地味にiPhoneが中国特殊事情を突破。
AppleはiPhone Airを発表しました。薄型化しても物理SIMスロットを廃止することで、その空いたスペースに電池を詰め込んで1日の電池持ちを実現したと謳います。
しかし、日本市場投入モデルは、なんとiPhone Air以外のiPhone 17/Pro/Maxも含め、全機種で物理SIMのないeSIM専用モデルになっていることが発覚。
では逆に、どこの市場がeSIM専用で、どこの市場ならば物理SIMモデルが購入できるのか?
MacRumorsによると、iPhone 17、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro MaxがeSIM専用モデルとなっているのは、バーレーン、カナダ、グアム、日本、クウェート、メキシコ、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、アメリカ合衆国、米領バージン諸島とのこと。
iPhoneは複数のeSIMを管理でき、渡航時にカードの出し入れを伴わず回線を切り替えられます。Appleは2022年のiPhone 14から米国で物理SIMの段階的廃止を始めており、「米国版iPhoneはeSIM」というのはこれまで通りでしたが、今回、対象国を拡大してきましたね。
一方、欧州、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、韓国では、物理SIMモデルを販売するそうです。引き続きnanoSIMトレイを備えつつeSIMも利用できる、従来通りのスタイルです。
ちなみに、中国ではiPhone 17無印/17 Pro/17 Pro MaxはnanoSIMのみ対応。Apple公式の技術仕様に 「SIMカード:双卡(nano-SIM卡)」 と明記しています。前からそうですが、世界的に見ればレアモデルですね。
そして新登場の超薄型モデルであるiPhone Airは、世界全てでeSIM専用です。これは噂と異なり、中国も例外ではないようです。
あれ、中国ってeSIMでもいいんだ?と思った方は鋭い。中国本土ではSIM販売現場で身分証の照合が求められるなど、SIMの実名登録(本人確認)を厳格に義務付けており、実際これまで中国本土ではiPhoneはeSIM非対応でした。
しかしiPhone Airは、全世界でeSIMのみ対応。中国でも双eSIM(物理SIM非対応・デュアルeSIM)となっています。
中国ではiPhone eSIM対応のキャリアは、中国聯通(China Unicom)一社のみとなるそうです。中国本土でiPhone AirのeSIMを有効化するには、中国聯通での申請が必要であると、Appleが明言しているのです。
中国聯通の店頭で、本人確認の上でeSIM開通という手続きとなるそうです。規制をクリアするため、リモートプロビジョニングから本人確認まで必要となる設備や受け入れ体制が現時点で整っているのが、この一社ということなのでしょうかね。
ということで、中国ではiPhoneも(現時点でAirのみ)eSIM契約できるようになったみたいです。
実際、「中国本土でeSIMを使えるiPhoneは、iPhone Air(A3518)のみであるともAppleサポートが言及しています。
超薄型設計にこだわり、物理SIMの無くなったiPhone Airは、中国iPhoneユーザーにとってはかなりエポックメイキングな機種となりそうですね。