ソニーは、同社が展開するポータブルオーディオ端末ブランド「ウォークマン」の最新機種として、新たに「NW-A300」シリーズ(NW-A306/A307)、「NW-ZX700」シリーズ(NW-ZX707)を正式発表しました。1月27日に発売します。
ウォークマンにおいては、最上位モデルの「NW-WM1Z/WM1A」に続き、高価格帯のZXシリーズ、廉価帯のAシリーズといったモデルが展開されてきました。
今回発表された2機種でもその位置付けは維持され、「NW-ZX707」はハイエンドモデル、「NW-A300」シリーズはコンパクトモデルとして宣伝されています。
「NW-ZX707」は、本体上部に3.5mmのヘッドホンジャックと、4.4mmのバランス接続端子を備える点が大きな特徴。画面サイズも、先代のNW-ZX507の3.6インチと比較して、5インチとかなり大きくなっています。また、背面のロゴの存在感もさらに増しており、より高級感あふれるデザイン。
「NW-A300」シリーズは、表面だけを見ても先代との違いはわからないものの、背面を見ると、凹凸のアクセントが追加されていることがわかります。本体カラーは、グレー・ブルー・ブラックの3色から選択可能。
「NW-ZX707」においては、「従来のZXシリーズを枠を超えた高音質」とされており、最上位WM1シリーズと同様の「FTCAP3」といったコンデンサーや大型コイルなど、厳選された部品を採用し、高音質技術を惜しみなく注ぎ込んでいます。
また、フルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載しており、DSD 最大11.2MHzネイティブおよび最大384KHz/32bitのリニアPCMによるハイレゾ音源再生にも対応。
「NW-A300」シリーズにおいても、上位機種で使用されている、金を添加した高音質はんだやヘッドホンジャックだけでなく、ZXシリーズで使用されている抵抗値を削減したバッテリーをAシリーズ史上初めて搭載。ボーカルや楽器音の透明度が増したとのこと。AIによる音源のアップスケーリング機能である「DSEE Ultimate」との組み合わせにより、各種ストリーミングサービスの音楽も高音質で楽しむことができます。
本体の内部に関しては、引き続きOSにAndroid 12を採用。外部接続端子もWM-PORTではなくUSB Type-Cとなっています。バッテリー容量は公表されていないものの、公表値では、純正音楽再生アプリ「W.ミュージック」使用時に、「NW-ZX707」は最大25時間、「NW-A300」シリーズは36時間再生が可能とのこと。
連続使用時間のほかに期待すべきは、待機中の電力です。
昨今のAndroidウォークマンはまったく省電力でない組込機器用SoCを採用しており、待機中の異常な電池消費量により、まともに使えたものではありませんでしたが、今回は両者QualcommのSoCを採用しているようで、大きな改善が見込まれます。既存利用者にとってはかなり重要な進化点だと思います。
TheWalkmanBlogが伝えるところによれば、NW-A300はQualcomm QCS2290、NW-ZX700はQualcomm QCS4290を搭載しているものと見られます。
なぜ、これまで異様なSoC選定を行っていたかといえば、通信モデムがノイズになり音質低下することを嫌ったことが主要因でしょう。通常のSnapdragonとは異なり、QCS2290やQCS4290は通信モデムを搭載しないため、採用に踏み切ったと考えられます。
みんな気になる「NW-ZX707」のSoC
改めて実際に撮影した「NW-ZX707」の内部画像を拡大してみたら、Qualcomm QCS4290 の刻印が確認できたので間違いかな!?NW-ZX707 | ポータブルオーディオプレーヤー WALKMAN ウォークマン | ソニー https://t.co/Lfaz1ZyafB pic.twitter.com/NRimljHIKW
— 君国泰将 (@kunkoku) January 11, 2023
「NW-A306」と「NW-A307」の違いは内蔵ストレージ容量であり、それぞれ前者は32GB、後者は64GBとなっています。また、「NW-ZX707」の内蔵ストレージは64GBであり、両端末ともにAndroidのシステムファイル等の関係上、実際にユーザーが使用できる容量は異なります。引き続きmicroSDカードによる容量の拡張にも対応するので、この点は特に問題なさそうです。
「NW-ZX707」および「NW-ZX300」シリーズは、2023年1月27日に発売を予定しており、現在予約販売中となっています。ソニーストアにおける販売価格は、「NW-ZX707」が10万4500円、「NW-A306(32GB)」が4万6200円、「NW-A307(64GB)」が5万7200円からとなっています。
それぞれ先代機種との細かい比較に関しては、ソニー認定ストアの森川デンキさんが、実機を用いてわかりやすく解説されています。
NW-ZX707 | NW-A306/307 | |
---|---|---|
OS | Android 12 | |
SoC | Qualcomm製 | |
メモリ | 不明 | |
容量 | 64GB | 64/32GB |
画面 | 5型 (1280×720) | 3.6型 (1280×720) |
電池 | 非公表 | |
寸法 | 72.0 × 131.5 × 16.9mm, 227g | 55.7 × 98.2 × 11.8mm, 113g |
その他 | microSDカード対応 |
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(編集協力: 會原)