シャオミは中国にて「Xiaomi 14」「Xiaomi 14 Pro」の2機種を正式発表しました。
Snapdragon 8 Gen 3を搭載した初のシリーズであり、独自のイメージセンサーブランドの「Light Fusion」、Leica Summiluxレンズなどが特徴となっています。また新独自OSの「Xiaomi HyperOS」を搭載しています。
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デザイン
Xiaomi 14シリーズの背面デザインは、左上にカメラユニットがあり、3つのカメラとLeicaの印字がある落ち着いたデザインとなっています。
Xiaomi 13 Proは左右側面のフレームが曲線的でしたが、今回はどちらのモデルも左右側面はフラットで太めのフレームに。
本体カラバリはXiaomi 14が背面ガラス製のブラック・ホワイト・グリーンと合皮製のピンクの4色。Xiaomi 14 Proは全て背面ガラス製で、ブラック・ホワイト・グリーンの3色。
加えて、Xiaomi 14 Proには限定カラーとしてチタン特別版が存在。フレームにチタン合金を使用し、背面にディスプレイ側と同じXiaomi ドラゴンクリスタルガラスを使用することで、耐久性を高めています。
カメラ周りのオレンジのリングになっており、高級感を演出しています。
ディスプレイ
Xiaomi 14は前世代と同様の6.36型のフラットな小型ディスプレイですが、スペックは大きく変化。従来のSamsung製ディスプレイから1.5Kの高解像度の中国TCL CSOT製の新型C8パネルに。
小型ながら高解像度で、ピーク輝度3000nit、1-120Hzの可変リフレッシュレート、12bit色深度に様々なHDR規格に対応という隙のないディスプレイ仕様を実現。さらに消費電力をXiaomi 14から14%低減しています。
Xiaomi 14 Proも同様にCSOT C8パネルですが、こちらは6.73型の大型で、2K解像度で目に優しい1920Hz PWM調光が追加されてた、より高いスペックとなります。
Xiaomi 14 Proの大きな特徴として、ディスプレイが4辺が均一に少し湾曲したオールアラウンドリキッドディスプレイを採用。
通常のエッジディスプレイよりも20倍の精度で製造され、フラットディスプレイの視覚的な美しさと、エッジディスプレイの心地よいなだらかな手触りを両立しつつ、特定の角度から見てコンテンツが浮いて見えるような新しい視覚体験を提供しているとのこと。
せり上がったディスプレイのため衝撃への耐久性が心配されますが、Xiaomi 14 Proは「Xiaomi ドラゴンクリスタルガラス」を採用することで、この問題を解消。
ガラス内部にナノセラミック層と制御された結晶構造、そしてデュアルイオン焼き戻し処理によって、硬度が向上。
これにより、同じく均一にディスプレイがカーブしたMate 60 Proが採用する崑崙(Kunlun)ガラスやGorila Glass Victus 2を超える硬度と、従来の10倍の落下耐性を備えているとしています。
新SoC Snapdragon 8 Gen 3に新独自OS HyperOSなど
Xiaomi 14/14 Proはともに、先日発表されたばかりのQualcommの最新フラグシップ 4nm TSMC製SoC「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載。
CPU性能を32%、GPU性能を34%、AI性能を98%向上させ、同一パフォーマンスにおける消費電力をそれぞれ削減しています。
さらに、Xiaomi ループ液体冷却技術により、従来のベイパーチャンバー式の冷却方法の最大3倍の冷却効果を同じ面積で実現し、高パフォーマンスを持続させることができるようです。
また、Wifi通信を高速・低遅延・低消費電力でスマートなネットワークを可能にし、スマートな信号の選択アルゴリズムによって5G通信の安定性を改善しているとのこと。
OSにはAndroidベースの新独自OS「Xioami HyperOS」を搭載。
システム性能や消費電力の向上、メモリや内蔵ストレージの動作安定化や、IoT機器との連携、AI機能の充実などが図られています。(詳しくは過去記事)
独自イメージセンサーブランド「Light Fusion」
Xiaomi 14シリーズの発表に際して、独自のイメージセンサーブランド「Light Fusion(光影猎人)」シリーズを発表。
高品質な写真・ビデオ、高帯域幅とスループット、高電力効率を備える、ダイナミックレンジの優れたイメージセンサーとして、プロフェッショナル向けにラインナップされたセンサーシリーズとしています。
その最上位モデルである5000万画素 1/1.3型 Quad Bayerの「Light Fusion 900」がXiaomi 14シリーズに搭載。
