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ちょっとダメで可愛い。「80万円」の中判カメラ「Hasselblad X1D II 50C」レビュー

 Hasselblad X1D II 50Cを買いました。レンズとセットで80万円を超える本機は、ハイスペックなデジタルカメラに採用されているフルサイズの倍近いセンサーを持つ中判ミラーレスです。

 見た目からして「なんか違うぞ……!」感のある本機を買って半年使ってみました。

”次世代”のカメラ

 45mm F4のレンズ(XCD 4/45P)を付けた本機は「中判のコンデジ」という感触で、この身軽さが何よりもの特徴です。中判センサーの破格のダイナミックレンジと画質をこの小ささで扱えます。16bit RAWを吐き出す中判センサーの実力は確か。

 何より気に入っているのが背面モニターです。恐らく現行で販売されているデジタルカメラの中で最も大きい。高画質な写真がデカい液晶にドカンと出てくるので撮影が楽しくなります。

 しかもタッチ対応でサクサク。タッチパネルを搭載したカメラは既に多いですが、ここまでスマホライクな自然な触り心地に達しているものはまだ少ないです。

 Hasselbladを買収したDJIが開発に携わっているという噂もあります。なかなか次世代感のある仕上がり。というか、本機を触るとモニターの大きさとタッチパネルの仕上がり「だけで」、撮った写真が良く見えたり、随分カメラに親しみやすくなります。ここは国内メーカーも真似して欲しいです。こういう勝手ってスマホでは当たり前ですよね。

らいち㌠ ™

例えばSONY αシリーズではバッテリー消費や発熱を抑える目的で、標準でプレビューの画質を抑えているといいますし、難しいところなんでしょうね。

 グリップも大きく、小さいボディのわりに持ちやすいのも気に入っています。撮影を終えた後の手首から先の疲れが明らかに少ないです。ストラップにはARTISAN&ARTIST*のACAM-100Aをチョイス。伸縮可能でありながら、本機の雰囲気を損ねないシンプルさがお気に入り。

 カメラって画質と引き換えに大きい・重くなるイメージですが、フルサイズを超える大きさのセンサーを持ちながら、カバンに収まるサイズ感です。重さは競合の中判機の半分程度、フルサイズ機α7 IVと同等。XCD 4/45Pの組み合わせは「デカいSONY RX1」って感じで気に入っています。

あくまで尖ったカメラ。欠点もちらほら

 しかし、気になる点も沢山あるカメラです。まずAFがメチャ遅い。コントラストAFのみなので、暗い被写体にはなかなか合焦しません。

 動画も2.7K/29.97pまで。それから、カスタムイメージやフィルターといった機能もないので、カメラだけで写真を好みの仕上げにすることができません。僕は全てRAW現像するので困っていませんが、せめてモノクロモードくらいあればいいのに。

 あとは発熱がすごい。夏場は10分ほど使うと故障を心配するレベルで発熱します。ASCIIさんによれば「アルミ削り出しのボディー全体をヒートシンク代わりに排熱をする設計」らしく、動作に支障はないそうなのですが、そうはいっても不安になりますね。(冬を迎える今でも撮影が長引けば温かくなる)

 高画質をコンパクトに持ち出すことに特化したカメラとして、現代のカメラ機では当たり前の機能や使い勝手が難しいという点では、使い手を選ぶカメラと言えます。良くも悪くも「外国産のカメラだなあ」と感じるところ。

欠点が目立つものの、それを上回る魅力がある

 中判センサーの高画質をコンパクトに持ち出せて、撮ってすぐに大きいモニターで感動できる体験は他のカメラにはないものです。いいカメラとは、スペックの大小関係なく、撮影体験を楽しくするものだと思います。ちょっとダメなところも可愛いくて良いです。

らいち㌠ ™

2台目のカメラにオススメです!

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