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「1円スマホは独禁法違反の不当廉売」「コロナ禍は影響なし」?MVNO幹部語る

 MVNOと携帯市場はこの1年間、どう変化したのか?そしてマスク任意の徹底化と5類移行で終了したコロナ禍は、MVNOに影響を与えていたのか?

 イオンモバイルとmineo、NUROモバイルの「顔」3名が揃って登壇し、業界を俯瞰した「第8回MVNO勉強会(MMD研究所主催、2023年4月6日開催)」をもとにレポートします。

最新市場シェア。MVNOは9.7%だが、「格安SIM」は42.7%!?

 まずMMD研究所による最新データから。MVNOをメイン回線で利用しているのは、全体のわずか9.7%に留まります。

povoが多いのは楽天モバイル0円廃止後の受け皿?MVNOシェア首位はOCNモバイルONE

 「0円」で伸びてきた楽天モバイルは、0円廃止後に落ち着きを見せ、この1年間、4キャリアが占めるシェアはほぼ横ばい。

 大手三社はメインブランド契約者が減少するも、廉価プランやサブブランドの増加が支え、全体として契約者はほぼ変わらない数値に。

 MVNOだけで見れば9.7%に過ぎないところですが、サブブランドや楽天モバイル、廉価プランもあわせた「格安データ通信サービス」のシェアを見ると、実は4割にも達します。3キャリアメインブランドは6割を切る状況。後述するように、これはMVNOにとって好機にもなりえます。

MVNO座談会

登壇者はイオンモバイル・mineo・ニューロモバイルから

 MVNO各社の幹部が揃って登壇、ディスカッションを繰り広げました。

左からイオンリテール株式会社イオンモバイル事業部 商品グループマネージャー 井原龍二氏、株式会社オプテージ(mineo)モバイル事業戦略部長 福留康和氏、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社(NUROモバイル)MVNO事業室 セールス&マーケティング課 課長 田中直樹氏

イオンモバイル。一言で表すと「商人が作った通信サービス」。値下げの際には全員値下げ、イオン客層を実店舗活かしてサポート。通信速度は大手に劣るが、最初からそう説明することでクレームもないとのこと

mineo。ファンとともに作る共創戦略で新サービス開発、助け合いのユーザーコミュニティ マイネ王、アンバサダー制度など独特の試みで独自の地位を築く

NUROモバイル。ソニーグループAI技術で未来通信量を予測し帯域利用を効率化、アップロード通信量ノーカウントのあげ放題など独自性追究。ソニー好きが選ぶのでXperiaの販売比率も高いのだとか

1年を振り返って。コロナ影響は?

 まず1年を振り返って、MVNO業界や利用者の変化の印象はどうなのか?

 mineo福留康和氏は「2021年春以降、サブブランドやMVNO各社が新料金プランを発表したことで、利用者が自身のライフスタイルに合った形で最適な料金プランを選べるようになった。それから政府がキャリアメール持ち運びや解約金撤廃、SIMロック禁止など乗り換え円滑化を実施したこと、さらに物価高騰による節約志向の高まりも相まって、事業者感の乗り換えや料金プラン見直しが活発化した」との認識。

株式会社オプテージ(mineo)モバイル事業戦略部長 福留康和氏

 イオンモバイル井原龍二氏は「利用者層の変化自体はあまり無く、今までMVNOを使っていた人が使っている、キャズムは超えていない」とし、この1年でMNO利用者がMVNOにまだ動いていないとの認識。

 しかしながら自身が店頭に立った時に利用者の声を聞いていると、アハモやLINEMOなど大手の廉価プラン利用者が増えたとの実感も。大手の廉価プランに乗り換えたMNO利用者にとって、MVNOへの移行の敷居は低くなるため、今後の動きに期待しました。

 NUROモバイル田中直樹氏は、流動性で厳しい局面があったことを認めつつも、コロナ禍の外出制限機会減少で、人々の生活がオンライン上に向かっていた時期で、購買や契約の心理的障壁が低下、Webサイトを見て加入する人が増加しており、コロナ禍に「追い風」の面もあったとの見方。

 他社も同様の認識なのか?これについては両者は否定的見解。mineoは元々Web獲得が9割でコロナ禍でも変わらず

 イオンモバイルは店舗獲得9割・Web獲得1割だったのが、コロナ禍ではWeb獲得2割になる変動はあったものの、この要因はコロナではなく、Webサイト改修が効いたためと自己分析。

 ちなみにMNOなどのサービスも取り扱うイオンモバイルでは、コロナもあって光回線やドコモのhome 5Gは伸びていたとのこと。

これから業界はどう変わる?

