結果によりますと、Appleは2021年10月に、中国国内で約22%のシェアを獲得。先月比46%という驚異的な成長率で、これまで第1位だったVivoに2%の差をつけ、シェアトップに躍り出ました。Appleが中国国内でシェア1位を獲得するのは、2015年12月以来で、約6年ぶりのシェア1位となります。
同社が公開したグラフからは、これらの要因がうかがえます。何よりも影響が大きいのは、Huaweiの失速。2019年5月にアメリカからの禁輸措置が発効すると、一時期は自国のデバイスを購入したいという感情が高まり、中国国内でのシェアを広げました。しかし。部品の不足などにより、デバイスの安定した製造が困難に。その結果、急激にシェアを落とす結果となりました。乗り換えを決意したHuaweiユーザーの受け皿が、iPhoneになったようです。
また、9月に新しいiPhone 13シリーズが発表されたことも、これらの要因の一つと考えられます。
Conunterpoint ResearchのTarun Pathak氏は、中国でのiPhoneの供給不足に触れ、「iPhone 13 Proの不足がなければ、Appleはもっと利益を上げることができただろう」と述べています。実際、世界的な半導体不足などの影響により、iPhone 13シリーズは品薄状態。中国では、購入に最低でも4、5週間はかかるようです。
また同氏は、中国のユーザー思考の変化にも注目。品不足でもよりハイエンドで利益率が高いスマートフォンを求めるユーザーが増えており、Appleにとって好都合な傾向にあるとの見解を示しています。
各社が接戦を繰り広げている、中国のスマートフォン市場。このままAppleがさらに躍進し、日本のようなApple一強時代に突入するのか。それともVivoやOPPOといったAndroid勢が再びシェアを取り戻すのか。今後の動向に注目が高まります。