2024年5月の上旬から中旬にかけて、5つもの企業がスマートフォンやタブレットを発表すると予測される新製品発表会を予定しています。開催時期と、発表会にて登場しそうだとウワサされる製品をまとめてみました。
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5月7日午後11時 Apple
一番乗りはApple。日本時間で5月7日の午後11時から、新製品発表会の「Apple Event」を予定しています。
Apple Eventでは毎度おなじみ、発表する事柄にフォーカスしたAppleロゴからもわかる通り、今回のイベントではiPadの計4モデルおよびApple Pencilが登場することが確定的です。
新世代Apple Pencil(第3世代)に関しては、これまで利用できなかったAppleの「探す」機能や新しいジェスチャーが用意され、マグネット式の着脱式ペン先で書き心地を変えることができるようになると伝えられています。また以前には、将来的にはVision ProでApple Pencilを用いた作業が行えるようになるのではないかという情報もあったため、そこもほんの少しだけ期待していてもよさそうです。
iPad Proは11型とわずかにサイズアップした13型の2モデルを用意。現行型は11型が液晶、12.9型がMiniLEDでしたが、新モデルでは両サイズともに有機ELを搭載する見込みです。
またiPadに関しては、iPad AirおよびiPad Proが登場予定。いずれも大幅刷新がうわさされており、iPad AirはM2チップを搭載し、従来の11インチモデル以外に12.9インチモデルが登場。iPad Proほどの性能はいらないけどもっと大きな画面が欲しい……という需要に完璧にマッチします。
ただしやっぱり気になるのは価格。この記事を書いている最中に、ドル円レートは155円から一時160円、そして157円程度へと乱高下しています。iPhone 15シリーズですら、販売価格は当時のドル円より若干円高寄りな1ドル140円程度で計算しているため、特にiPad Proは目を覆いたくなるような価格が出てきてもおかしくなさそうです……。
このほか、MacOSやiOS 18などに関する情報も発表見込み。以前には、iPhoneに搭載する新機能の根幹に、Googleの開発するGemini、もしくは中国ではBaiduのAIモデルを利用できないかと交渉していると伝えられており、流行りのAIを主軸にアピールする可能性は十分ありそうです。
5月8日 SHARP AQUOS
Appleに続くのはシャープの2024年夏モデルスマートフォン発表会。深夜の開催であるAppleのイベントから、およそ12時間後の開催です。
シャープのスマートフォンのリーク情報などは(国内メーカーで販路も限定されるため)ほとんどありませんが、例年通りであればハイエンドSoCを搭載したAQUOS R9シリーズが投入される見込み。
AQUOS R8世代はコンパクトボディな「AQUOS R8」と、1型センサーを搭載しAQUOS R6/R7の正統な後継モデルとなる「AQUOS R8 pro」の2機種が登場しましたが、今回がどうなるのか気になるところ。
また、このほかに注目すべきポイントは2点あり、ひとつは搭載するSoC。これまでのモデルはフラッグシップらしく当時最高峰のスナドラSoCを採用していましたが、Qualcommが発表した情報から推察するに、今回は「Snapdragon 7+ Gen 3」を搭載する見込みが高そうです。
Snapdragon 7+ Gen 3もAnTuTuベンチマークスコア140万点程度と悪くないため、過度な性能競争から手を引き、多くのユーザーに十分な処理性能を提供しながら価格を引き下げる狙いでしょう。AQUOS Senseシリーズで国民機を目指すというシャープらしい戦略です。
もう一点はLeicaブランドについて。後述するXiaomi 14 Ultraが満を持して日本に襲来することにより、日本国内にて先にLeicaと提携を行っていたシャープは契約が切れたのではないかと伝えられています。ここがどうなるかについても気になるところです。
ちなみに廉価モデルAQUOS wish3もR8シリーズと共に発表されていたので、wish4も出てくるかもしれませんね。
5月9日午前11時 Xiaomi Japan
Xiaomiは5月9日に、日本市場にて複数の新製品発表会を予定しています。Xiaomiに関しては、最低でも4機種近くが認証情報などにより国内投入が確定的になっています。
Xiaomi 14 Ultra
まずはXiaomiブランドの国際的な旗艦機種であるXiaomi 14 Ultra。既報の通り、発表会のティザーに用いられている画像は、以前にXiaomi 14 Ultraの告知に用いられたものであるため、同機種に関する発表が行われるのは確実です。