 これから業界はどう変化していくのか?

 mineoはコモディティ化、激しい価格競争といった厳しい市場環境の継続を予測。価格や機能といったベースの価値だけではなく、他社にはない独自サービスをどう追求するかがMVNO各社にとって重要になると語りました。

 NUROモバイルは、コロナ終了で社会生活が戻り、5Gに見合うコンテンツのリッチ化でスマホの使い方が新しい段階に到達するのではとの見方。それに合った、単なる通信手段に留まらない自由度の高いMVNOのサービス、利用者需要に適合したものを展開していきたいとしました。

 イオンモバイルは「アダプター層(流行に敏感な初期採用層)で伸びてきたのを超えられていない。安さという欲求をクリアできずにMNOに留まっている利用者は、抑圧や面倒が主要因。たとえば『ドコモからMVNO』では障壁が大きいが、その間にアハモを挟むだけで全然次に見える景色が違う」との見解を披露。電話番号やキャリアメールが持ち運べることを知り、MNOのように面倒な手続きではないことを一旦経験することで、そこから伸びてくるとの見方を示しました。

 ちなみに質疑応答で「キャリアのオンラインプランも登場し、消費者のオンラインに対する苦手意識は克服されると思うか」との質問に対し、mineoは「契約は9割Web、特段変化なし」、イオンは「60代・70代もオンラインでの買い物に慣れてきた」、NUROモバイルは「オンラインは安いとの意識が市場に根付きつつあり、オンラインプランで障壁も下がってきた」との回答。

auとソフトバンクが相互に副回線、MVNOはどう見る?

 MVNOに大きく利用者が乗り換えようとしたのは、最近では楽天モバイルの0円廃止や、auの通信障害でした。障害を受けて、auとソフトバンクが相互に副回線を提供する動きも。こうした動きに、各社はどう感じ、どう対抗するのか?

 mineoでは、実際に通信障害や災害に備えてサブ回線をmineoを契約する顧客が増えていて、実際利用者の3割は複数SIM利用だといいます。

 イオンモバイルは、二次卸なので実際のところはわからないとしつつ、土管屋的な動きというよりは事業戦略的な動きに見える一方、取り組み自体は良いものだと評価。

 ちなみにmineoとNUROモバイルでは三社回線、イオンモバイルはドコモとauの二社から選択が可能。実際に障害や災害時のバックアップ用途にも対応できます。

 NUROモバイルとしては、副回線サービスがMVNOにはどのように提供されるのか、それによっては、今後NUROモバイルが提供するeSIMとあわせてどんな展開ができるのか興味深いとしました。

1円スマホは不当廉売

 総務省や公正取引委員会で議論されている過度な安売り、所謂「1円スマホ」。

 これについてイオンモバイル井原氏は「独占禁止法の不当廉売に当たる」との認識。これは現在、通信と端末が分離されたため。

 長らくMNO三社の時代には1円で売っても、同じサービスを同じように提供できるため、原価割れしたとしても他事業者に影響をおよぼすことはなかったので不当廉売には該当しませんでしたが、現在はMVNOやメーカー販売、小売業でも販売している状態なので該当するという理屈です。

 総務省所管の電気通信事業法ではなく、公正取引委員会の独占禁止法への抵触となってくるとこれまでとの話とは変わるため、MNOとしても気にせざるを得ず、期待している点とのこと。

一ヶ月以内にMNP転出する所謂「ホッピング」や転売屋。イオンモバイルによれば公取も動いて注目され被害急増、2月末調査結果で収まってきている

総評

 政府の乗り換え活性化や三社のオンラインプランが浸透し、これから好機の到来するMVNO。ここからの伸張に期待したいところです。

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