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OPPOの海外戦略、鍵は「3つの現地化」!

 日本市場でもシェアを伸ばしている中国のスマートフォンメーカー、OPPO。既に50数カ国で展開し、2021年Q2の世界シェア率は10%で第4位。2019年以降、OPPOの販売台数は海外が中国国内を上回っており、「グローバルブランド」といっていいでしょう。

 OPPOがグローバル展開を開始したのは2009年、最初に手を付けたのは東南アジア市場でした。それから12年、「グローバルブランド・OPPO」は、どのようにして成長したのか。中国「哈佛商業評論」の記事を元にお伝えします。

世界各地の市場特性を把握

 例えば、東南アジア市場は実体店舗チャネルが成熟していて強い、インド市場は中国市場と似ていてECとギークの文化があり、ドイツの消費者は製品の技術力を重視し、英国の消費者はブランドの品格とサービス水準を重視する……これらはOPPOが海外進出する過程で蓄積した洞察だといいます。

 欧州、インド、東南アジア、北アフリカに「スキルセンター」を設置、現地の流行やニーズ動向を収集しているとのこと。2019年にはグローバルの枠組みを調整し、国内・海外市場の区分を廃止し、Glocal(Global+Local)戦略を採用、ブランドの国際化と、運営の現地化を進めているそうです。

 3大課題は、製品・営業販売・組織運営の現地化だといいます。

カメラ機能も市場に合わせてローカライズ

 製品面では、例えばカメラ機能でいえば、中国国内市場では自撮りニーズが強く、スマホメーカーもフロントカメラの強化を重視しているところ。一方、海外、とくに欧州市場では、皆で集まっているところや家族、スポーツなどのシーンでの撮影が多いといいます。

 そこで、OPPOは海外市場向けには背面カメラの私用体験を向上させることにしており、たとえばハード面では初の物理手ブレ補正機能付きレンズを搭載させたり、ソフト面ではシーンモードを充実させているのだとか。

 OPPO西欧エリア責任者・薛皓月は製品のローカライズについて、「製品(原文では「産品」)という二文字の背後には、一つの企業による現地市場と現地顧客のニーズへの深い洞察と、技術面の展開とを結合させた結果がある」と述べています。

スポーツ国際大会の協賛にも積極的

 営業面では、世界各地の市場特性、文化属性から営業販売の現地化を進めており、宣伝内容や媒体との設定などの面から改善を進め、現地消費者の意思決定プロセスと感情ニーズに合わせたアプローチを進めているといいます。

 例えば、OPPOはスポーツを通した営業を得意としており、4大テニス大会のうち、全仏オープンとウィンブルドン選手権、その他にもアフリカカップのスポンサーになっているそうです。

 現地化の最終点と位置づけているのが、組織運営の現地化です。

 対内的には、企業は現地化された人材チームの編成を必要とし、それによって、より現地化された経営的視点と思考回路を獲得しなければなりません。

 対外的には、企業活動には現地のサプライヤー、販売チャネルと緊密な協力関係を構築する必要があり、生産製造のループの中で、現地市場と利益の共有をしなければならないといいます。

 グローバル化の第二段階では、成熟した市場への参入の中で、伝統的な販売チャネルや通信キャリアの影響力が強く、他の国際的ブランドとの競争が熾烈なことから、市場にあわせてカスタマイズする必要がより高まったといいます。

欧州市場では「クアルコムのコネ」と「5G」を武器に

 欧州市場に参入したとき、OPPOはクアルコムを通して、現地の通信キャリアネットワークにすんなりと入っていくことができました。クアルコムは現地の基準や技術規範を熟知しており、こういった経験をOPPOに提供したのだといいます。

 これに続く商用5G端末の開発でも、両者は更に親密な協力をすることになります。今年4月、OPPOはボーダフォン、クアルコム、エリクソンと共同で初の5G SAネットワークをドイツで実現しました。こういった努力が実り、Counterpointが発表した2021年4月の欧州市場スマホシェアによると、OPPOは前年同期比314%の高成長を叩き出したとのこと。

 スイスではスイス電信と提携してOPPO Reno 5G 版を発売、欧州最初の5Gスマホとなりました。スイスの5Gスマホ市場では20%前後のシェアを獲得。

 2020年7月には、エリクソン、クアルコム、メディアテック等と提携して、ボーダフォン英国5G SAネットワークの案件に参加。

 OPPOはチップのサプライヤーや通信キャリアとうまく協力し、欧州市場に根を下ろしています。

まとめ

 グローバル展開には商品開発、営業販売、組織という3つの現地化が必要、という論旨の本記事ですが、市場ニーズ汲み取りの努力もさることながら、現地の販売網に如何に乗せるか、に大きな努力を払っていることが見て取れます。

 ところで、スマホカメラといえば、みんな自撮りするからフロントカメラが勝負というのは日本でもそういう使い方がされているので「常識」だと思っていましたが、東アジア市場の特性なんですね。

 国内メーカーから出ている1インチセンサーカメラ搭載モデル、欧州市場だと案外売れる……かも?

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