Xiaomi 14 Ultraの国際版は既に技適を取得しており、日本でも購入報告が相次いでいました。需要に限りがあることから、さすがにおサイフケータイの搭載は望めないものの、本来であればコスパに優れたモデルなのに日本では最上位機種という立ち位置だったXiaomi Tシリーズよりも上の機種が登場することは感慨深いです。
Redmi Note 13 Pro+ 5G
現在のXiaomiの国内のラインナップは非常に寂しく、直販サイトで販売中の機種は「Xiaomi 13T Pro」「Xiaomi 12T Pro」と「Redmi 12 5G」の3機種のみ。この中間に位置する機種として、「Redmi Note 13 Pro+ 5G」の登場が見込まれています。
この機種はDimensity 7200 Ultraを搭載。「Ultra」と大層な名前を冠していますが、Nothing Phone (2a)が搭載するDimensity 7200 Pro、そしてDimensity 7200と構造上での違いがあるわけではありません。要するにカッコイイ名前を付けて強者感を漂わせる、ただの販売戦略です。MediaTekは古いSoCの名称と細かい点だけ治して新しく見せることも多く、結構消費者にとっては分かりづらいメーカーです。
というのはさておき、Dimensity 7200の性能としてはSnapdragon 7 Gen 1の競合に当たるような製品で、大半のユーザーにとって必要十分な性能。また本体色も美しく、Aurora Purpleはカメラ周りがパステル風の3色で彩られるなど、シンプルながら遊び心のあるデザインです。
カメラは(意味があるかはさておき)2億画素のメインセンサーを搭載、またバッテリー容量は5000mAhで、さらに国内Redmiブランドとしては初めて120W充電に対応します。現在のXiaomi 13T Proはそうやすやすと買える値段ではないため、20分弱で充電が終わってしまう超急速充電を気軽に試せるデバイスになりそうです。
また、Redmi Note 13 Pro+ 5Gは「日本版」の存在が明らかになっており、おサイフケータイの搭載は確実。また、IP68等級の防水にも対応しており、防水性能を要求する日本市場でも十分に戦える端末です。
Redmi Note 13 Pro
グローバル版ではNote 13 Pro+の下位に位置するRedmi Note 13 Proは、国際版のファームウェア内に「XIG05」という表記が存在しており、これはauもしくはUQ mobileから登場する可能性を示唆しています。
Redmi Note 13 Pro 5GはSnapdragon 7s Gen 2を搭載し、67W充電にも対応したスマートフォン。防水規格がIP54止まりであることがウィークポイントですが、auから登場ということもありおサイフケータイの対応にも期待が持てます。
Xiaomi Pad 6S Pro
このほか、12.4インチのハイエンドAndroidタブレットであるXiaomi Pad 6S Proも登場見込みです。これはXiaomi Pad 6S Proの専用スタイラスペンである「Xiaomi Focus Pen」が技適を通過しているため。
Xiaomi Pad 6S ProはSnapdragon 8 Gen 2を搭載し、タブレットとしてはダントツの120W充電に対応するデバイス。1万mAhのバッテリーを35分で充電できてしまいます。また画面のリフレッシュレートは144Hz。生成AIを内蔵し、イラストを生成できる機能すらも搭載しています。
大画面かつ高性能という理由で、日本で競合する製品はGalaxy Tabシリーズ程度となるデバイスです。ぜひともXiaomiお得意のコスパの良さを生かしてほしいところです。
テレビ?
Xiaomi Japanは既にいくつかのティザー画像をTwitterに投稿していますが、その中でも少し気になるのが以下のポスト。
【5月9日 新製品発表会開催】
同じコンテンツでも、
映像の滑らかさで感動に差が出たりもします。より大きな感動を、より大きな画面で、
より快適な滑らかさで。そんなことが自宅で実現できたら素敵ですね。https://t.co/vr4GtKcVNL#これまでにない体験を pic.twitter.com/pF7ofNOCgu
— Xiaomi Japan (@XiaomiJapan) April 29, 2024
タブレットやスマートフォンでは120Hzリフレッシュレートなんて珍しくもなんともありませんが、「自宅で実現出来たら素敵ですね」という場所を指定する記述が引っかかります。
そうした場合、このティザーが言及する対象がテレビであると仮定すると、いろいろ合点がいきそうです。まず、すでに日本投入されているXiaomi TV A Proの対応リフレッシュレートは60Hz。現在、グローバル市場投入済みテレビで120Hzに対応していることが確認できたテレビは「Xiaomi TV Max 86’」のみ。4Kで120Hz、86インチの巨大なGoogle TV搭載テレビです。
