vivo X100/X100 Pro発表。Dimensity 9300を初搭載、Zeiss Apoレンズの望遠カメラに4Kポートレート動画撮影 すまほん!!

 

 中国vivoは「vivo X100」と「vivo X100 Pro」の2機種を中国国内で正式発表しました。 

 Dimensity 9300を搭載した初のシリーズで、X100 ProではZeiss Apoレンズによって強化された望遠カメラや、自社開発の画像処理チップ「vivo V3」による4K シネマッティック・ポートレートビデオ撮影を備えています。

デザイン

 vivo X100シリーズは共通して、中央に大きなカメラバンプとその周りにリングがある背面デザインとなっています。

 リングの形は真円の形ではなく、X100は右側、X100 Proは分厚くなっており、その部分にはレンズのスペックが刻印。

vivo X100(左)とvivo X100 Pro(右)

 これは、X100が月食、X100 Proが日食をイメージしているのだそうです。カメラの下にはZEISSとの協業の標語であるXtreme Imaginationの文字が刻まれています。

 また、Proのみスマートウォッチのような2.5Dガラスをカメラのカバーガラスに使用しています。

 カラバリは、ガラス素材のブルー、ホワイト、ブラックと人工合皮素材のオレンジの4色。

 特に星の軌跡のような煌めいた白い線が入ったブルーや、夕焼けの反射する湖面をイメージした、ストライプレザーのオレンジが特徴的です。

ディスプレイ

 vivo X100シリーズはFHD+の中間の1.5K(2800 × 1260)解像度である、6.78型有機ELのエッジディスプレイを搭載。最高輝度は3000nitとなっており、1920Hzの目に優しい高周波数PWM調光をサポートしています。

 さらに、昨年のX90/X90 Proでは対応していなかった1~120Hzの可変リフレッシュレートの8T LTPO駆動に対応。X90 Pro+のLTPOの3倍の段階切り替えを実現しており、最大120Hz駆動ながら90Hzディスプレイ相当の消費電力に抑えられるとのこと。

 また、360°の環境光センサーや制御IPチップにより夜間の目の保護機能を高めているようです。

パフォーマンス

 vivo X100シリーズはMediaTek製の最新4nm SoC、Dimensity 9300を初搭載。

 Dimensity 9300は従来のCortex-A510のようなリトルコアを廃止し、4コアのCortex-X4とCortex-A720を採用することでCPU性能が大幅に向上。ピークパフォーマンスを40%高めながらも、33%消費電力を低減しているとのこと。

 また、GPUはピークパフォーマンスを46%高め、ピーク消費電力を40%低減。そのほか、AI性能や、画像処理チップなどの全体的な性能を高めています。

 この結果、vivo X100の実験室でのAntutuベンチマークで約225万点のスコアを達成。

 同社のゲーミングフラッグシップモデルでSnapdragon 8 Gen 3を搭載するiQOO 12の実験室でのスコアは約222万点であるため、Dimensity 9300の性能の高さがうかがえます。

 さらに、X100/X100 ProにはLPDDR5のクロック向上版で最大9.6Gbpsのデータ転送を実現するLPDDR5Tメモリを搭載した構成も存在。Snapdragon 8 Gen 3ではLPDDR5Xのみの対応となっており、この違いもX100のAntutuスコアに影響していそうです。

 ゲームをする際には、vivo自社開発のVチップによって、消費電力を低減するモードとフレームレートを向上させるモードの2つを切り替え可能に。ハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングにも対応しています。

OriginOS 4

 vivo X100シリーズにはAndroid 14ベースのOriginOS 4を搭載。

 システム面では仮想グラフィックカードと呼ばれるシステム制御技術を導入し、アプリの応答速度と表示フレームレートの安定性を高めているそうです。

 また、OSのスケジューリングアルゴリズムを洗練させ、読み込み速度を高めるだけでなく、音楽再生時やスタンバイ時の消費電力を削減しているとのこと。

 デザイン面も刷新し、壁紙やロック画面、フォントのカスタマイズ性を高めているほか、アプリケーションのアイコンやアニメーションの多くを再構築しているようです。

 さらに、AI機能も大きく強化。AIアシスタントアプリが追加され、アプリ上で画像に写るの通行人を除去する機能や、問題分析支援、画面上のテキスト認識、AI写真生成、文章生成などを行うことができるとしています。

AI画像生成

 このほか、地図のナビアシスタントの強化、スマートカーとの連携、会議アシスタント機能、家族の健康管理機能、AIを活用した障害者支援技術などが実装されています。

X100にはIMX920と3倍望遠を搭載

 vivo X100の広角カメラには、1/1.49型のSONY製 IMX920センサーを搭載。

 昨年のX90と同じセンサーサイズですが、カラーフィルタの材質を改善することによって人間の目の色覚に沿った分光を行うVCS(vivo バイオニックスペクトルテクノロジー)が第2世代になり、感度と色再現性を高めているようです。

 レンズにはf/1.57と明るめのレンズを搭載し、集光量を24.2%向上。また、従来のXシリーズと同様に、乱反射によるゴーストやフレアを効果的に抑えるZeiss T*コーティングが施されています。

 光学手振れ補正はCIPA規格で4.5段分の補正性能を実現し、夜景撮影の安定性と画質が向上しています。

 望遠カメラには、光学3倍ペリスコープ望遠レンズを搭載。

 望遠カメラながらf/2.5という明るいレンズと1/2型の大型センサーをペリスコープによって実現することで、集光量が従来の85.5%向上。6400万画素の高画素と独自の画像処理も備えているため、高倍率の撮影なども含めて撮影シーンを大幅に広げているようです。

