バッテリー持ち、Galaxy史上最高レベル。
2023年4月20日に、日本国内でも販売が開始された、Samsungの「Galaxy S23」シリーズ。今回は、Samsungよりau版「Galaxy S23 Ultra」256GBモデル・クリームを貸与していただきましたので、レビューします。
開封
本体の外箱は、Galaxy S21シリーズ以降と同様に薄型。Galaxy S22 Ultraなど過去の端末の外箱と比べると、かなりシンプルなデザインとなっています。
今回、特に注目すべきは、箱の右側面に刻まれている「Samsung」ロゴ。
日本以外の国で販売されているGalaxy端末は、本体背面や箱はもちろん、ブートロゴやアプリ名称などの多くに、社名である「Samsung」が使わている一方、日本では、2014年に発売されたGalaxy S5を最後に、社名を含まない「Galaxy」のみのブランド展開が行われていました。
同社は、2023年春から国内独自のブランディングを再びグローバル市場と統一することを発表しており、この影響を受け、au版「Galaxy S23 Ultra」にもSamsungロゴが表示されるようになってる点が大きな違いです。
本体背面はマット仕上げ。クリーム色ということもあってか、本体につく指紋が、筆者がメイン端末として利用しているGalaxy Z Flip3 5Gのファントムブラックより目立ちにくい点は非常に高評価です。
本体底面は、左からSペン、スピーカー、USB Type-C端子、SIMカードスロット。
FeliCaマークはかなり左寄り。本体にSペンを内蔵していたり、カメラがかなり大きいことも関係していそうですが、決済端末によってはタッチする際に少し工夫する必要があるかもしれません。iPhoneのように、端末上部に配置してくれるとありがたいのですが……。
その他の付属品は、Sペン、取扱説明書、SIM取り出しピン、USB Type-C to Cケーブルの4つのみ。Sペン用の交換芯は同梱されていません。
ちなみに、Galaxy S22 Ultraと「Galaxy S23 Ultra」のケースに互換性はありません。ディスプレイのエッジやマイクの位置、カメラの位置が若干変更されており、しっかりとフィットしないため注意が必要です。
バッテリー性能
これまでのGalaxyシリーズにおける共通の最重要課題である、バッテリー持ち。日本より先に発売された海外から高く評価する声が多く聞こえており、かなりの期待を寄せて端末の到着を待っていました。実際に使用してみて、体感できるくらい明らかにバッテリー持ちが良くなっています。
多くのGalaxy端末は、ユーザーの端末利用を分析するため、使用を始めた最初の1週間はバッテリー持ちが比較的悪くなる傾向があります。しかし、「Galaxy S23 Ultra」ではそれを全く感じません。
開封した翌日、充電を100%にした状態で一日使ってみましたが、「あれ?まだこんなにバッテリー残ってるの?」と思ってしまうくらいに減りません。
バッテリー容量が異なるため比較対象にはできないものの、Galaxy Z Fold4やGalaxy Z Flip3 5G、Galaxy S10など、筆者がこれまで利用した端末のいずれにも明らかに優っています。
ちなみに「Galaxy S23 Ultra」は、最大45Wの有線急速充電に対応。Galaxy Z Flip3 5G(最大15W)とは雲泥の違いで、表示される予測充電完了時間の短さにも驚かされました。
ただ、欲を言えば、急速充電の速度はもう少し頑張って欲しいところ。中華スマホメーカーは、自社のフラッグシップ端末で軒並み65W以上の急速充電に対応しています。特にiQOOは、スマートフォンとして世界初の200W急速充電にも対応し、4700mAhのバッテリーを約10分で充電するという驚きの速さ。iQOOまでとは言いませんが、もう少し早く充電できたらな、という意見は、Galaxy S24シリーズでぜひ反映してほしいと思います。
パフォーマンス
Galaxy S23シリーズには、この端末専用に最適化されたSnapdragon 8 Gen 2 for Galaxyを搭載しており、実行メモリはLPDDR5X、内蔵ストレージはUFS 4.0規格にそれぞれ準拠しています。
実際にGeekbenchを動かしてみた結果、シングルコアが1499、マルチコアが4286という結果に。弊誌ライターがGalaxy S22 Ultraで測定した結果と比較してみても、シングルコア・マルチコアともにスコアがかなり向上していることがわかります。
放熱性能の点では、ベンチマーク測定中に、本体の温度が熱いと感じる事はありませんでした。また、レーシングゲームのAsphalt 9: Legendsを試しに動かしてみましたが、本体はほんのり熱くなる程度で、以前の端末のように灼熱地獄になる事はありませんでした。強いて言えば、デザリングを行なっている際には端末が少し熱くなっていましたが、それでも歴代端末と比較すると確実に放熱性能が上がっています。
