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横開きフォルダブルを初めて使った感想。Pixel Fold Proが欲しくなった

 Google Pixel Fold(初代)が余っている編集長から機体を借りてきました。縦開きのGalaxy Z Flipは借りて使ったことはあるものの、横開きはしっかり使ったことないな~とちょっとワクワク。感想文です。

Google Pixel Fold

 2023年にGoogleから発売されたGoogle初の折りたたみスマートフォン。SoCにはGoogle Pixel 7シリーズと同じTensor G2が搭載されています。畳んだ状態では5.8インチ、開くと7.6インチの大画面になります。

個人的なフォルダブルの印象

 今までフォルダブル端末を購入してこなかった理由としてはスマートフォンに20万超えを出すのはどうなのか?と耐久性の面で不安が強かったということ。そして結局餅は餅屋と言うように、スマホはスマホ、タブレットはタブレットで使うのがベストなのではないのか?と考えていたからなど様々な理由をつけて買っていませんでした。

 また仕事柄スマホを悪条件下で使うことが多く、耐久性で慎重にならざるを得ないフォルダブルは扱いにくいと考えていました。ましてやそのデバイスに20万超はちょっと無理がありますよね。

 そしてスマートフォンとタブレットを融合するアイデアは10年ほど前からありましたが、どれもうまく行ってないのが印象的でした。原因はソフトウェアがしっかり最適化されていないことではないか?と思っています。スマホのインターフェースを引き伸ばしただけのデバイスが多すぎました。故にきちんと大画面に最適化されたインターフェースが用意されているiPadが躍進したのはそういうことなのではないか?と思ってます。

 しかしGoogleも折りたたみやタブレットなどの大画面デバイスに最適化したAndroid 12Lを提供するなど、Googleも本格的にやる気になったのだと感じました。

使ってみた

 早速使ってみました。スマホはもちろん、今までタブレットでも行ってきたことも実行してみました。

Kindle

 個人的には一番重要視していた項目です。数年前までKindle Oasisを使っていました。Oasisは通勤時に片手でページ送りができ非常に快適なデバイスでした。しかし容量不足の問題、コネクタがmicroUSBであること、動作の不安定さがネックでした。

 そしてそれらを解決するためにiPad miniをKindle用で購入しました。見開きで読めて、USB Type-Cで充電でき、5Gに繋がるのでダウンロードし忘れたときも爆速でダウンロードできます。しかし、iPad miniはカバンに都度しまう必要があること、普段13インチのiPad Proも持ち歩いていたため、iPadを2台持ち歩く状態になったこと、とこれがスッキリできたらな、と思っていました。ではこれをFoldに置き換えるとどうなるのか。様々なメリットを感じました。

 まずは移動がめっっっっちゃ楽ということ。従来のデバイスでは、朝の通勤ラッシュ時にカバンから端末を取り出すのが億劫でした。Foldならポケットから取り出して開くと文庫本よりやや大きいサイズで読めます。電車から降りるときもそのまま閉じてポケットにしまえばOK。超ラクですね。

 そしてディスプレイがカラーということ。Kindleではモノクロの電子ペーパーを採用しているためどんな本を開いてもモノクロでしか表示されません。文庫本や漫画なら良いのですが、漫画に付属するカラーのページや写真付きのコンテンツは読むのに最適ではありませんでした。

 Foldなら有機ELディスプレイでコンテンツをガッツリ楽しむことができます。お気に入りの写真雑誌もしっかりカラーで読めます。

 文庫本や漫画ではどうなのか?漫画は見開きで表示したときにものすごく最適なサイズで表示されます。漫画本より一回り小さいサイズで実際に開いて読んでいる感覚があります。

 スペックはAndroidでもトップクラスの性能を備えているので、レスポンスも非常に良好。Kindle Oasisでは難しかった、Kindle Unlimitedの本の貸し借りやページの拡大もFoldならサクサク行えます。ソフトウェアもマルチタスクを想定されたインターフェースなので、雑誌を読んで気になった店が出てきたらChromeを開いて検索、Googleマップでいきたい場所に保存すればいつでもすぐに呼び出せます。

 そしてストレージは256GBの大容量。これをKindleだけで使い切るのは無理がありますね。それくらい余裕があります。

 唯一のネックはページ送りでしょうか。Kindle Oasisでは物理キーでページ送りができたのですが、Foldではタッチやスワイプでページ送りしなければなりません。電車の揺れで誤タップしたり、エッジスワイプによる戻る操作をしてしまい、本を閉じてしまうときがありました。ただ、Kindleと違いレスポンスが非常に良いため、誤って操作してもストレスが少ないです。全然妥協できます。

動画

 Google Pixel Foldの画面比率は6:5と横に長い16:9の動画とはものすごく相性が悪いように感じますが、使ってみると思わぬ発見が。

 ただただ動画を再生するだけでは上下に黒帯が発生してしまいすごく微妙なのですが、マルチウィンドウで上下に分割してしまうと、動画を最大サイズで視聴しながら下で別のことができます。例えばYouTubeを見ながらChromeで調べ物をしたり、ライブ配信をみながらTwitterで実況したり……。いろんなことができます。

仕事で

これは個人的に作成したポケモンSVの対戦シートです

 仕事で資料を見ながらメールを返信したり、Slackを送るとき、タブレットなら問題ないのですが、ちょっとした外出先でタブレットを取り出したりPCを開くのは面倒。でもスマホでやるとアプリを往復している時間があればタブレットやPCを取り出したほうが早い、みたいなとき結構ありますよね。

 Foldなら、画面分割に対応しているので、左側でPDFファイルを開きつつ、右側でメールやSlackを開くことも楽勝です。いちいち往復したりタブレットを取り出す必要がなくなりました。

 また、画面を開いたときの横幅がタブレットと変わらないため、QWERTY入力が非常に容易です。なので、移動中に資料の修正や長文のメールを作成するのも全然苦になりませんでした。

 Slackやメールを見るなどちょっとしたことなら外側のカバーディスプレイで済むのも良いところ。内容が長文になりそうならそのまま開けば作業が引き継がれるのも最高です。

不満

 ポケットには入る!……が重さと厚さでズボンが膨らんで見えること。スラックスのようなタイプなら特に気になります。

 そして耐久性に不安であることです。やはり従来のスマホとは大きく異る構造なため、普通のスマホより慎重に扱う必要があります。(ましてや借り物ですしね)

 また、想定どおりソフトウェアの最適化が進んでいないということ。こればかりはアプリケーション開発側の問題なので、OS側で対応しようがないですね。

アリ?ナシ?

 アリだと思います。約2年前のデバイスでもここまで快適に使えるのであれば、今後のアップデートでなんとかなる余地があります。なによりKindleで見開きで読む体験を一度してしまうともう普通のスマホでは物足りなくなってしまいます。

 また、複数のSNSを横断する現代においてマルチで表示しておくのは非常に有利な選択肢と思いました。左はX、右にはThreadsを開いたり、行き来する手間が省けます。ネット中毒者ほどこのフォルダブルはハマると思います。

 筆者はPixel 9 Proを発売日に購入しましたが、Foldを使ったあとでは使用率がぐっと下がりました。Pixel 9 Foldを買えば良かった……!と今更ながら後悔しています。

 現在フォルダブルも中古市場で数が出ていることと、競合が増えたことで比較的安価で購入することができます。フォルダブルに懐疑的な皆さんもぜひ、一度試してみてはいかがでしょうか。

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