 また、vivo X90と同様に自社開発のvivo V2画像処理チップを搭載。AI ISPアークテクチャにより、ノイズリダクションやHDR、フレーム補完をこのチップ上で行うことができます。加えて、アップデートされた画像処理アルゴリズムの「オリジンエンジン」により、前世代のフラグシップのX90 Pro+よりも解像度を15%高めているとのこと。

 さらに、最短撮影距離が15cmとなっており、望遠カメラを用いてマクロ撮影をすることもできる隙のないスペックとなっております。

 X100シリーズでは、Zeiss監修のポートレート撮影モードが強化されており、撮影可能な焦点距離を24mm・35mm・50mm・85mm・100mmの5つから選択可能になりました。加えて、Zeiss B Speedレンズをもとにしたぼかしスタイルが追加されます。

X100 Proには1型センサーとZEISS Apoレンズ

 X100 Proには、SONYの1型センサーであるIMX989とf/1.75の明るいレンズを搭載。ここまではX90 Proと同じですが、Zeiss T*コーティングが新世代になっています。

 新しい多相ナノクリスタルコーティング(Multi-ALD)とIRカット顔料スピンコーティングによって、反射率をさらに低減するだけでなく、アンチグレア効果によりさらに鮮明に。さらに、ARコーティングにより、レンズが固く耐摩耗性を高めているそうです。

 また、レンズの独自の光学調整に基づく補正機能である、「精度ジャンプテクノロジー」により、画像周辺部の解像度を20%高めているとのこと。

 望遠カメラには、Zeiss APO認証の優れた色収差制御機能とペリスコープを有する光学4.3倍望遠レンズを搭載。

 プリズムとイメージセンサーの間だけでなく、プリズムの上にもレンズを配置する設計によって、X90 Pro+よりも96%集光量を高めることに成功しています。

 このため、夕焼けや夜景などの難しいシーンもX100よりさらに高倍率で撮影できることが期待できます。

 また、プリズムとイメージセンサーの間のレンズを動かし、ピント位置を調節するフローティングレンズによって画質がより鮮明になり、18cmの最短撮影距離の望遠マクロ撮影もサポートしています。

 X100 ProにはX100と異なり、6nm製造の独自画像処理チップ「vivo V3」を初搭載。

 前世代から30%電力効率を高め、一新したアーキテクチャとSoCとの相互接続システムにより、アルゴリズムの効果を大幅に向上させ、SoCとのシームレスな接続を実現。vivo V3を搭載することによって、4Kシネマティック・ポートレートビデオ撮影を実現しています。

 被写体の背景をぼかした動画撮影を可能にするだけでなく、Android初となる撮影後編集機能を実装し、ぼかしの量やぼかす対象を自由に編集可能になります。さらに、5つのムービースタイルプリセットによって、好みの雰囲気の色調やポートレート効果を選択可能なようです。

価格・発売日

 このほか、vivo X100シリーズはIP68の防水防塵対応や、カーボン再結晶技術による大容量と急速充電を両立したバッテリーが特徴となっています。

 「vivo X100」「vivo X100 Pro」は11月21日に中国国内で発売開始。

 価格はそれぞれvivo X100が3999元(約8.3万円)から、vivo X100 Proが4999元(約10.4万円)から。また、vivo X100は16GB/1TBのメモリ構成のLPDDR5T限定版、vivo X100 Proは16GB/1TBのメモリ構成のみLPDDR5Tを搭載し、他の構成はメモリにLPDDR5Xを搭載。

スペック表

  vivo X100 vivo X100 Pro
OS OriginOS 4 (Android 14)
SoC MediaTek Dimensity 9300
メモリ 12/16GB (LPDDR5X) 16GB(LPDDR5T)
容量 256/512GB, 1TB (UFS 4.0)
画面 6.78型 1.5K (2800 × 1260) 有機EL
1-120Hz 可変リフレッシュレート(LTPO)
ピーク輝度:3000nit
2160Hz PWM調光
エッジディスプレイ
カメラ 広角:23mm 5000万画素 IMX920 VCS
1/1.49型 1.0μm f/1.57 OIS

超広角:15mm 5000万画素 JN1
1/2.76型 0.64μm f/2.0 AF

望遠:70mm 6400万画素 OV64B
     1/2型 0.7μm f/2.57 OIS
    15cm 望遠マクロ撮影対応

広角:23mm 5000万画素 IMX989
1.02型 1.6μm f/1.75 OIS

超広角:15mm 5000万画素 JN1
1/2.76型 0.64μm f/2.0 AF

望遠:100mm 5000万画素
OV64B(クロップ)
      1/2.51型 0.7μm f/2.5 OIS     
18cm 望遠マクロ撮影対応

インカメラ 3200万画素 f/2.0
電池 5000mAh 
急速充電(最大120W)
5400mAh 急速充電(最大100W)
ワイヤレス充電(最大50W)
リバースチャージ
寸法 164.05×75.19×8.49(8.74)mm, 206g(202)g  ※()内はレザー 164.05×75.28×8.91(9.05)mm,  225g(221)g
※()内はレザー
カラー ブルー/ブラック/ホワイト(ガラス)、オレンジ(レザー)
その他 画面内指紋認証
ステレオスピーカー
USB 2.0
vivo V2
IP68
画面内指紋認証
ステレオスピーカー
USB 3.2 Gen1 
vivo V3
Hi-Fi
IP68

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