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マジかよ。「Snapdragon 8+ Gen 1」、発熱問題「未解決」の可能性

 米Qualcommが発表した、最新のフラッグシップ端末向けSoC「Snapdragon 8+ Gen 1」に関して、Android Authorityがリファレンスデザイン端末の性能を検証し、その結果を公開しました。

 Android Authorityによると、同誌は、Qualcommが5月に開催した5Gサミットにて、実際に「Snapdragon 8+ Gen 1」が搭載された端末を体験したとのこと。特に、ASUSは同SoC搭載の検証端末をAndroid Authorityに貸与したようで、それらによって実証が行われた模様です。

 処理性能に関しては、Geekbench 5の測定結果において、シングルコア性能が6.4%、マルチコア性能が12.3%、先代のSnapdragon 8 Gen 1と比較して向上しています。ただ、PCMarkなど他ベンチマークアプリにおけるシステムパフォーマンスの測定結果は、それぞれ3%台の向上にとどまり、システム全体の処理速度向上はやや控えめであるようです。

 また、グラフィックス処理性能においても、3DMarkにおける測定結果は4.6%の向上にとどまっており、Qualcommが「Snapdragon 8+ Gen 1」において公表している10%の処理速度向上には及んでいません。

 

 また、Snapdragonの大きな課題の一つである、性能維持に関しても、3DMarkの実行3回目までは、先代モデル搭載機種と比較して高いスコアを獲得していますが、4回以降はひどい結果に。Galaxy S22 Ultraよりも低いスコアになる場合もあり、非常に残念な結果となっています。

 赤色のグラフで示されているのは、ASUSが独自に搭載している、SoCの性能を最大にまで高めるX-Modeを有効にした際の実行結果。黄色のグラフで示されているX-Modeオフ時と比較してかなり安定した性能を維持している一方、X-Modeオフ時に37度だった本体内部温度が、オン時には50度にまで急上昇したとのこと。また、バッテリー消費に関しても、X-Modeオフ時は8%の消費だったのに対して、X-Modeオン時には15%消費したようです。

 

 Android Authorityは、これらの結果を受け、「Snapdragon 8+ Gen 1においても、パフォーマンスの維持は問題のままであり、解決されていない」と位置付けています。

 さらに、クロック周波数を上げたことは、「火に燃料を投下」するようなものであり、発熱問題をさらに悪化させている可能性があるとのこと。製造をSamsungからTSMCの4nmプロセスに変更したものの、Snapdragon 8 Gen 1における多くの問題が解決されたとは言えないようです。

 最終的な見解としては、Snapdragon 8+ Gen 1では「多くの端末がSoCの性能を最大限に引き出すことは難しい」上に、「エネルギー効率の向上が得られるとは考えにくい」とのことで、発表時に期待されていた程の性能向上は見込めない模様。

 製造元の変更により、発熱や電力消費の問題が解決されると期待されていましたが、今回の実証では、期待はずれの結果となりました。今後、実際に同SoCが搭載された製品が続々と登場する予定ですが、課題の改善は大きく期待はしない方が良さそうです。

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