中国ネット高利貸し、インド・アフリカで大暴れ「実質年利365%」も すまほん!!

 インターネット決済が当たり前レベルで普及している中国では、送金と申し込みの気軽さから、個人消費金融もインターネットアプリに参入と言おうか、スマホメーカーや、ソフトウェアメーカーといった、IT企業がどんどん金融へ進出していきました。

 ところが2017年、高利貸し横行によって学生が自殺したりといった事件が相次いだため、ブチ切れた中国共産党によって次々と規制が課され、小額ローン市場は相当落ち着きました。

 中国国内で好き勝手出来なくなったIT高利貸したちは、東南アジア市場へ殺到するも、やはりその好き勝手ぶりにブチ切れたインドネシア政府に追い出され、次に狙ったのは……。

 シャオミも手を出している中国IT高利貸したちの活躍ぶりについて、中国「網易」掲載記事をもとにお伝えします。

銀行から借りれないインド貧困層には「金貸しアプリ」しか選択肢なし

 中国で小額ローンをしていたときは、高利率を隠すために各社「手数料」などの項目をつくったり、高利を付帯条件のなかへ隠すことに知恵を絞っていましたが、インドではこの必要すらないようです。

 インドの貧困層が借金するのはご飯を食べるためで、融資額のボリュームゾーンは日本円で1000円から2000円程度。

 インドの銀行が毎年発行する銀行カード数は、わずか総人口の3%程度で、4分の3のインド人は、クレジットカードの申し込みすらできず、クレジットカードがあったとしても、75%のユーザーは、銀行の融資資格を満たさないそうで、これこそが小額ローンアプリが唯一の選択肢となった理由。

 あのシャオミも、インドのこの市場を指をくわえてみているのはもったいないと思ったようで、ネットローンサービス「Mi Credit」をリリースしたばかりか、すべてのMIUI ブランドスマホにプリインストールし、テスト期間だけで2.8億ルピー(約4.5億円)を貸し付けたそうです。

 中国のセキュリティソフトやスマホのメーカー・360とゲームなどのIT企業・崑崙万維が共同出資した「摩比神奇」がインド最大手の小額ローン会社となっており、全盛期には一日の融資件数6万件、貸付範囲はアフリカ、東南アジア、南米にまで跨ります。

 ボストンコンサルティンググループの予測によると、インドのインターネットローン規模は2024年までに1兆ドルを超える見込み。

コロナ禍でインド高利貸し市場が壊滅

 中国のスマホメーカー、ソフトウェアメーカー、ゲームメーカーが次々と押し寄せ「IT高利貸し」と化したインドの小額ローン市場ですが、2020年のコロナ禍により、連鎖「爆発」が発生しました。

 まず「爆発」したのは、インド人民。コロナ禍後に増加した世界絶対貧困(国連基準、1日1ドル未満で生活)人口の60%はインド人、その数7500万人。

 続いて、中国IT高利貸しに誘爆。インド人が挙って失業したのでは、返済する人がいなくなります。ローン会社としては一部が焦げ付くのは普通のことで、300%の高利率でカバーしていました。ところが、半分近くが不良債権になったのでは話になりません。

 アプリ権限を利用して収集したユーザー個人情報をもとに、債務者に鬼電はもちろん暴力にも訴えて猛烈に追い込みをかけます。

 ここで、インド政府も爆発。追い込みをかけられた債務者の自殺事件が相次ぎ、高利貸しを一網打尽、「絞め殺す」ことにしました。

 インドの小額ローンアプリは60-70%が中国企業の運営ですが、合法非合法を問わず、片っ端から中国企業に手入れをし、利息制限、営業許可制度の導入(なかったんかい)などの監督制度を導入し、IT高利貸したちの時代は終わりを告げました。

中国IT高利貸し、アフリカへ進出

 東南アジア、インドを失ったIT高利貸したちは、次の大陸へと飛びだちました。イナゴよりもタチが悪いですね。ブラジル、メキシコ、いずれも次の目標ですが、インターネット普及率33%以下のアフリカ大陸までIT高利貸したちは到達。

 中国金融IT企業たちは、オンライン決済システム技術をアフリカにもたらすのと同時に、ちゃっかり小額ローンも持ち込みました。

 例えば、崑崙万維。アフリカ市場シェア第2位のブラウザアプリ、Operaをもっています。Opera傘下のOPayは、ナイジェリア最大のオンライン決済業者で、現地人のオンライン決済は、基本的にみんなOPayを使っているとのこと。

 OPayのオンライン決済シェアを下地に、 Operaは国ごとにローンアプリを開発。ナイジェリアではOPay、インドではCashBean、ナイジェリアとケニアではOKash、ケニアではOPesaといった具合。

 2019 年、 Operaの個人ローン事業は1.28373億ドルの収入となり、Operaの重要な収入源となりましたが、利率があまりにも高いため、投資調査会社の目に留まりました。Hindenburg Researchによると、Operaは最高年利24%と謡っていますが、同社の調査では実質年利365%になるといいます(もはや不法原因給付レベルで潔いですね)。

 現状、ナイジェリア政府はこういったIT高利貸、もとい金融IT企業の誘致に力を入れており、今後現地の銀行の地位をある程度奪っていくとみられますが、そのあとどうなるかは、容易に想像がつくところ。焼畑農業ですね。

総評

 中国IT企業が、アプリやブラウザ、さらにはスマホへのアプリインストールによって接点をつくり、個人消費金融に進出し、さらには中国本国では規制が厳しくなったので発展途上国市場を食いらしているというのは、「さすが中国企業、金儲けのチャンスを絶対に逃さない」と、妙に感心してしまうところ。

 さらに、スマホやアプリを媒介にしているのも、中国らしいですね。

 サイバーパンク世界観でベニスの商人インスパイアをやるなら、ユダヤ人高利貸しのシャイロックポジションは中国人になりそうだなあと思いました。