
楽天の城下町二子玉川の楽天モバイル二子玉川店。楽天本社クリムゾンハウスの隣で営業中
楽天モバイルは、2025年4月15日に記者向け勉強会を開催。国内契約者の海外利用時のサービス特徴と、在留外国人契約に関して現況を説明しました。

楽天モバイル株式会社マーケティング企画部シニアマネージャー西村優氏
日本在留外国人が増加し続ける中、同社のショップにおける契約者のうち、外国籍の利用者が約25%を占める現状を明らかにしました。これは前年比8%増とのこと。かなり多いですね。
ちなみに携帯キャリアのうち在留外国人に一番人気なのも楽天モバイルです。
人気の理由として「料金の安さ」「自分に合ったデータ容量」が多く挙げられています。また、知人や同僚からの紹介、そして紹介キャンペーン経由での契約が半数近くを占めていることも、外国人コミュニティ内での評価の高さも伺えます。

スライドはあくまで日本在住外国人の比率で、楽天モバイル契約の外国人の数字ではないものの、実際の契約がどこかの国が突出しているなどはないとのこと。
そんな外国人を数多く受け入れる楽天モバイルショップは、どのように外国籍利用者を安心して利用できるよう「おもてなし」しているのか?

楽天モバイル株式会社ショップ営業部店舗企画課ヴァイスマネージャー田坂奈津美氏
たとえば来店客の国籍が多い店舗(例:高田馬場店では英語、中国語、ネパール語、インド語、ミャンマー語対応)に多言語対応クルーを配置するほか、全国162店舗に翻訳デバイス「ポケトーク」を導入。さらに、カタログ(7言語対応)や契約時の指差しツール、重要事項説明書なども多言語化を進めているとのことです。日本語学校や大学への出張説明会・契約会・相談会といったアプローチも実施し、学生のサポートにも力を入れているのだとか。
サービス設計においても、外国籍利用者に配慮した取り組みを実施。楽天モバイルの公式ウェブサイトは英語への表示切り替えを可能に。また、東南アジア圏を中心とした多言語での資料ダウンロードも提供。さらに特筆すべきは、「優しい日本語」を用いたコミュニケーションです。これは、漢字にルビを振ったり、平易な表現を用いたりすることで、日本語を母語としない人にも理解しやすくする取り組みで、在留外国人に最も適した形式だそうです。 料金請求や督促の案内、各種お知らせメールやSNSなどで活用し、実際に未払い後の支払い率改善にも繋がっているそうです。
ちなみに日本在住の外国籍利用者だけでなく、海外との接点が多い利用者全般にとって楽天モバイルのサービスは利便性が高いのだと楽天モバイルは主張しています。「Rakuten最強プラン」では、追加設定なしで海外73の国と地域で毎月2GBまで高速データ通信を追加料金なしで利用可能で、2GB超過後も最大128kbpsでの通信が可能とのこと。また、「Rakuten Link」アプリを利用すれば、日本国内への通話やSMS送受信が無料になるほか、海外から日本への通話も無料になる点を強みとして挙げました。
なお、楽天モバイルが海外に強い背景の一つとして「楽天の社内公用語英語と、それによる外国人社員37倍への増加」「社員の出身国地域100超え」といった社内文化を挙げました。それを象徴するインドネシア出身の楽天社員であるジェナリ・アマンダさんが登壇、自身の経験を語りました。
ジェナリさんはオンラインで楽天モバイルを契約した際、英語での手続きがスムーズだった点を評価。母国インドネシアではプリペイドプランが主流で、毎月パッケージを選ぶのが一般的であるのに対し、日本の携帯キャリア全般の複雑な契約体系に戸惑いがあったものの、楽天モバイルの「使った分だけ支払う」シンプルなワンプランは分かりやすかったそうです。

楽天モバイルブランドマーケティング戦略部UX戦略課January Amanda氏
普段は家族とのビデオ通話などで月10GB程度利用し、海外に住む兄弟や母国の親ともRakuten Linkで気軽に無料通話を楽しんでいるとのこと。海外ローミングも帰国時や海外旅行時に活用しており、現地のSIMカード購入の手間が省けて便利だと語りました。
ジェナリさんが周囲の友人にも楽天モバイルを勧めたところ、特に好評だったのは、来日・移住直後で自宅にまだWi-Fi環境が整っていない時期でも、楽天モバイルのスマートフォン経由でパソコンなどの他のデバイスをインターネットに接続できる「テザリング機能」がとても役立ったという点だそうです。
以前MMD研究所が外国人に人気のキャリアを発表した時「なんで?」と思いましたが、料金の魅力に加え、多言語対応や「優しい日本語」の導入、現場でのサポート体制強化など利用者に寄り添うきめ細やかな取り組みがあったようです。
ちなみに楽天モバイルは日本人の海外渡航時の利用で、他社への優位性を語っていましたが、2GB・超過後追加1GB/500円では「そんなに優位か?」って感じはしますね。2GB以上は課金はされなくて利用者からは好評だそうですが、現在の水準からするとかなり微妙だと思います。確かに、個人的には現地SIMを契約するまで高速で使えればいいわけで、2GB・超過時低速通信でも十分だと思いますが、国際ローミングのまま使う人は多いでしょうし、今ならahamoの方が海外利用に関してのみ言えば上だと思います。海外オプション新設や追加容量単価の見直しはあってもいいのではと感じました。