中国honorは2023年9月14日にインドにおいて、HONOR 90を発表しました。Honorはインドにおいては2020年以降、元親会社のHuaweiの制裁による影響などで分離後もスマートフォンを展開していませんでしたが、約3年ぶりにインドに再参入したことになります。
HONOR再参入の経緯
HonorがHuaweiの傘下であった時、Honor Indiaとしてインドで運営していましたが、Huaweiが米制裁の影響でAndroidスマートフォンにGMS(Google Mobile Service)を搭載できなくなったことや、2020年11月に中国HuaweiがHonor Deviceを深圳市智信新信息技術に売却したことが影響し、Honorの新経営陣はインドから撤退を決断。スタッフの一部をドバイに移転することに。
ウェアラブル製品やタブレット、ノートPCなどのインド国内での販売は代理店のPSAV Globalが継続していた一方、2020年5月に「Honor 9X Pro」を発売して以降、スマートフォンの発売はありませんでした。
そんな中、元Realmeの共同設立者の一人にしてRealme India 元CEOであるマダフ・シェス氏をCEOの一人とするHTech(旧Honor Tech)が、2023年8月初旬にインドのグルグラムにおいて、地元株主の全額出資により法人化。
HTechは中国Honor Deviceとのライセンス契約を交わし、公式販売代理店であったPSAV Globalと提携することで、Honorのインドスマートフォン市場への再参入に至りました。同社はインドに10億ルピー(約17.8億円)を投入すると述べています。
HONOR 90の発売とインドでの現地生産計画
HONOR 90のインドでの発売はHTECH公式X(旧Twitter)などで告知され、9月14日に発表イベントが開かれました。HONOR 90のスペックについては過去記事のグローバル仕様(GMS搭載など)のものとなっています。Amazon.inで発売され、現地価格は2万9999ルピー(約5.3万円)。
HONOR 90は既に英国などで発売をしている端末をインドで発売するという形となっていますが、マダフ・シェスCEOはロイター通信の取材に対し、「最終的にはすべてのスマートフォンがインドで生産されることになる。」と語り、インドでの現地生産や現地開発を示唆。2024年のはじめに現地生産をする計画であることを明かしました。
さらに、2024年にインドのスマートフォン市場で販売台数ベースで5%のシェアを獲得し、少なくとも1000億ルピー(約1780億円)の収益を得ることを目標としているとのこと。
インドのスマートフォン市場では、シャオミやOPPO、vivoなどの中国メーカーがインド政府からの圧力を受け、苦戦を強いられています(過去記事)。現地生産や現地開発の方針は背景を受けてのことだと考えられますが、Honorはインド市場において成功を収めることができるのでしょうか。
インドでの再参入がHonorの日本市場への再参入に繋がる可能性も考えられ、Honorの今後に注目です。