nubia日本上陸宣言!
ZTEは、nubia本格展開事業戦略および新製品発表会を東京都内で開催しました。
ZTEは世界160カ国以上の国と地域に携帯通信端末を提供。以前日本でもAxonなどのSIMフリー端末をリリースしていた時もありましたが、しばらく休止。しかし2024年3月下旬から、改めてnubiaブランドを引っ提げて、日本の公開市場(オープンマーケット)向けにSIMフリー端末を投入します。
2008年に日本市場に進出したZTEが今回、日本に投入するのは「ハイエンドブランド」として位置づけるnubia。市場需要とユーザー体験に基づく研究成果であり、優れたパフォーマンスと革新的な機能を備えているといいます。製品理念はBe yourself。今後もパートナー企業と協力しつつ多くの高品質製品を日本に提供していくといいます。
nubiaブランドは2012年から開始。中国を始めとして東南アジア、欧州、中米中東アフリカといったグローバル市場に展開。スマホの撮影機能に関しては述べ数千件以上を保持、映像関連特許も最多保持、nubiaは「スマホの中での一眼レフ」といった称賛を受けているといいます。
常に最新技術を取り込むことを重視して開発。最近ではUDC(画面下カメラ技術)搭載スマホ、裸眼3Dタブレット、星空撮影機能搭載スマホなどを発表、その撮影機能を用いた「人類史上初、スマホで撮影された銀河の写真」は中国科学院国家天文台に収蔵されたそうです。
ZTEジャパンが日本展開して16年、これまでの累計出荷は1000万台。2023年には100万台出荷したとのこと。
なおゲーミングスマホのREDMAGICブランドは、市場戦略がnubiaと異なるため、アフターサービス・販売チャネルは今後もしばらくそれぞれ別個に提供する見通し。
今回、公開市場向けにSIMフリーで投入するのは閉じれば小型・開けば大画面でIFデザイン賞受賞の折りたたみスマホ「nubia Flip 5G」と、普及モデル「nubia Ivy」の2機種。
折りたたみスマホをこのタイミングで投入したのは、世界的に売れ行きが好調のため。2023年の出荷量は2020年の約8倍以上、モデル数も40以上になっているとのこと。
なおAxon・Blade以降しばらく公開市場向けを休止していたのは、B2CからB2Bに注力する方針転換があったため。今回はグローバルでの展開戦略に伴ってnubiaを公開市場向けに投入。
ZTEが既に開拓してきた大手キャリア販路と比べれば、それほど大きくはない非大手キャリア・公開市場。なぜそこに再参入するのか?
質疑応答によると、欧州や中国とは逆で、キャリアベースのビジネスが大半の日本で、10年以上にわたるキャリアビジネスが成熟し、キャリア相乗効果もはかりつつ、公開市場を含めた全ての市場を取っていきたい狙いがあると話しました。
既にZTEはソフトバンクのY!mobileブランドでLibero Flip、Libero 5G IVをリリースしていますが、今回発表したnubia Flip 5G、nubia Ivyのベースモデルとなっており、仕様はほぼ同一。
コスト見合いや顧客が買いやすい特徴と値段などの要素から、今回はこの2機種を選択。数は少ないSIMフリー市場でもその座を取っていくとのこと。勝算について問われると、累計1000万台日本で出荷した実績による日本市場への理解と品質管理といった実績、実力からぜひ期待して欲しいと述べました。
なおnubiaの中でもさらにハイエンドのZシリーズ(Z60 Ultra)などのモデルは日本で展開していく予定があるのか?
これについて、Zシリーズやnubia Focusシリーズ、nubia Musicなどの多彩な機種について、「今後時期を見て、展開する計画を考えたい(黄凱華副社長)」と述べました。
ソフトバンク、Y!mobileでもLiberoブランドではなくnubiaを出すことで認知度が上がるのではとの記者からの質問には、「出す意欲はある、そこはもちろんキャリアの判断に従う」と述べるに留まりました。
公開市場向け機種のサポート体制については、4キャリアに提供しているサポート体制と同様に、エンドユーザーから直接問い合わせ回答や対応ができる体制も整えており問題はないとの認識を示しました。
以上、ZTEの発表会と質疑応答からお届けしました。最近のZTEは、キャリア向けの折りたたみスマホやカメラの優れた全部入りのZシリーズ、ゲーミングスマホREDMAGICブランドによって存在感が大きくなりつつあります。このタイミングで公開市場でも本格展開、選択肢が増えるのは喜ばしいところです。
まずはこの2機種で市場に橋頭堡を築き、さらなる機種を展開していき、キャリア向けのみならず公開市場でも伸長していきたいというのがZTEの描く青写真のようです。
やはり課題だろうと感じるのはZTEの認知度で、特にnubiaブランドは日本の消費者の多くにとってはまだまだ聞き慣れないため、今後どのように周知を図っていくかが鍵を握りそうです。このまま躍進し、ハイエンドを含めた様々なモデルを展開してもらいたいものです。