Lenovoは、モバイル技術の見本市であるMWC 2022にて新型ノートパソコンの「ThinkPad X13s」を発表しました。Qualcommが昨年末に発表した新型SoCを搭載している点が特徴です。
Thinkpad X13sはCPUに世界で初めてQualcommのSnapdragon 8 Gen 3を搭載。これまでも同社のPC向けSoCを搭載したWindowsデバイス自体はあったものの、性能の低さからほとんど普及していませんでした。Snapdragon 8 Gen 3は先代比でのCPUパフォーマンスが最大85%向上していることを謳っています。
既存のx86(32bit)やx64(64bit)アプリはエミュレータを介す必要があり、先代SoCを搭載したPCでこの機能の開発版を用いて計測したスコアは低いものとなっていました。しかし現在ではこの機能はWindows 11 on ARMに安定板として標準搭載されているほか、先述のCPUパフォーマンスの大幅向上などにより状況は改善しているものとみられます。
またThinkPad X13sはARM CPUを採用する大きなメリットであるキャリア通信や消費電力や発熱の低さも十分に発揮。ノートパソコンでは初めてミリ波(mmWave)での通信に対応。バッテリー駆動時間も49Whという標準的なバッテリーサイズからは想像しがたい49時間の駆動や最大28時間の動画再生に対応。
重量も1.06kgと比較的軽いものの、外装は一部をリサイクルマグネシウムを用いて製造。赤ポチ以外にもThinkPadをThinkPadたらしめる高い耐久性や堅牢性を持ち合わせて居そうです。
メモリは最大32GBまで、SSDは1TBまでをサポート。ポートはUSB 3.2 Gen 2が2基とnano SIMスロット、イヤホンジャックのみとかなりシンプルな構成。カメラは500万画素センサーを天板側と画面側にそれぞれ配置。オプションにて顔認証に対応できるIRセンサーも搭載可能。
ディスプレイは13.3インチのWUXGA(1920×1200)で、一般的な16:9のものより縦長。廉価モデルのIPS300nitに加えタッチ対応モデルと低消費電力・ブルーライトカットモデルの三種類が選択できます。
本体色はThunder Blackの一色のみで、2022年5月に1399ユーロで販売開始予定、また米国ではAT&TやVerizonといった事業者で使用可能になるとしています。日本市場での販売は未定とされています。
ThinkPad X13s | |
CPU | Snapdragon 8cx Gen 3 |
OS | Windows 11 Pro(最大) |
メモリー | ~32GB LPDDR4X |
画面 | 13.3インチ16:10 WUXGA IPS 300nit(タッチ対応/非対応) WUXGA IPS 400nit(タッチ非対応/低ブルーライト) |
カメラ | 500万画素(画面側) + IRセンサー(オプション) 500万画素(背面) |
バッテリー | 49.5時間(最大28時間のビデオ再生) |
セキュリティ | Qualcomm®セキュアプロセッシングユニット、Microsoft Pluton、dTPM、指紋リーダー、Windows Hello(IRカメラ)、カメラシャッター、Kensington Lock |
ポート | 2 x USB-C 3.2 Gen 2, Audio, SIM |
ワイヤレス | Qualcomm FastConnect 6900 Wi-Fi 6/6E Bluetooth 5.2 |
ワイヤレスWAN | Snapdragon X55 5G modem RF(オプション) 5G(ミリ波/Sub6) 対応 eSIM/NanoSIM |
色/素材 | リサイクルマグネシウムを用いたThunder Black |
寸法 | 298.7 x 206.4 x 13.4mm |
重さ | 1.06kg |