英国企業Planet Computersは、「Astro Slide 5G Transformer」の一般販売予約を開始しました。価格は£729、日本円で約11万3600円となっています。今から予約で3月22日以降発送予定。
クラウドファンディングサイトIndiegogoにて出資を募ってきた本製品。価格は、筆者出資時は536ユーロ(約7万円)、現在は573ユーロ(約7万5千円)。
Planet社はあの歴史的PDAメーカー英Psionの開発者も参加する企業。Psionの面影のあるGemini PDA、Cosmo Communicatorをリリース、そのシリーズ最新作となるのが物理スライドQWERTYを備えたAndroidスマートフォン「Astro Slide」です。Android 11に加えてLinuxも利用可能。
今作は「閉じたまま、縦画面」で利用可能。よりスマホライクに使えてしまいます。Androidアプリは縦画面を前提としたものが多く、強制的に横画面状態で使うユーティリティはあったものの、正直使いにくかったのが本音。これなら「横画面で使いにくいアプリは、縦で使おう」で済むので、これ一台ですべてを完結したい我々のような変態好事家も快適です。
ちなみにPlanetはIndiegogo出資者向けイベントを昨年東京都内で開催、CEOであるJanko Mrsic-Flogel氏が登壇。実機を披露していました。
独自のスライダーヒンジ構造でチルトアップ。PsionのDNAを継承したキーボード。Gemini PDAでは打鍵感がいまいちで取りこぼしも気になりましたが、代を重ね大きく改善されていると筆者は感じました。キーボードバックライドは自動輝度調節にも対応。閉じた状態ではスマホとして使え、開くとPDAに。マニアにはたまらない一台となっています。
Astro Slideのキーの配列は、良くも悪くもシリーズそのまま。筆者はIMEアプリを改造してapkにし、利用頻度の低いキーに日英切替やハイフンを割り当てるなどしていました。他のユーザーもキー割り当てを好き勝手に改造していたように思います。今作ではキー割り当てユーティリティもデフォルトで提供されてるので、その点の敷居は低くなりそうです。
画面は6.39型AMOLED(2340×1080)、カメラセンサーは4800万画素Sony製、Qi 無線充電対応、SoCはMediaTek Dimensity 800、実行メモリは8GB、ストレージは128GB。物理SIMスロットはnanoSIMカード×2+microSDカードスロット。3.5mmイヤホンジャックあり。
対応バンドは以下の通り。4GプラチナバンドB8/18/19や5G n77/n78/n79にも対応、国内四社MNOで利用できそうです。
Mobile Modem: Dual 5G + 4G Worldwide
Mobile Radio: 5G / 4G / 3G / 2G
5G NR: Band 1, 3, 28, 38, 41, 77, 78, 79
GSM: 850/900/1800/1900MHz
CDMA: 850/1900 MHz BC0 BC1+ EVDO
WCDMA FDD: Band 1, 2, 5, 6, 8
VoLTE: VoLTE, ViLTE, VoWiFi compatible
LTE FDD: Band 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 17, 18, 19, 20, 26, 38, 39, 40, 41, 66, 71 / TDD 34, 38, 39, 40, 41
WiFi: Wi-Fi 5 (2T2R) 802.11a/b/g/n/ac
USA: Tested on T-Mobile, AT&T and Verizon networks
なおPlanet製品利用者は日本25.6%、米国20.7%、英国12.2%。ドイツ9.8%、その他31.7%となっており、実は日本がトップ。
懸念点としては300gを超える重量でしょうか。筆者はGalaxy Z Fold3やUMPCで慣れているので、この手の変態端末なら喜んで我慢するつもりでいますが、普通の人は少し気に留めておいてもいいかもしれません。
コロナ禍と半導体不足で大きく遅延してしまった本機ですが、無事完成し一般販売まで告知されたのは喜ばしいところ。出資者への着弾や一般販売の発送開始が楽しみですね。