Huaweiは2025年9月、中国市場において最新の折りたたみ式スマートフォン「Mate XTs」を発表しました。
2024年に発売した初代モデル「Mate XT」に続く第2世代機として、「三つ折り」型のスマホを出しているのは未だHuaweiのみという現状で、依然として技術的な優位性を保っています。2つのヒンジ構造を採用することにより、最大で10.2型の大画面タブレットへと変形する点が最大の特長です。
価格は、中国市場において16GB/256GBモデルが17999元(約37万3000円)からとなっています。先代から約2000元(約4万円)の値下げとなり、徐々に三つ折り端末(Trifold)を「技術デモ」から「市販可能な製品」へと押し上げる狙いは見受けられますが、依然として非常に高価な高級製品です。
価格は、256GBが1万7999元(約37万円)、512GBが1万9999元(約41万5000円)、1TBが2万1999元(約46万円)というラインナップ。
Huawei Mate XTsは、折りたたんだ状態では6.4型のスマートフォンとして、片方を開けば7.9型のブックモードとして、そして全展開時には10.2型のタブレットモードとして利用できます。
ディスプレイは、LTPO方式の有機ELを採用し、90Hz駆動と1440HzのPWM調光に対応。解像度は3Kの3184×2232ピクセルで、約92%の画面占有率を実現しているとのことです。
背面は、3つのカメラを備えた三眼カメラ構成で、メインとなる広角カメラは5000万画素、F1.4からF4.0まで切り替え可能な可変絞りと光学式手ぶれ補正(OIS)を搭載。
これに加えて、13mm相当の画角を持つ4000万画素の超広角カメラ、さらにペリスコープ式の光学5.5倍ズームに対応した1200万画素の望遠カメラを組み合わせることで、広範な撮影シーンに対応できると謳います。
そして、これらすべてのカメラには、Huawei独自のRYYB配列センサーが導入されており、従来のRGGB配列よりも多くの光を取り込めるため、暗所や夜景撮影においても高い描写力が期待できるといいます。
また、インカメラとは別に、背面の高性能なカメラを自撮りに使えたり、子どもやペットを撮影する時には、外側のディスプレイにプレビューを表示することで、被写体の自然な表情を引き出すのにも役立ちます。
新たにスタイラス「M-Pen 3」(別売)への対応も果たしており、ペンを用いた手書き入力やスケッチ、プレゼン資料の操作にも対応します。ペンにはボタンが内蔵されており、遠隔操作やポインタ機能としても活用できるとのこと。
さらに専用のBluetoothキーボード型アクセサリ(別売)と組み合わせれば、ノートPCに近い文字入力環境が実現されるとしています。
プロセッサには、新たに開発されたKirin 9020チップセットが搭載。同社によれば、前世代比で36%の処理性能向上を実現したと謳います。メモリは16GBを標準搭載し、ストレージは256GB、512GB、1TBの3構成。外部ストレージには非対応です。
OSにはHarmonyOS 5.1を採用し、最大3つのアプリを並べて表示できる「パノラママルチウィンドウ」や、アプリ間のドラッグ&ドロップといった機能に対応しています。自社製高性能SoCの処理能力によって、PC版WPS OfficeやWind Financial Terminalといったデスクトップ級アプリケーションを動作させられる点を強みとしています。
バッテリーは5600mAhで、Huawei独自のシリコン炭素素材を用いた高エネルギー密度設計。有線は最大66W、ワイヤレスは最大50Wの急速充電に対応し、さらに7.5Wのワイヤレス逆充電も可能です。
通信機能としては、5G、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、NFCを搭載。加えて中国版には、Beidou衛星を用いた短信の送受信機能が備わっており、圏外地域でも緊急時の通信が可能です。ただし、衛星通話やデータ通信には対応していません。
本体重量は約298gで、折りたたみ時の厚さは約12.8mm。背面にはヴィーガンレザー調素材を使用し、カラーはブラック、レッド、ホワイト、パープルの4色展開です。ただし、複雑な機構ゆえ、前作同様に防水防塵性能を示すIP規格には一切対応していません。よって、日常利用での水濡れや、ほこりが多い環境での使用には注意が必要です。
Huaweiは先代モデルを欧州や中東市場に限定展開しており、Mate XTsも同様の形で海外投入する可能性が見込まれます。ただし、Huawei製品はすべて米国の制裁措置により、Googleモバイルサービス(GMS)非搭載である点に留意が必要です。
仕様 | |
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ディスプレイ | 10.2型 LTPO OLED(解像度 3184×2232、約3K)、リフレッシュレート90Hz、PWM調光1440Hz、最大輝度1800ニト |
画面モード | スマホモード(6.4型)、デュアル画面モード(7.9型)、タブレットモード(10.2型) |
チップセット | Kirin 9020(オクタコア) |
メモリ | 16GB RAM |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB(外部ストレージ非対応) |
OS | HarmonyOS 5.1 |
リアカメラ | 広角:5000万画素(F1.4~F4.0可変絞り、OIS) 超広角:4000万画素(13mm相当) 望遠:1200万画素(ペリスコープ式、光学5.5倍、OIS) |
インカメラ | 800万画素(ただし自撮りには背面カメラが利用可能) |
バッテリー容量 | 5600mAh(シリコンカーボン電池) |
充電性能 | 有線最大66W、ワイヤレス最大50W、逆ワイヤレス7.5W |
通信 | 5G、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、NFC、USB Type-C(3.1)、中国版は衛星通信対応 |
本体素材 | ヴィーガンレザー仕上げ |
本体サイズ | 折りたたみ時:高さ156.7mm × 幅73.5mm × 厚み12.8mm |
重量 | 約298g |
カラーバリエーション | ブラック、レッド、ホワイト、パープル |
スタイラス対応 | M-Pen 3(別売)対応 |
耐水防塵 | 非対応(IP規格なし) |
価格(中国) | 256GB:1万7999元(約37万円)、512GB:1万9999元(約41万5000円)、1TB:2万1999元(約46万円) |