以下のティザー画像に記されているMAXについても合点がいきます。86インチは一般家庭のテレビに比べて格段に大きいわけであり、「これまでにない大きさを」というキャッチフレーズにピッタリ。上位に「Xiaomi Pad 6 Max」があるXiaomi Pad 6S Proに対して、MAXなんて言葉は使ってられないですしね。
【5月9日 新製品発表会開催】
大は小を兼ねる。
もちろんケースバイケースですが、
新しい大きなものに出会った時、
やっぱりワクワクしますよね。ワクワクするものをお届けしたいです。https://t.co/vr4GtKcVNL#これまでにない体験を pic.twitter.com/STSPdRWeG0
— Xiaomi Japan (@XiaomiJapan) April 25, 2024
そもそも中国・グローバル市場で販売中のXiaomi製品で、「Max」の名を冠したディスプレイ付きデバイスは「Xiaomi Pad 6 Max」、「Xiaomi SU7 (Max)」、そしてXiaomiやRedmiのテレビの3種類程度しか確認できません。うちXiaomi SU7の日本投入はまずあり得ず、Xiaomi Pad 6 Maxは中国版のみであるためグローバルをかっ飛ばして日本に来ることも考えづらいです。というわけで、筆者は「Xiaomi TV Max 86’」も登場するのではないかと予想します。
5月15日午前2時 Google
少し空いて5月15日には、Googleの開発者向けイベントであるGoogle I/Oが開催されます。開発者向けカンファレンスとはいっても、開発者向けデバイスのPixelも毎度リリースされています。
今回登場見込みのデバイスはミッドレンジスマホのPixel 8aと、すでに忘れられていそうなPixel Tablet、そのドックなしモデルの2機種。
Pixel 8aについてはすでにハンズオン動画が出回っているほか、モロッコではすでに販売されている(!?)といった情報も。価格は8万円台と、もはや廉価でもなんでもなくなってしまうと伝えられていますが、120Hz対応やTensor G3を搭載し、もはやPixel 8との格差が縮小しているところで、今後どうなるか気になるところではあります。
Pixel Tabletについてはタブレットへの最適化が行えていない、肝心であるドックの音質が非常に悪いなどいいところがありませんでしたが、古いデバイスを安くして売るのは悪い選択肢ではないかもしれません。
ただそれでも、単にドックなしモデルを販売するだけでは競争力に疑問を持ちます。ドック付きタブレットの価格は79800円、ドック単体での価格は1万7800円であるため、単純計算であればドックなしモデルは6万2000円ほどと予想できますが、この品質であれば4万9800円のXiaomi Pad 6にコスパや使いやすさで負けたと判定されそうな印象です。
5月17日午後7時 Sony
大トリはSony。言わずもがな、最新Xperiaの発表を予定しています。少なくともフラグシップのXperia 1 VIとXperia 10 VIが登場する見込みであります。
他メーカーと異なり、スペックに関して確定的な情報や実機写真のリークなどはありませんが、2機種のアクセサリーが一足早く販売を開始しており、そこから概観を窺い知ることができます。
楽天市場ではすでにカメラのレンズ保護フィルムを販売するページが登場。その画像によれば、Xperia 1 VIはカメラバンプ自体やセンサーが一回り大型化しているように見えるほか、Xperia 10シリーズはこれまでトリプルカメラを搭載していたのが、Xperia 5 Vのような2眼カメラへ。空いた穴はかなり大きいものですが、その穴のサイズにふさわしいセンサーを載せてほしいところです。
AQUOS senseシリーズに感化されて、廉価モデルでもカメラは重要なんだと認識し、キレイに映る大型センサーを載せてくれたら激アツですね。
Xperia 1 VIは5世代続けてきた21:9ディスプレイを廃止することにより、本体基盤スペースの確保やディスプレイの価格低減やスペック向上といったメリットが生まれると予測されています。21:9ディスプレイは画面分割がとても実用的で便利だったので残念に感じるところはありますが、その分総合的な商品価値を高めてもらいたいところです。
このほか、以前のリークではXperia 1 VIのカメラはすべて4800万画素で統一されるとした情報も。少し前のXperiaは全センサー1200万画素で統一していたため、正統進化を遂げたともいえます。
個人的には、前面のデザインにも少し手を入れてもらいたいところ。Xperiaのノッチなしデザインはバランスが取れているともいえますが、下部ベゼルと上部ベゼルの太さをそろえなくても良いのに、と思ってしまいます。その分ナビゲーションバーの位置がずれてしまいますし。
ちなみに、今年のXperiaは悲観的なリークが多く、Xperia PROシリーズやXperia 5シリーズが廃止され、なぜか「Xperia 3」なる新シリーズが登場するといったよくわからないネタも。21:9アスペクトの廃止という大きな節目を迎えるXperiaが、どう進化していくのか注目したいところです。