昨年の1型センサーのIMX989からセンサーサイズが小さくなっているものの、撮影時に発生する読み出し雑音を50%削減し、13.5EVの高ダイナミックレンジを実現したとのこと。
また、デュアルネイティブISOやデュアルコンバージョンゲインと呼ばれる、2つの異なるベースISOを持ち、それらを1回の露光で同時出力し合成する「ISO Fusion Max」機能を実装。
低ノイズかつ白飛びの少ない、さらにダイナミックレンジの広い画像を1フレームで出力するより、高い色再現性や14bitの色深度RAWでの撮影が可能に。
その他のスペックも、同サイズのセンサーに比べて42%の消費電力削減やシャッター遅延のない高速撮影、全画素全方向検出の像面位相差オートフォーカスなどと優れています。
このセンサーはどこが製造しているのか、というのが気になるところですが、スペックがOmnivision製のOV50Hというイメージセンサーと一致していることから、Light Fusion 900はOV50Hまたはそのカスタムセンサーであることが推測されます。
さらに、発表会ではOminivision製のOV50E、OV50Dだとそれぞれ思われるLight Fusion 800、Light Fusion 400を紹介。
OmnivisionのイメージセンサーをXiaomi端末に搭載する場合は、今後Light Fusionとしてリブランドされることが示唆されます。これはSONYの新しいイメージセンサーブランドのLYITAに対抗する意図があるのでしょうか。
Leica ズミルックスを搭載 Proには1024段階可変絞りも
Xiaomi 14/14 Proは従来のズミクロンレンズよりも明るい、Leica ズミルックスレンズの明るいレンズを搭載。
Xiaomi 14はセンサーサイズが前世代より大きくなりながらも、f/1.6と明るいレンズを搭載することで、集光量が約80%向上。ボケ量が大きくなり、低照度撮影での品質向上に期待できます。
f値以外にもレンズにこだわっており、7枚の環状オレフィンコポリマー(COC)素材からなる高透過非球面レンズに、レンズエッジインクコーティング、そして光の反射を0.15%まで抑える多層ナノALD超低反射コーティングが施されています。
Xiaomi 14 ProはXiaomi 14よりもf/1.42とさらに開放f値が明るいだけでなく、物理可変絞りを搭載。
Xiaomi 13 Ultraで搭載された2段階の絞り変更ではなく、なんとf/1.42~f/4.0の間で1024段階のステップレス制御が可能になりました。Huaweiの物理可変絞り機構は10段階を遥かに上回る数値となります。
この結果、一眼カメラのように周辺光に合わせて自動的に制御され、静止画撮影でもビデオ撮影でも、さまざまなシーンで露出が最適化されるようになります。
ユーザー側でも手動で調整可能であり、自分好みの被写界深度やボケ具合で撮影できます。さらに、6枚羽から構成される絞りのおかげで、絞りを小さくすることで、星や街灯などの点光源を自然で綺麗な光条を作成できます。
Proモードでは絞り地を1/3EV刻みのより細かい露出制御や、シャッタースピードとEV値を固定することで、適正な絞り値に自動調整されるとのこと。
望遠カメラにはXiaomi 13 Proで好評であった、75mmフローティング望遠レンズをXiaomi 14/Xiaomi 14 Proに搭載。10cmの近距離で望遠マクロ撮影と長距離撮影の両方が可能になります。
歪みの少なく遠近感の少ないマクロ撮影や、被写体に近づいて撮影することで、美しく大きな玉ボケを作り出すことがスマートフォンでできてしまいます。
イメージセンサーはどちらも5000万画素 1/2.76型のSamsung製JN1センサー。たただし、75mmという数値はデフォルトの倍率の値で、レンズの物理的なスペックはXiaomi 14が60mm、Xiaomi 14 Proが67mmからデジタルクロップズームされていることには注意が必要です。
超広角にも5000万画素の1/2.76型のSamsung製JN1センサーを搭載し、Xiaomi 14 Proのみオートフォーカスと最大5cmの超広角マクロ撮影に対応しています。
Leica協業のカメラソフトウェア
従来のLeicaを冠するXiaomiスマートフォンと同様に、実物に近い色再現でコントラストの高いクラシックな見た目の撮影が可能な「Leica Authentic」モードと、明るめで彩度が高い鮮やかな撮影のできる「Leica Vibrant」モードの2つのカラーモードを用意。
また、Xiaomi 13 Ultraで追加された、絞ることでピントの合いやすい距離を短くすることを利用した、Leicaプロフェッショナルストリートモードを今回実装。音量ボタンのダブルクリックから0.8秒でのピントの合った撮影が可能で、シャッターチャンスを逃さず撮影できます。
