
アップルの衛星通信メッセージ機能が、ついに日本でも!
2025年12月9日から、iPhoneとApple Watchの衛星通信を使って「メッセージ」アプリ経由でiMessageやSMSを送受信できる「衛星経由のメッセージ」が日本で提供開始されました。
対応機種はiOS 18以降を搭載したiPhone 14以降の全モデルと、watchOS 26以降のApple Watch Ultra 3です。
これまで日本では、2024年7月にスタートした「衛星経由の緊急SOS」と「衛星経由の『探す』」が先行していましたが、今回の「衛星経由のメッセージ」は、圏外でも家族や友人とテキストでやり取り可能に。山や海、僻地などで携帯電話の電波もWi-Fiも届かない状況でも、「無事に着いた」「今から下山する」といった連絡を衛星経由で届けられるようになります。
使い方は基本的に通常のメッセージと同じで、特別なアプリは不要。iPhoneやApple Watchがモバイル通信とWi-Fiの両方で圏外になっている状態でメッセージを送ろうとすると、「衛星経由のメッセージ」利用を促す画面がロック画面やメッセージアプリ、Apple Watchの画面に自動で表示されます。そこで案内に従って端末を空が開けた方向に向けると、Globalstarの衛星との接続が確立し、やり取りできるようになります。対応するiPhoneではDynamic Islandに衛星信号の強さや衛星の方向が表示され、途切れた場合も矢印で向きを誘導してくれる仕組みです。
衛星経由で送れるのは、iMessageとSMSのテキストメッセージ、絵文字、そしてTapbackと呼ばれるリアクションのみです。写真や動画、音声メッセージなどの大容量データには対応していません。衛星は地上回線よりも帯域が限られるため、短いテキストで要点だけ伝える使い方が前提になります。なお、衛星経由で送信されたiMessageは、通常のiMessageと同様にエンドツーエンドで暗号化され、内容はAppleにも第三者にも解読できない設計とされています。なお衛星は頭上を高速で移動しているため、ビル街や森の中など、空が十分に開けていない場所では接続しづらくなります。
気になる料金面ですが端末アクティベーションから原則2年間無料で利用できます。さらに、iPhone 14以降を2024年7月30日より前にアクティベーションしていたユーザーは、無料期間の起算日が「端末購入日」ではなく、衛星経由の緊急SOS提供開始日(2024年7月30日)になります。また、iPhone 14とiPhone 15を2025年9月9日(米国西部時間午前0時、日本時間16時)より前にアクティベーションしていた場合は、無料期間が1年延長され、最大3年間無料で衛星機能を利用できると案内されています。
iPhone同士であれば基本的にiMessageでのやり取りになるため、相手の回線がどのキャリアかを意識する必要はほとんどありません。一方、相手がAndroidスマホなどiMessage非対応の場合、「衛星経由のメッセージ」はSMSとして配信されます。この際、現時点で衛星経由のSMSが届くのはNTTドコモとソフトバンクの回線だけで、KDDIと楽天モバイルの回線宛てには衛星経由のSMSは配信されず。
今回の「衛星経由のメッセージ」は、すでに提供中の「衛星経由の緊急SOS」や「衛星経由の『探す』」に続く第3の機能で、日本は米国・カナダ・メキシコに続く4番目の提供国とされています。




