筆者が感じていたOneUIのダメなところとして、アプリのインストール速度があります。筆者が利用してきた歴代Galaxyは、Google Playストアでアプリをダウンロードしてから、インストールまでにびっくりするくらい時間がかかります。「Galaxy S23 Ultra」では、インストールが爆速になっていて、今まで感じていた煩わしさが一気に吹き飛びました。内側に秘めているポテンシャルが半端ないと思います。
爆速インストール
←Galaxy S23 Ultra
Galaxy Z Flip3 5G → pic.twitter.com/RC43jbOHEa— riku (@ikoiPlace) May 13, 2023
カメラ
「Galaxy S23 Ultra」のカメラは、2億画素のメインカメラ、視野角120度の超広角カメラ、光学3倍ズームの望遠カメラ、光学10倍ズームのペリスコープカメラの合計4眼で構成されています。
Galaxy S22 Ultraとの大きな違いとして挙げられるのは、メインカメラの画素数。Galaxy S22 Ultraでは1億800万画素であったのに対し、「Galaxy S23 Ultra」では2億画素のSamsung ISOCELL HP2センサーを搭載。2億もいるか?とも思う一方で、スマートフォンで撮影したとは思えない繊細な描写には驚きました。さらに、JPEGでさえ平均50MBを超えるファイルサイズの大きさにも驚かされました。
望遠カメラは、3倍望遠とペリスコープカメラ双方ともにGalaxy S22 Ultraと同じ、Sony IMX754を搭載しており、カメラ自体の性能は変わっていません。撮影された場所が異なるため単純比較はできないものの、弊誌の別ライターが撮影した画像と比べてみても、そこまで大きな変化は感じられませんでした。
ちなみに、夜間に等倍から100倍までを段階的に撮影した結果は以下のようになっています。
Galaxy S23 Ultra
1.0x 3.0x
10x 100x pic.twitter.com/LRLiLs0KFW— riku (@ikoiPlace) May 13, 2023
指紋認証
「Galaxy S23 Ultra」において、忘れがちであるもののかなり重要な進化の1つには、指紋認証の精度や速度向上があります。Samsungは、Galaxy S10シリーズから、生体認証として超音波式の画面内指紋認証を採用しています。ただし、Galaxy S10の画面内指紋認証はとても使えたものではなく、精度や認識速度の面で非常に劣っていました。
筆者はその後、電源ボタンに指紋認証センサーを搭載するGalaxy Z Flip3 5Gに乗り換えたため、しばらく画面内認証とは無縁の生活を送っていました。「Galaxy S23 Ultra」で久しぶりに画面内指紋認証を利用して、明らかに品質が向上していることを感じました。
少しセンサーからずれていてもしっかり反応しますし、認証速度もびっくりするほど早くなっていました。Galaxy S10に画面内指紋認証が搭載された当時は、ただの技術の誇示としか感じられませんでしたが、これだったらかなり便利だなという印象を受けます。
ちなみに、過去の端末のように、光のあたり具合によっては画面内の指紋認証センサーが見えることがあります。
Sペン
Sペンによる筆記も非常に滑らか。筆者は以前Galaxy Tab S6 Liteと純正のSペンを利用してノートをとる機会があり、遅延がかなり気になっていました。「Galaxy S23 Ultra」におけるSペンの遅延は約3msであり、実際に書いていても、追従が遅れていると感じることは全くありません。
Galaxy S23 Ultra
Sペンの反応速度 pic.twitter.com/Sbz62RWWKZ— riku (@ikoiPlace) May 13, 2023
そのほか、加速度センサーを用いたエアアクション機能にも引き続き対応。本体のボタンを押しながらペンを振ることで、指定された動作を遠隔で行うことができます。
なお「Galaxy S23 Ultra」に付属するSペン(EJ-PS918)は、この端末専用のものであり、端末とSペンをBluetooth接続することで利用できる機能は、Galaxy S22 Ultra等他の端末では利用不可。
総評
筆者は、同端末が発売前のリークされた情報に関する記事で、「Galaxy S23 Ultraはマイナーチェンジのように見えて期待はずれかもしれない」と書いていました。しかし、蓋を開けてみれば、デザインは変わらずとも、多くのGalaxyユーザーが求めていたバッテリー性能はおろか発熱問題も見事に解決。
実際に使用してみて、久しぶりに筆者が欲しいなと思った端末であり、Galaxyでは初めて自信を持ってiPhoneユーザーにもおすすめできると思った端末でもあります。特に、ビジネスマンや、家族・友人・ペットなどの写真をよく撮影するユーザーには是非とも一度使ってみて欲しいと強く感じています。
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