プロモードで色調や階調、シャープネスの調整を設定し、保存・共有できる機能や、Leicaビビッド、Leicaモノクロームなどのフィルターにも対応しています。
ポートレートモードは画像処理がアップデートされており、新しいHDRアルゴリズムにより、逆光下での肌の質感が最適化され、背景のぼかしも一眼レフのように自然な質感で撮影できるとのこと。
35mm・50mm・75mm・90mmのそれぞれのLeicaレンズ風のぼかし効果を作成するマスターレンズシステムというレンズ切り替えモードも実装されています。
Xiaomi 14 Proのビデオ撮影機能の映画モードでは、映画比率の撮影ができるだけでなく、1024段階の可変絞りを活用。
シャッタースピードをほぼ1/48秒に固定することで、実際の映画撮影のような残像が自然に見える見た目に近いフレームレートで撮影。また、被写体への自動的なフォーカス調整と被写界深度がスムーズに切り替わり、スムーズでクリエイティブな撮影体験ができるとしています。
AI編集機能も強化され、Google Pixelのように写真への不要な映り込みを消すことができるマジック消去機能を強化。さらに、写真に写っていない周りのものを生成AIが最短6秒で推測し、画像生成する画像補填機能が追加。
精度がどれほどのものなのか、気になるところです。
価格・発売日
このほか、Xiaomi 14シリーズはIP68の防水防塵や、DisplayPortによるディスプレイ出力機能を含む高速転送規格のUSB 3.2 Gen1に対応。
また、充電管理チップ「Surge P2」とバッテリー管理チップ「Surge G1」を内蔵。Xiaomi 14 Proには高振動のX軸リニアモーターを搭載。
「Xiaomi 14」「Xiaomi 14 Pro」は10月31日に中国国内で販売開始。
価格はそれぞれXiaomi 14が3999元(約8.3万円)から、Xiaomi 14 Proが4999元(約10.3万円)から。Xiaomi 14 Pro チタン特別版は16GB/1TBの構成で6499元(約13.5万円)。
中国国外での発売有無は執筆時点で不明。
スペック
Xiaomi 14 | Xiaomi 14 Pro | |
---|---|---|
OS | Xiaomi HyperOS | |
SoC | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3 | |
メモリ | 8/12/16GB (LPDDR5X) | 12/16GB (LPDDR5X) |
容量 | 256/512GB、1TB (UFS 4.0) | |
画面 | 6.69型 1.5K (2670×1200) 有機EL 1-120Hz可変リフレッシュレート(LTPO) ピーク輝度:3000nit フラットディスプレイ |
6.73型 2K (3200×1440) 有機EL 1-120Hz可変リフレッシュレート(LTPO) 1920Hz PWM調光 ピーク輝度:3000nit ラウンドディスプレイ |
カメラ | 広角:23mm 5000万画素 Light Fusion 900 1/1.3型 1.2μm f/1.6 OIS 超広角:14mm 5000万画素 JN1 1/2.76型 0.64μm f/2.2 望遠:60mm 5000万画素 JN1 1/2.76型 0.64μm f/2.0 OIS 10cm 望遠マクロ撮影対応 |
広角:23mm 5000万画素 Light Fusion 900 1/1.3型 1.2μm f/1.42-f/4.0 物理可変絞り OIS 超広角:14mm 5000万画素 JN1 1/2.76型 0.64μm f/2.2 AF 望遠:67mm 5000万画素 JN1 1/2.76型 0.64μm f/2.0 OIS 10cm 望遠マクロ撮影対応 |
インカメラ | 3200万画素 | |
電池 | 4610mAh シリコンカーボンバッテリー 急速充電(最大90W) ワイヤレス充電(最大50W) リバースチャージ |
4880mAh 急速充電(最大120W) ワイヤレス充電(最大50W) リバースチャージ |
寸法 | 152.8×71.5×8.20(8.28)mm 193g(188)g ※()内はレザー版 | 161.4×75.3×8.49mm 223g(ガラス), 230g(チタン) |
カラー | ブラック/ホワイト/グリーン(ガラス) ピンク(レザー) |
ブラック/ホワイト/グリーン(ガラス) チタンスペシャルエディション |
その他 | 画面内指紋認証 ステレオスピーカー USB 3.2 Gen1 5Gbps Surge P2/Surge G1 |
画面内指紋認証 ステレオスピーカー USB 3.2 Gen1 10Gbps X軸リニアモーター Xiaomi Dragon Crystal Glass Surge P2/Surge G1 |